妙義山・星穴岳 [バリエーションルート]

1.山域・メンバー

山域・山名 妙義山・星穴岳
山行内容 バリエーションルート
メンバー L楡井、太子、吉川、他1名
天候 晴れ

2.行動記録

記録 楡井
日程 2021年11月14日(日)
0745中之嶽神社P – 0810見晴台 – 1000西岳 – 1040西岳懸垂下降終了 – 1150星穴岳 – 1330 45m懸垂下降終了 – 1450轟岩 – 中之嶽神社P1510

3.報告

中之嶽神社から見上げる表妙義

 

星穴岳は最近知り得た山です。10年ほど前に妙義山の鷹戻し付近で転落した相模幸枝さん(元会員)を弔うために、表妙義の縦走路を昨年秋に2回に分けて歩きました。その頃から気になっていた山です。標高1073メートルの山、登山口の中之嶽神社が標高730メートルだから標高差343メートルです。記録を見るとだいたい登山時間4時間、休憩(待ち時間含む)3時間計7時間というのが多い。この山の魅力は奇岩群と懸垂下降です。

栄パーキングに午前4時30分に集合して、太子車で妙義中之嶽神社駐車場へ向かう。7時30分に到着したが、登山開始としては遅い方である。身支度を整えてゆっくりペースで西岳をめざすがところどころ一般登山者は登山禁止の看板が立っている。気を引き締めて行こう!

見晴台分岐(西岳へは画像奥に進む)

西岳手前の露岩帯では靴の差が出たと思う。普通の登山靴の人は安心して立ち込めずに苦労した。私は岩場用向きのアプローチシューズを履いていったがとても具合が良かった。(ラ・スポルティバTX4トラバース ローカット 20,000円弱)歳を取ってくるとこういうものを履かないと怖くて対応できないのです。

最初の岩壁

西岳を超えるとすぐに懸垂下降のポイントがある。4人と2人のパーティが懸垂の準備をしていたが我々の後からガイドがクライアントを連れてきて先に行かせてくれと言っている。ガイドとクライアントは先に降りた。2人と4人のパーティは思いのほか時間がかかっていた。ここは潅木の多い懸垂ポイントなのでロープを2本別々にレジ袋に入れハーネスにぶら下げて懸垂を行なった。ヤブにからむこともなくとてもスムーズにロープをさばける。家から持ってくるときはロープを巻いてザックに詰めるのではなくスルスルとくり出せるように袋に詰めてくるのが一番よいと思っている。

西岳北面の懸垂待ち

懸垂下降。50m2本で一気に降る

きわどいトラバースなどをこなしていくと星穴岳直下の8メートルのクライミングがある。この場所だけ見るとガバが豊富で易しいのだが両側共スパッと切れて、高度感がある。前の2人パーティが長いロープを出して登り上げた後にそのロープを回収しようとしたが、なんと約30メートル分が団子状態になっている。上に声をかけてほぐしてあげて感謝される。(1回目)

ところどころ緊張するトラバース

星穴岳山頂に至る岩壁

山頂ではインターネットによく出てくる可愛い看板をかかげて記念写真を撮りました。この8メートルの岩場も懸垂下降で降り、いよいよ核心部の空中懸垂が始まる。入山前に読んだ記録ではリッヂ上のビレイポイントから北側でも南側でも降りられると書いてあってその一方ずつに降りた者同士が後で再会している。さてどういう事だろうと思いながら空中懸垂となる南側を降りる。ここも4人と2人のパーティと一緒である。

太子、楡井、吉川、Kの順に降りた。全35メートルのうち垂壁を15メートル降りると、だんだんと壁から体が離れここの名物の空中懸垂となる。実に爽快だ。着地点は斜面となるが問題ない。着地したところに「射抜き穴」という穴が空いていて北側が見える。これでようやくわかった。北側から懸垂下降した人もこの穴に降りることになるのだ。ただし北側からの人は空中にはならないし、陽も差さないので寒いです。ここではかっこいい写真が撮れました。

空中懸垂!

着地点から5〜6メートル離れたところから45メートル位の垂壁の懸垂下降があります。ここも頑丈な支点が築かれていて安心して下降できます。最初に降りた太子さんが、前のパーティのロープが引っかかっていて回収できないでいるのを助けて感謝された(2回目)。

45m懸垂。灌木にロープが引っかかりやすい

むずかしいところはこれでおしまいで、あとは乾いた落ち葉の径を辿っていくと中之嶽神社に着くが神社の上に聳える轟岩に立ち寄った。観光客も何人か登っていてすばらしい展望台となっている。登ってきた星穴岳を見上げて無事故に感謝し今後も登山を続けられるようにと中之嶽神社にお参りして帰途につきました。

紅葉が綺麗

轟岩頂上にて

この山行の計画書を紙に書いて写真に撮り、小山さんへ送信したのですがMMS機能が有効ではないとのことで送信できず、連絡しないまま入山してしまいました。当然下山報告だけをもらった小山氏から叱咤されました。こういう時に限って事故が多いので届け出はしっかりやっていきます。


(吉川感想)楡井さんにお誘いいただき、初めての妙義を贅沢にも星穴岳にて経験してきました。今年の秋は太子さんと2回ほどアルパインの練習をやったので、その実践もかねての山行…のつもりでした。しかし、頭ではわかっていても思うようにロープをさばけなかったりして、まだまだ訓練しないといけないなと感じました。また、中間登攀者の確保方法や前後パーティとのロープ融通など、ゲレンデでは学べない行動時間短縮法も色々と勉強になりました。ルート自体は、ロープを使うところよりも西岳〜星穴岳間の微妙なトラバース道がかなり怖かったです。空中懸垂は爽快の一言です!

おまけ