朝日連峰縦走 [ハイキング]

1.山域・メンバー

山域・山名 朝日連峰(出羽三山・朝日国立公園)
山行内容 ハイキング
メンバー 木村(駿)、Y
天候 ・6/12: 曇りのち晴れ
・6/13: 曇りのち晴れ
・6/14: 晴れ

2.行動記録

記録 木村
日程 【1日目】
06:00 泡滝登山口発
10:00 大鳥小屋着 1時間休憩
14:40 オツボ峰
17:10 以東岳登頂
17:30 以東岳避難小屋着
19:30 就寝

【2日目】
06:10 以東岳避難小屋発
09:30 狐穴小屋避難小屋
11:40 寒河江山
13:00 竜門小屋
15:00 西朝日岳
16:30 中岳
17:10 大朝日岳避難小屋着
19:00 就寝

【3日目】
05:40 大朝日岳避難小屋発
06:10 大朝日岳登頂
06:30 下山開始
09:00 長命水 休憩&食事
14:00 朝日鉱泉登山口着 下山完了

3.報告

【1日目】
同行のYさんは「いつか村上最高峰の以東岳に登りたいが、登りが多くて今は無理」と昨年(2025年)に話していた。それを聞いた私は「体力を付けて来年登ろう」と提案。私自身も縦走への欲求が強かったため、せっかくなら大朝日岳まで繋げようと思い立った。植物と残雪の風景を楽しめる6月の第2週に照準を合わせ、各自トレーニングと準備を重ねてついに当日を迎えた。
事前訓練(茂倉新道~蓬新道周回)の反省から食料の軽量化を図り、前々日には準備を完了。11日(木)18:00に新潟市を出発し、まずは下山口の朝日鉱泉へ向かう。朝日鉱泉から泡滝登山口までは車で2時間半。到着したのは深夜2時過ぎだった。急いで就寝し、明日に備える。
12日早朝6時、泡滝登山口から入山。水は大鳥池で補給できるとの情報があったため、2Lのみ携行。緩い登りを経て吊り橋を渡り、急登を越えるとタキタロウ山荘に到着した。昼食後、先行していた釣り人と話が盛り上がり、大鳥池に1時間も滞在してしまった。先はまだ長い。気持ちが焦る。
大鳥池からは、お花畑を楽しめるが少し遠回りになる「オツボコース」を選択した。
以東岳の碧玉水はまだ雪の下との情報があったので、ここで3Lの水を補給。

残雪を越える

リュウキンカ

冷水沢橋

釣り人と大鳥池

釣り人に見せてもらったヒメマス(めちゃくちゃおいしいらしい)

以東岳の碧玉水はまだ水の中のため5Lを補給

タキタロウ山荘

オツボコース、直登コースの分岐

分岐をオツボコース方面に行き黙々と上っていくしばらく急登が続き、水で3キロ重くなった急登と相まって非常に辛い。天気は曇り。予報では晴れるはずだが、本当に晴れるのか、たどり着けるのかと不安がよぎる。植物に癒されつつ、なかなか着かないオツボ峰を目指して黙々と歩く。

急登りのブナ林

標高が上がり、ブナ林が低木に変わって視界が開けてきた13:00頃、どんよりした雲が晴れて青空が広がった。右側には今日登頂予定の以東岳と避難小屋が見える。お花畑も始まり、いよいよ朝日連峰縦走が本格的に始まるという高揚感に包まれた。

残雪

サラサドウダンと以東岳避難小屋

以東岳をバックに

お花畑 ハクサンイチゲ イワイチョウ等

視界が開けて気分はいいが確実に重い荷物によってペースが落ちていて、少しずつ遅れていた。計画では標準コースタイムの1.4倍(ペース倍率1.4)というゆとりを持った設定にしていたが、それでも立ち止まらない時は早めに歩くことを意識し、ようやくオツボ峰に到着。オツボ峰あたりからつぼみのヒメサユリがチラホラあったが、何とか咲いてる株を見ることができた。下界の物より花色がとても濃く美しかった。ニッコウキスゲと一緒に一面に咲いていたらさぞかしきれいなんだろうなと思った。オツボ峰ではなぜかアズマヒキガエルの上陸して数カ月ほどの個体が何匹もいた(少し探しただけで7匹程)近くに水場もないしどこから来たんだろうか。にしてもかわいい。

