1.山域・メンバー
山域・山名 | 富士山 |
山行内容 | 冬期一般登山 |
メンバー | 吉川、小国山岳会2名、長井山岳会2名 |
天候 |
11/21(日)晴れのち曇り 11/22(月)晴れのち雨 11/23(火・祝)晴れ |
2.行動記録
記録 | 吉川 |
日程 | 2021年11月21日(日) 1200馬返し – 佐藤小屋1500 2021年11月22日(月) 0530佐藤小屋 – 1100 3490m地点 – 佐藤小屋1340 2021年11月23日(火・祝) 0730佐藤小屋 – 馬返し0900 |
3.報告
冬山シーズン入り前のトレーニングに山岳会をまたいでお声がけいただき、富士山に行ってきました。昨年の槍ヶ岳に続き2回目の参加です。
初日は吉田ルート0.5合目?にあたる馬返しよりスタート。陽の当たる静かな登拝路をのんびりと登っていきます。道の要所要所にはこのルートの歴史を紹介するパネルがあり、残された遺構とともに在りし日の賑わいに思いを馳せました。3時間ほど歩いて、ふと薪を燃やす匂いに顔を上げると佐藤小屋でした。佐藤小屋は冬富士唯一の営業小屋で、着くやいなや元気な女将さんとピィちゃん(インコ)が暖かく出迎えてくれました。この日の小屋は我々のパーティの貸し切りで、夕飯はすき焼き・ナスの焼き浸し・串揚げと豪華!お酒を飲みたい衝動に駆られつつ、高山病になったら元も子もないのでしっかりセーブ。翌日のアタックに備えて力を蓄え、20時就寝。
2日目は5時半出発、頭上には星が瞬いていました。7合目までは単調な砂利道でしたが、花小屋のあたりから少しずつアイスバーン&岩場が増え、アイゼンを装着しました。アイゼンをつけると足が重く、なかなかペースが上がりません。7合5勺につく頃には息も絶え絶えになり、何度か視界が暗転しそうになります。休んでもペースは回復せず、むしろ進めば進むほど歩みが遅くなり……今考えると、軽い高山病とシャリバテになっていたのだろうと思います。夏富士ではなんの問題もなかったので、体調管理や行動食の配分にすこし油断があったのかもしれません(登高中は風がすごすぎて、食欲が湧かなかったというのもあります)。
8合目を過ぎると風はいっそう強く吹きはじめ、少し油断していると転倒しそうなくらいです。転倒するともれなくスケートリンクのような斜面を滑落することになるので、慎重に進みました。この頃にはもはや10歩進んでは休む、というふうな状態だったので、申し訳ないという気持ちから「他の元気なメンバーだけでも山頂へ行ってください」とリーダーに伝えたのですが、「パーティを分割することはあり得ない。リスク回避のために絶対に一緒に行動する」と力強いお返事をいただいて、結局最後まで一緒に行動してもらいました。とてもありがたいことでした。
この日は午後に寒冷前線が通過する予報で、山頂に近づくほどに天候が悪化していきました。8合5勺を過ぎたところで、リーダーから「11時まで行けるところまで行って下山」との合図。結果的に山頂に到達することはできませんでしたが、色々と条件の悪い中でも3490m地点まで足跡を伸ばすことができました。サッと記念撮影をとった後は、再び風と戦いながらの下山。心配していた雨は小屋にたどり着く直前に激しく降り出し、強風域で濡れるという最悪のパターンは免れました。あまり粘らずに下山判断したおかげだったと思います。(小屋のご主人は「なかなか降りてこない」となんども外を確認してくれていたそうですが。。)
さて小屋について装備を解いたら、もう完全に宴会モード。お疲れさまの乾杯をしたら、「つまみ作っといたよ!」と小屋のご主人。終始暖かい心遣いがありがたかったです。夕食は女将さんが包んだ自家製餃子に、お肉がたっぷりの豆乳鍋や煮物で豪勢に。緊張から解放され、とても楽しい夜になりました。
最終日は朝からアツアツの鍋焼きうどん(手打ちの吉田のうどん)をいただいて、すっきりと晴れた冬空のもと佐藤小屋を後にしました。体調管理をはじめ反省すべき点の多い山行でしたが、普段の登山から一歩踏み出すような、良い経験となりました。同行いただいた小国山岳会・長井山岳会の皆さんにはお礼申し上げます。