1.山域・メンバー
山域・山名 | 飯豊連峰・門内岳 |
山行内容 | ハイキング |
メンバー | 戸貝(直)、吉川、他5名 |
天候 | 曇り ときどき 雨 |
2.行動記録
記録 | 吉川 |
日程 |
9/21…0830 登山口 – 梶川尾根 – 扇の地神 – 門内小屋 1530 9/22…0630 門内小屋 – 門内岳 – 地神北峰 – 丸森尾根 – 登山口 1230 |
3.報告
飯豊山系・北股岳に1泊2日で行ってきました。今回メンバーは私以外全員が地質専門・関係の方たちで、登山の目的は北股岳周辺にある「重力変形地形」の視察調査、という少々マニアックな山行でした。私自身は地質学についてはまったくの素人なのですが、内容に興味があり同行させていただきました。
当日は8時に登山口前の駐車場に集合し、身支度を整えたのち、これから登る超急登の梶川尾根に備えて「元気だった頃」の集合写真を一枚。心の準備をして梶川尾根に挑みます。が、開始0分で木の根を掴んでよじ登り、やっと這い上がったと思ったら今度は急勾配の岩場が現れ、ザックに詰まった夕食の食材の重さも相まってすぐに大汗、息も切れ切れ。飯豊山系は前回の三国山に続いて2度目ですが、山深いロケーションと相まって生半可な?人間を寄せ付けない山だとつくづく感じました。
時々休憩をとりながらゆっくりゆっくり登っていき、10時30分、湯沢峰に到着。この辺りから登山道がわずかになだらかになります。地質の専門家の皆さんによれば、
・湯沢峰より下は流紋岩(きめが細かく、硬く、パキッと割れる)が露出しているため急勾配になる
・湯沢峰から主脈にかけては花崗岩(粒子が粗く、柔らかく、もろもろと風化する)の割合が増え、なだらかな地形になる
とのことで、楽になってよかったとしか思っていなかった私には目からウロコでした。その後、梶川峰まで登山道の岩を観察しながら登っていると、確かに流紋岩が露出しているところは急勾配、花崗岩が露出しているところは緩やか(ただしザレていたり、雨水で浸食されていたりして歩きにくい)なことがよく分かり、また登山の楽しみが一つ増えたように思います。
梶川峰より先は少しだけ秋色に色づいた緩やかな稜線を歩きます。下り坂の天気予報の通り、午後から徐々に雲の割合が多くなり、午前中は見えていた本山や北股の稜線も雲の中へ。自然と視線は足元の岩に移り、「これはひん岩が貫入していて…」「変性作用を受けているのかな…」「熱水によって石英だけになって…」「この黒い層は泥炭だと思うんだけど…」と一同地質の話題に花が咲きます。
15時30分、少し雨にかかりながら目的地の門内小屋に到着し、首を長くして待っていた管理人さんにご挨拶をして入ると先着は1名。天候が悪いこともありこの日の宿泊者は我々が最終でした。専門家の皆さんがそれぞれ調査へ出かける中、戸貝さんが共同夕食のトマトスープパスタを調理。なかなか材料が重くて難儀しましたが、やはり日が落ちた稜線で温かいものが食べられるのはとてもありがたいです(ゴロゴロチキンと隠し味の鯖缶が絶品でした!)。夕食後はもう1名の泊まりの方も交えて宴会になり、マニアック地質話を聞きつつ、楽しい夜になりました。就寝前、一瞬雲が切れて見えた新潟市方面の夜景がとても綺麗で印象的でした。
翌朝は北股に登るつもりで4時30分に起床しましたが、外は小雨のようでした。戸貝さんが前日のスープを使って作ってくださったシーフードトマトリゾットを食べつつ、行動予定を相談し、結局北股岳には登らず下山することになりました。門内岳で二日酔いで少々くたびれた顔で記念撮影したのち(「元気だった頃」が懐かしい)、同じくこの日下山するという管理人さんにご挨拶して、丸森尾根方面へ出発しました。幸い雨も途中で止み、ガスも抜けたので、地神北岳までの稜線では二ツ峰の荒々しい山肌や頼母木小屋周辺の穏やかな縦走路を眺めて楽しむことができました。
丸森より先は再び流紋岩混じりの急峻な下山道に。向かいに見える梶川尾根よりは多少ましには見えますが、そうとはいえ大きな段差が連続するため、じわじわと膝に堪えます。途中で戸貝さんが他の方のザックを背負ったり(総重量10数kg?)、大休止をとったりしながらも、12時30分に無事全員下山しました。怪しいマネキンが出迎えてくれるマタギの館で蕎麦をいただき、梅花皮荘で汗を流して帰路につきました。
*下記、いずれも水量十分で冷たい水が湧いていました。
・梶川尾根 五郎清水
・丸森尾根 夫婦清水
・門内小屋 テント場の下の水場
*一部の写真は同行の皆さんが撮影されたものをお借りしました。