オツボ峰方面

ヒメサユリ

アズマヒキガエルの幼体

オツボ峰から見える以東岳はまだまだ遠い。時々休みつつ黙々と登っていった。

時々Yさんに励ましの声(うざい笑)をかけながら歩く。ところどころ滑りそうな斜面があったが道は歩きやすく比較的安全だった。途中ちょっと前までいた大鳥池が眼下に広がりとても綺麗だった。いくつかピークを越え緩やかな登りを登ると以東岳に到着した。

オツボ峰から以東岳

ヒナウスユキソウ群落

懸命に歩く

大鳥池が見えた

以東岳山頂 縦走路と一緒に

明日以降の縦走路

以東岳山頂に到着した時点で17:00とでだいぶ遅く小屋の人に迷惑が掛かると思い急いで以東岳避難小屋へ向かう。避難小屋には3人の方がいらして、幸いまだ夕焼けを見るために待機していて荷ほどきや会話を楽しんでいる状態で迷惑をかけずに済んだ(迷惑だと思ってるかもしれないが)我々も荷物を置き足早に食事を済ませた。

以東岳避難小屋

綺麗な避難小屋で夕食を楽しむ

食事を終えた後はアーベンロートを見るため以東岳山頂に向かい、陽が落ちるのを、持ってきたビールを楽しみながら待った。結果日本海に雲がかかっており完璧なアーベンロートとはいかなかったが、オレンジに染まる大朝日岳への縦走路は壮大で美しいのと同時にあそこ(赤丸)まで明日歩くという事実に恐怖さえ感じた。夕焼けを見た後は避難小屋に戻って就寝。

日本海に沈む太陽 日本海が見えるのは朝日連峰で以東岳だそうだ

夕日に染まる標柱

夕焼けに染まる大鳥池と朝日連峰縦走路

 

【2日目】
2日目は道のりが長く時間がかかるため朝4時に小屋を出るつもりだったが強風と雲に覆われて視界が5mほどしかなく、2時間小屋で待機し、6時前にやっと出発することができた。しばらくは強風を耐え、雲の中を濡れながら進む。たまらずハードシェルをきた。天気予報は安定して晴れ予報のためすぐに天気が好転することを信じて進む。もしよくならなかったら引き返して以東岳避難小屋で停滞するか、狐穴小屋まで頑張るかといった感じだろうか。幸いしばらくすると雲が消え晴れ間がやってきた。狐穴小屋までは花崗岩が雨や風に削られた特徴的な尾根筋を進んでいく。個人的にここ景色は大好きだ。
途中美しい池塘を見たりしてずんずん上っていくと中先峰に到着。

出発後 しばらくは雲の中

雨風で削られた花崗岩の風景が続く

緩やかな登り ササ原

キバナノコマノツメ

池塘 モリアオガエルが鳴く

中先峰に到着

コケモモ

中先峰は地図で見るとそう遠くはないが、実際みると遠い。まずは狐穴小屋に到着しなければ。
中先峰から少し行くと急な下り坂を下り、砂礫地を抜け、残雪の上を登ると狐穴小屋が見える。残雪の縁に池塘がありアズマヒキガエルが産卵していた。狐穴小屋は水がジャバジャバと出ており、行動食を食べ水を補給する。途中すれ違った登山者からの情報で竜門小屋の水はまだ出ていなかったと教えてもらったので、明日の下山までの水5リットルを補給する(事前調べでもまだ出ていないとのことだった)。ここで一気に荷物が重くなった。かなりしんどい重さだ。昨日の登山で筋肉痛にはならなかったものの、疲労は着実にたまっていが、あまり休憩せず重い腰を上げて竜門小屋を目指して出発。ここまでコースタイム通りだが朝の2時間の遅れを回収できてはいないからだ。急がなくては。

狐穴小屋方面 まだまだ遠い

砂礫地を通過

お花畑

ヒナザクラ

狐穴小屋付近 残雪

狐穴小屋

狐穴小屋からは三方境を通過しまず北寒河江山を目指す。
北寒河江山からいったん大きく下って寒河江山に登った。登り返しはかなり堪えた。途中念願のムシトリスミレを見つけて大盛り上がり。風を避けるように登山道沿いの風が当たらない場所にひっそり生育していた。ムシトリスミレを見たことで元気をもらい寒河江山に登頂。その後の南寒河江山は山頂らしい山頂はなくよくわからなかった。

