1.山域・メンバー
山域・山名 |
八海山 |
山行内容 | 冬山訓練・ゲレンデスキー |
メンバー |
L木村 SL太子 戸貝(美)・伊藤(実)・吉川 12日(日帰り) 楡井 |
天候 |
2/11 曇り→晴れ 2/12 晴れ |
2.行動記録
記録 | 木村 |
日程 |
2023年2月11〜12日 |
3.報告
7時に鳥原PAに集合、2台に分乗して高速に乗る。今回は初日にビーコン操作等の訓練を行って雪洞泊し、翌日はスキー訓練?と称してスキー技術の向上を図るもので、八海山スキー場を選定。吉川さんがゲレンデ用のスキーしか無い事を言い訳にして、ロープウェイ山頂駅すぐ上の展望台と避難小屋のある場所を選定。登行差15mの全く「のめしこき」で、翌日はゲレンデスキーという1粒で2度おいしい計画である。
10時半に上がり、入会検討中の古和田さんを交えて自己紹介の後、ビーコン操作訓練に取り掛かる。古和田さんは北海道から昨年転勤で新潟に来られたとの事で、雪山も含めて経験豊富なようだ。
先ずは各自ビーコンの送受信のチェック行い、講師の太子副会長から雪崩現場での捜索方法を聞く。電波干渉を防ぐ為に携帯電話を離す事。1人又は複数人での捜索方法。信号の受信距離に応じた対応等、いずれも時間との勝負が生死を分けるので、スコップ・プローブと合わせて迅速に行う必要がある事を強調。一昨年の守門黒姫での訓練ではビーコン1台を雪中に埋めて実施したが、今回は1人が送信モードで離れて立ち、他は受信モードで捜索を開始した。会装備のビーコンは3種類あるが機器により表示距離にムラがあり、方向もぶれて表示される。そんな中で、古和田さんのマムートのビーコンは距離・方向共にピッタリと表示されており、その違いのビックリ! 複数人の信号にも対応できる仕様となっており、機器の進歩に追いついていない我々を痛感した。
続いて弱層テストに取り掛かる。斜面で雪を掘り下げ30㎝四方の雪柱を2つ作る。シシケバブの切り落としのようにスノーソーで雪面を整えると、新雪・ザラメの層がハッキリ判る。雪柱の上にスコップを乗せてトントンと手で叩く。次第に叩く強さを増すと20㎝位の層がバサッと崩れた。2つともに同じ深さで、ザラメ層に乗っかった部分が崩壊した事が判った。この層が表層雪崩となることから、斜面での位置取りも重要であり、山スキーでは木々のない大斜面を滑りたくなるが慎重なコース選定が重要であるとの事。
次に滑落者を救助するスタンディングアックスビレイ訓練を実施。特に雪庇の踏み抜きによる滑落時の対応として、2人で引き上げる際には1人がビレイ体制を取り、もう1人が前で少しでもロープを引き上げ、その上げ幅をビレイ者が引いて上げてゆくという方法だ。これは実際に矢筈岳での雪庇踏み抜きで対応した実践に基づく引き上げ方法との事。また、その際にロープが雪中に潜り込まないように、ストックを横にして潜り込み防止が重要との事。ビーコン操作と併せ継続的に実施し、実際に活かせる技術として体得する必要性を感じた。
訓練の後は各自ランチタイムとする。午後からは雪洞と先月に雪洞泊を体験した吉川さん希望のイグルー造りだ!食後に一服しているとガサガサと音が聞こえ、振り返ると戸貝さんとその命を受けた伊藤君が避難小屋の入り口の雪を掘り下げている。一段トーンが上がった声で「戸が開いたよ~」と戸貝さん。耳を貸さずに雪洞とイグルー適地を探し、近くの斜面を選定。佐越さんと伊藤君にここ掘れワンワンと指示を出す。隣で吉川さんはイグルーの下地作り。雪洞は2か所から掘ってドッキングするもので、古和田さんも汗を流して掘り進む。2時過ぎにドッキングしたが、4人分のスペースにはまだまだ足りない。佐越さん・古和田さんは日帰りなので、作業をいったん中断して全員でお見送り。お2人とも日帰りなのに協力頂き、ありがとうございました。
そこから空気が一変した!
雪洞は広さ・高さも足りずかなり拡張しなければならないが、戸貝さんから「小屋も泊まれるよ♡」と魔女のささやきが、午前中は優秀な講師であった太子副会長からは「泊りの4人は何回も雪洞体験してるっけ、足置き場を掘り下げてテーブルにするけ?」と悪魔のささやきが、口数の少ない伊藤君からは2人に同調するアイコンタクトが送られてきた。去年の2月会山行の五頭山では当初雪洞泊りであったが、泊りは今回の4人だけだったので計画段階で駐車場でのテント泊に変更した。隣を見ると吉川さんが黙々とスノーソーでブロックを切り出して積み上げている。
リーダーの木村としては久々の雪洞泊りであるが、天井が下がってくる事を計算するとかなり掘り上げる必要があり、総合的に勘案した結果、その労力を足置き場の掘り下げに使う事に決断した!そうと決まると4人の動きはなめらかで、ササッと足置き場を掘り下げて断熱シートを敷き、レインカバーに酒・つまみを入れてセット完了!
吉川さんのイグルーはほぼ完成したのだが、そこで大事件が発生した!スノーブロックを積み上げたのは良かったが、積み上げた場所の踏み固めが弱く吉川さんが側に行ったら、その衝撃であっという間に全部崩落した。ぜっかくの苦労が一瞬で崩れ去ったが、もしこれが就寝中であったらと考えると、ゾッとし不幸中の幸いであったと思った。
なんやかんや5人で「スナック雪洞」で乾杯しホッコリタイムを過ごす。外も暮れなずんできて里の明かりが綺麗だ。明日は快晴が期待できる。冷え込んで来たので小屋に入って2次会とする。小屋内ではまったりとアホな話もするが、山での安全意識について、特にクライミングの場合は各人の意識差について意見を交わしたり真面目な部分もしっかりとありました。
水が少なくなったので雪を取ろうという事になり、シュラフに入って長まっていた戸貝さんがビニール袋を取り出して、「ホレッ!」と伊藤君に。永遠の若手、伊藤君は静かに受け取り外に行きました。本当の若手、平成生まれの吉川さんは、こんな軟弱な先輩達とは違うんだ!という事で、「雪洞に泊りま~す」とスリーシーズンのシュラフに湯たんぽと白金カイロをセットして雪洞へ。軟弱な先輩達はアルコールを完全摂取の後就寝z z z
翌朝は見事なピーカン。スキー場がオープンする迄は降りられない事を良いことに朝もまったりと過ごす。今日は急遽泊りが出来なくなった楡井会長が日帰り参加するので、ゲレンデで合流とする。重たいザツクで滑り降りて車に戻り、身軽になってロープウェイに乗車。1本滑り降りると電車で来た楡井さんと合流。たっぷりと滑走を楽しみ帰り支度に取り掛かる。木村号は5人のスキー・ザックなどで満杯の為、楡井会長はバスで駅へ。我々は温泉で汗を流し安全運転で新潟へ戻りました。