*4/30日に頼母木山へ行った時に「次は杁差!」と目論んでいたので、トライしました。手前ミソでは有りますが、「完全燃焼」出来ました。
30日は数台の車しか無かったが、今日は連休初日、出発前から盛況であった。しかも5日あたりまでは好天が約束されているとあって60~70Lクラスのザックが目立つ。自分は日帰りしか出来ないが、山で夜を過ごすのもさぞかし楽しい事だろう。
西俣峰の露岩を兼用靴で登るのが修行であることは30日と同じ、十文字池でスキーを着けて稜線を目指す。雪は20~30センチほど融けた様子で夏道も出始めた。町道の除雪は1ピッチ進んだ模様で核心部は済んだと思われる。駐車場にはチャリ+スキーの方もいたが、今日は石転び沢もバッチリ楽しめる事だろう。
1、西俣峰稜線
1083m峰を過ぎて東俣沢に下降する。最初は雪が付いていなく、藪こぎから。ほぼ綺麗なバーンだが雪が固く横滑りしか出来ない。降れば少しはマシになるかと思ったが、縦溝やらデブリやら出始めて結局、沢底まで横滑りだった。東俣沢は雪量十分、デブリは多い様子。しかしここは標高750mしか無いのに、なんでこんなに雪がある?
2、下降中(正面に鉾立)
3、下降路を見上げる
東俣沢を少し進むと本流は右折する。なかなか険悪な渓相、今日はまだ大丈夫かと思うがブロックが左右のどこからでも落ちている。当会の沢のエキスパート2人が数年前の寡雪の年にここを完全遡行したが、よくもまあ遡行した物だ。恐らく、滝・淵・瀞・草付、沢登りのあらゆる障害が延々と続いているように思う。しかも高捲きは粗々出来ないのではないか。要するに悪場で有り、登高中の写真などとても撮る気にはとてもなれなかった。
どちらかと云うと標高が低いので、沢の雪が割れ始めているだの、沢底から何やらゴウゴウと音が聞こえて来るだのを心配していたのだが、これだけデブリが有れば沢は埋まり切っているので登高ラインだけ安直に行かないように気を付けて進んだ。
この悪場は1100mで沢が左に屈曲すると終わり、コースも杁差岳直下に出るため右の支沢に入る。もう上部にはデブリ跡は無い。石転び沢の1500m付近くらいの傾斜が延々と続く。地形図からは想像出来なかった広大なバーンである。雪は十分に緩んでいるので落ちた所で問題は無いが余りにも広い斜面なので、「スリップしたらイヤだな」とか考えなくても良いことを考えてしまう。広さだけなら本山の本社の沢以上であろう。最後は堪らずに坪足&アイゼン。東俣沢への入渓からここまでで、「もう帰ろう」と15回くらい思った。
だけどこのコースは頼母木山の人たちから丸見えなのである。(しかも今日は泊る人も多いだろう)止めるに止めれない、と云う事で坪足テクテクと、ついに山頂に到着した。(お粗末なのでGPSログはお見せ出来ません)
4、杁差山頂(左上に鳥海山!)
5、我らが二王子+アゴク峰
6、飯豊主稜線
今日も至福の景色、1人乾杯、オイラ幸せ。
時間も押して来たので小屋裏の水場コースでエントリー、グサ雪でやや物足りないが「転んでも止まる」ので何も考えずに済む点は良い。斜面の傾斜が実に絶妙なので、早い時間に登りかっ飛ばしても面白いと思う。(露岩とか一切なし、転けてもどこかで止まると思う。)
7、エントリー斜面
8、山頂を振返る(その1)
9、山頂を振返る(その2)
10、千代吉沢が見えて来た
雪が緩んで引掛り気味となったが、まだまだ快適。雪が緩んだのでその分スピードを出さないと。
11、中流部はブロックたくさん
ここからがゴルジュ帯、ブロックがチラホラ。登りでは神経がすり減った。
12、どこからでもデブリ
核心の中流部だが、ここまでデブリの音は聞いていない。下降なので滞在時間自体は少ないのだから、スピードを殺さないようにライン取るように考えた。正面左側が1083m峰。
13、駐車場から(実は朝の写真)
課題だったコースなので行けたのは素直に嬉しい。ただ今日は時期が遅かった様で、できれば西俣峰から支沢を滑って下山出来るような時期が良いと思う。3月後半か4月にもう一度トライしてみたい。
久しぶりに「ヒロヒリ感」がした山行で、中部ゴルジュ帯は緊張しました。(帰っても良いと思った)東俣沢への下降も、「逃げ場が無い」と云う印象、規模では上回りますが、本山の本社ノ沢の方がプレッシャーは無いように感じました。
何はともあれ、行けたのは良かったです。また、スキーだけでは無く、たまには小屋泊まりもしてみたいなと思いました。(今日、杁差小屋に泊った人は至福な一夜でしょうね!)