チングルマ

三方境

北寒河江山から寒河江山

寒河江山への登り

ムシトリスミレ

キバナノコマノツメ群落

寒河江山山頂

南寒河江山から寒河江山方面

南寒河江山から竜門山も小刻みなアップダウンを繰り返しながら進み、ツバメオモトやウズラバハクサンチドリ、ノウゴウイチゴなどを見ながら行く。小屋は見えているのになかなか遠い。やっと小屋につくと小屋の管理らしき人や登山者が数名いてにぎわっていた。
小屋の前には衝撃的なことに水が引かれていてジャバジャバ湧き出ていて、行者と落胆した水が引かれていることがわかっていれば。3kgの水を余分に持ってくることはなかったのに(笑)。勝手な推測だが竜門小屋の管理人の方がちょっと前にきて水の管理をして、水が出だしたのはついさっきなのだろう…トレーニングだと思えばなんてことはない!!
気を取り直して竜門山に向かう。

竜門小屋への道

寒河江山方面

ツバメオモト

ウズラバハクサンチドリ

ノウゴウイチゴ

竜門小屋目前

竜門小屋

湧き出る水

標識 主稜線と日暮沢方面

竜門山山頂への登りもしんどく、山頂はなだらかな感じだった。次は西朝日岳を目指す。今までは標高1500m~1700mを行ったり来たりしていたが、西朝日岳は1814mなので気合を入れて登る。ここらへんでYさんが疲労でペースダウンしたため、私が水2L分を肩代わり。2kg増量し結構重くなった。持つと言った手前、大朝日岳避難小屋までは運ばなければと気合を入れたが、若干後悔していた。実はこれまでの歩行でリュックの肩に当たる部分がなで肩のせいもあってか、圧迫と擦れによって内出血しており割と痛い。しかし、稜線の美しさがそれを忘れさせてくれた。西朝日岳かまでのじわじわ続く登りを頑張って登っていく。しばらく行くと標柱が見え、西朝日岳に登頂。ここで今まで頭だけしか見えずて全容が見えなかった大朝日岳避難小屋と大朝日岳が見える。あまりの遠さに二人で絶句する。
まず大朝日岳の前に大きいピークの中岳が見える。途中から同じペースで登っている登山者の方(我々と同じ大朝日岳避難小屋めざし)と「お互い頑張りましょう」と会話をして出発。

お花畑 ミヤマダイコンソウ

西朝日岳への道

西朝日岳山頂を捉える

西朝日岳山頂標柱

大朝日岳への縦走路 中岳・大朝日岳

大朝日岳避難小屋も見える

西朝日岳から以東岳方面

西朝日岳から中岳は標高を100m下りてまた100m上がるといった感じで強烈だった。アップダウンが身体に効く。中岳は山頂直下は急登だった。山頂は通らず脇を通るような感じの道で中岳を通過。またがっつり下って大朝日避難小屋を目指す。中岳直下は残雪がかなりあり。アイゼンを付けるか迷ったが、キックステップで通過。後から聞いたが、Yさんが少し滑ったそうなので、やはり迷った時は装着すべきだと反省した。残雪を通過し鞍部まで下りてくると金玉清水の看板があったが、まだ雪の中でどこにあるのかもわからない。行動食を少し食べて、今日のラストスパートの登りを気合と根性で乗り切り、17:10に大朝日避難小屋に到着。本来4:00スタート、15:00ぐらい着の予定だったので、まずまず順調にこれた。大朝日避難小屋には多くの人がいて僕らより後に来る人も何人かいたので安心(反省)。夕食を食べ、荷物を整理して夕日が沈むのを待ち、小屋の前で夕焼けを鑑賞する。ほんとは大朝日岳山頂から見たかったが疲れていたのでいかなかった。今では後悔している。

