1. 山域・メンバー
山域・山名 | 守門岳(大岳) |
ルート | 二分~保久礼小屋~山頂往復 |
地図 | 穴沢(1/25000) |
山行内容 | 山スキー |
メンバー | (L)渡辺、中山 (峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 渡辺 | |
日程 | 2008/2/11 | |
タイム | 2/11 | 二分7:30~保久礼小屋9:00~大岳山頂10:30-12:35~1260m再滑降13:35~保久礼小屋の登返し14::00~二分14:35 |
報告
前回は降雪中に出かけ、970mで敗退をしている。今回は是非とも頂上に立ちたく例会で案内をしたところ、強力なパートナーを得ることが出来た。これでラッセル労力は半分、パートナーは何とGPSも持っているとの事だから、8割方ピークに行けると皮算用したのであった。
保久礼小屋まで
中ノ島I.Cを降りて、すき屋に向かう。山行前のすき屋が最近のパターン、私は行動食をあまり摂らないタイプなので、行動前はガッチリと食べる事にしている。R290の石峠を越し、左折で二分へと向かうと、路面は乾いており降雪も無い様子、頂上は間違いない。
除雪最終点の到着は7:30、既に何台かはあると思っていたが一番乗りであった。「こんなに天気の良い日に誰も居ないなんて、先週の恐羅漢の影響もあるのか?」なんて思っていると、準備をしている瞬く間に5~6台の車がやってきた。
先行の単独者(スキー)に続いて出発する。放射冷却で固まった雪面が割りながらの歩行、しみわたり状態である。ラッセルが無いので、西川の橋を渡ってそのまま道路を行く。ヘアピンから直接取付く最短のルートで向かうことにした。帰路を考えれば、大平の上部の小沢から長峰経由が得策かと思うが、この時は早く頂上に立ちたかったのである。
先行の単独者とは抜きつ抜かれつ、う~ん、みんな好き者だ。長峰からのルートを合わせるとトレールは高速道路仕様となり、ぐんぐんと山頂が近付いて来た。空はいよいよ青く、天気はひょっとして一日持つのではないか?と思われてくる。そうすると今度は、雪が解けて滑りが悪くなる心配をし出すと云う、贅沢な悩みが出てくる始末であった。
保久礼小屋~山頂
小屋への降りをシールで滑り、最後にコケるのは毎度の事。1月は4時間以上を掛けたがこの日は1時間半で到着あった。ギタギタかもと心配していた斜面のシュプールは3本ほど、私はゆっくりタバコを吸っていたが、中山さんは早く出かけたそうだった。同行は今回が始めてであるが「強い人」と聞いていて、二分から休み無しで来たけれど、この様子なら二分~頂上までノンストップで行ってしまうかも、と舌を巻いた。
斜面を一つ登り、ヤセ尾根を通過する頃から、シュプールが1本になった。ストックを差す具合から雪質が上がってくるのが判り、調子が上がる。「ああ、早く滑りてぇ」と先を急ぐと、前回の敗退地点、まだ2時間チョイであった。樹木の薄くなったところで一服、頂上はもう手に取るようで、まだ早いから「サッサと行って、もう1本滑るか」と欲も出てくるのであった。
一休みの辺り
ところがこの先からパウダーが無くなり、固雪面になった。風が強いのであろう、シュカブラ(もどき)も出て来て滑りは快適でなさそう、滑降意欲が減衰して行くのが判る。だが、今日は天気が勝った。辺り一面は白銀の世界、滑れなくとも頂上でのビールがある。この景色の中で喉を潤せるだけで満足、歩みが停滞することは無かった。
山頂~保久礼小屋
最後は左腿の付根が痛かった。ちょうどリンパ線の辺りで、先週の二王子も敗退の守門も同じ現象があったのだが、単に山行不足から来る痛みなら良いのだけれど。毎回これでは満足に動ける時間が3~4時間、まともな山行が出来ない。まだシーズンも、たぶん人生も長い(筈)なので、この左腿には本当に困っている。
頂上が近い
中山さんが一番・単独スキー・渡辺と続いた。おのおののラッセルのお礼を言い合い、缶を開ける者・カメラを構える者・地図を広げる者と、それぞれが今日のこの守門山頂を楽しんだ。後続も到着、ラッセルのお礼を言われる。だけど今日のラッセルはゼロ、それでも「どういたしまして」と答え、互いの健闘を称え合う。共通の知人の話をしたり、皆で山座同定をしたりした。
袴岳方向
飯豊は別格に真っ白、足元には川内~御神楽。反対は、弥彦・角田から米山、妙高。一言で言うと、大パノラマ。魚沼方向は、もう山だらけ(名前を知らず。)。見えれば見えるほど、帰りの雪は具合の悪いことを示唆しているのだけれど、もうそんな事はどうでも宜しい。この日この時、この場所に来れた事を喜ぼう。
山頂~保久礼小屋
一時は15人だった人も今は数人、名残惜しいが下山に向かう。右の谷に入れれば快適だろうけれど、自分のレスキューのスキルでは無理で来た道を引き返す。雪は解けてこそいないがパックされており、滑りは想像通りスムーズには行かない。それでもパウダーが出てくると面白くなり、先の休憩地点近くから、時間もあるしもう一度登り返す。1260mまで登り、再びトライ、酔いも抜けたのか先程よりも満たされた滑りであった。
そうか、頂上→まず1本滑る→乾杯→登り返す、であれば1本目は雪も良いだろうし滑りも満足できるかもしれない。今日は、頂上→先に乾杯、としてしまったのであった。しかし乾杯は頂上でするもの、そうだとしたら、頂上→1本目→登り返し→頂上(乾杯)、であるが、これは乾杯を2回目の頂上まで我慢できるかが核心になる。いずれも一長一短で、次回は頂上→1本目→乾杯→登り返し、を試してみよう。
結論も出たので小屋へ向かうと、実はここからの方が、重いながらもパウダーで面白かったのである。結果的に登り返す地点が早かった訳で、好景色の上部を捨てて、積雪のある樹林帯で登り返した方が滑りを楽しめたのであった。次回はそうしようと思ったが、そうなると乾杯のライン(標高)が下がってしまうと云うジレンマがある。う~む、やはり一長一短であった。
小屋からスキーを担ぎ一登りをすると、さあ最後の下りだ。行きのルートか、長峰~沢沿いで帰るか、帰路のトレールの太さを見て決めることにした。林道はスキーが走る走る、新雪に入ってスピード調整すること数回、今まで3月に5~6回来ているが、今日は一番楽ができた。やっぱ2月は良いわ。ルートはやはり長峰経由がメイン、沢への下降は毎回転倒するので踵を固定して、これも無事にこなせた。大平の手前から左の山腹に入り、林道斜面の上にでる。あとは西川の橋を目掛けて、夏は田畑であろう斜面を駆け下りるだけだ。
橋からもスキーが走り、一漕ぎで車に着いた。今日、一番驚いたのは、平坦部でのスキーの走り。保久礼小屋からこれだけ楽に帰れたのは、2月である事と、トレールを作ってくれた皆さんのお陰(行きは別ルートだったので、我々はこのトレールに寄与していない)と思っています。
今日は誕生日。山も降りたし、久しぶりに早く帰るか。