中岳への登り

西朝日岳方面

中岳山頂直下

高校山岳部 春合宿遭難事故慰霊碑

中岳から大朝日避難小屋への道

ミツバノバイカオウレン

中岳直下の残雪

大朝日避難小屋への最後の登り

大朝日避難小屋到着

夕焼けに染まる大朝日避難小屋

夕焼け

夕焼け俯瞰

【3日目】
5:00前に起きて朝食を済ませて5:40頃出発。朝から快晴で気持ちがいい。
今日は大朝日岳に登り朝日鉱泉登山口に下る予定だ。若干の筋肉痛があるが問題はなさそう。30分ほどで大朝日岳山頂に到着し、昨日歩いてきた以東岳からの長い縦走路を眺め、よくここまで歩けたとお互いを称え合う。しばらく山頂からの風景を楽しんだら、下山開始。中ツル尾根コースは朝日鉱泉~大朝日岳の最短ルートで8kmあり、内4kmは川沿いの横ばいのルートのため4kmで1200m以上を下る急勾配なコースだ。膝が痛くならないか心配だが、13:00過ぎの下山を目指して進む。
Yさんは下りが続きご機嫌でサクサク下山していく。
途中、長命水で休憩。長命水はコースを外れ少し斜面を下らなくてはならない。昨日汲んだ水は常温に戻っているので冷たい水がほしいところだった。ここでYさんが昨日水を持ってもらったお礼ということで汲みに行ってくれた。冷たい水はおいしく、食事も食べ、満足。次は出合いの吊り橋に向けて進む。

大朝日岳から以東岳方面

朝日連峰縦走路をバックに記念撮影

朝日連峰縦走路をバックに記念撮影

祝瓶山と飯豊連峰(ほんとは祝瓶山まで歩きたい)

下山開始

遠くなる大朝日岳

中ツル尾根のヤセ尾根

サラサドウダンも満開

長命水から出合いの吊り橋までも急な下り坂で慎重に進む。
段々と川の音が聞こえてきて、大朝日岳から3時間半ほどで出合いの吊り橋に到着。
そこからは川沿いの道を細かなアップダウンを繰り返して朝日川の左右岸を行ったり来たりしながら進んでいく、朝日鉱泉まで1時間の看板を過ぎ、次はあと30分看板も過ぎ、朝日鉱泉ナチュラリストの家まで15分ほどの弘法水で頭から水をかけあいクールダウン。冷たすぎて頭がかち割れるかと思った。朝日川沿いの道は川側が切れ落ちている所も多く、急な斜面に設置されたロープを使って谷を越えたりなかなか神経を使う場面が多かった。そうこうしているうちに朝日鉱泉ナチュラリストの家に向かう最後の吊り橋が現れた。名残惜しさと、やっと終わるという気持ちを抑えて一歩一歩進み、ついに14:10に下山口(車)に到着。無事に朝日連峰縦走をやり遂げた。重いリュックを下ろし軽く着替えて、泡滝登山口においてある車の回収に向かった。

急な下り坂が続く

出合いの吊り橋

細い沢をいくつも越える

朝日川沿いに出る

朝日鉱泉まで1時間の看板

気の抜けない道が続く

朝日鉱泉まで30分の看板

サイハイラン

あと500m

最後の吊り橋

朝日鉱泉ナチュラリストの家に到着 下山完了

泡滝登山口に車を取りに行く前に我らが大好きなリンゴ温泉に向かい、3日分の汗を流し、体を休める。その後泡滝登山口に車を取りに行き帰路についた。夕食は失ったタンパク質を取り戻すべくは焼き肉を食べ00:00頃家に到着した。

(4)考察と反省
水場情報:
竜門小屋の水が出ていたのは誤算だったが、事前の「出ていない」という情報を信じて備えたことは安全管理としては正解だったと思う。ただ、最新情報の確認方法は今後の課題。

天候判断:
2日目朝の2時間待機は英断だった。無理に突っ込まず、予報と状況を照らし合わせたことで、その後の絶景を楽しむことができた。

装備:
残雪でのアイゼン判断。自分は大丈夫でも同行者の状況を考え、早めに装着を促すべきだった。

ペース: 重装備での縦走は肩への負担が想像以上だった。ザックのフィッティングやパッキングの工夫がさらに必要だと感じた。重い荷物を背負った状態の歩行速度も訓練が必要だ。

【感想:木村】
今回の山行についてきてくれたYさんには感謝しています。自分より全然トレーニングもして準備していたし。無事に一緒に朝日連峰の主稜線(累積標高3000m)を歩き切れたことは大きな自信になったし。この後も忘れないと思います。
また、会員の木村(昌)さんからは下山口まで迎えに来てくれるとのお話を頂き、今回は移動距離も多く2台で行くことが決まっていたため、お気持ちだけいただきましたが、すごくうれしかったです。
体力面に関しては着実ついてきていますが、小屋に到着が遅れたりとまだまだ足りないことを痛感しました。もっと速く長く歩けるようになりたいです。次は飯豊縦走を達成したい…なんて考えていますが出来るのかな・・・

【感想:Y】
登る前から不安だった、朝日連峰縦走。
何度も現れる登りが辛くてもう登山を辞めたいとすら思う時もありましたが、何とかやり切れてよかったです。
どこまでも続く稜線の花畑には感動しました。