1. 山域・メンバー
山域・山名 | カナディアン ロッキー |
ルート | ブリティッシュコロンビア州グレイシャー国立公園ロジャースパス地区:1)サードナルド トレイル 2)アソーカン バレイ トレイル ③ハーミット トレイル アルバーター州バンフ国立公園ボウ湖:④クロウフット パス トレイル バンフ国立公園サスカチュワン クロッシング地区:⑤サーバッチ ルックアウト トレイル ⑥サンセット ルックアウト トレイル ヨーホー国立公園:⑦パジェット ルックアウト キャンモア:⑧グレッシー レイクス トレイル |
山行内容 | トレイル ハイキング(日本で言うトレッキング・夏道登山) |
メンバー | リーダー:KK (千葉県船橋市) 大江(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 大江 | |
日程 | 2011年 7月 10日~ 2011年 7月19日(8泊10日) |
報告
7月10日(日)
新幹線、成田エクスプレスを乗り継いで14時過ぎ、成田第1ターミナルに到着。
成田17:10発のエアカナダAC04便にてバンクーバーへ。バンクーバーでの乗り継ぎのAC214便はトラブルのため2時間遅れて出発。カルガリー空港へはほぼ1時間半遅れて到着した。
直通無料電話で、ネット予約しておいたホテルのシャトルバスを呼び18:40ホテルに到着。ドライバーに荷物2個分、C$2のチップを渡す。
部屋に荷物を置いて一息入れ、夕食の買い出しに出かける。何軒かのレストランはあったが、食べて直ぐに休みたかったので、それらには入らず、結局一番近いスーパーまで往復30分以上も歩いてしまった。時間は既に21:30、外は真昼のように明るい。カーテンを閉めてベッドに入る。
7月11日(月)
時差ボケか、明け方ようやく眠りに落ちたようだ。8:00に起きて1Fのラウンジで朝食を取る。数種類のパン、飲み物、果物から好きな物をとって食べる。
Kさんとは10:30にカルガリー中心街のレンタカー会社”AVIS”の前での待ち合わせ。9:00に部屋を出てフロントでタクシーの確認をする。
タクシーは時間通り9時半にやってきた。タクシーで中心街に近づくと、Cトレインの電車やホームが見えてきた。列車もホームも線路も実に綺麗に整備されている。センター街と言っても日本の同程度の人工の都市(100万人超)と比べて、高層ビルはそんなには多くない。土地が広いため、面で都市が伸びているようだ。従って中心部に集中した日本の市街地のような交通渋滞にも終始はまることはなかった。
ほぼ10:00に”AVIS”に着くと、Kさんが既についていた。日本からのツアーのお客様を空港で見送って、着いたばかりという。再開とこれからの道中「宜しく」の意味を込めて握手をして受付に入る。
結構込んでいて、Kさんがネットで予約しておいた車を得るまで1時間も要した。だいたい、2人の受付の内、もう1人の受付が平然と遅刻してくる。彼はパートさんだったのだろうか?
“AVIS”を出たのは11:00になった。
最初に立ち寄ったのは中心街にある”MEC”(すなわち山道具店)と言うアウトドア専門店。山用品だけではなく、自転車、カヌーなど色々取りそろえてある。ここでは、これから使用するガスボンベ、フリーズドライ食品などだけ購入した。
ここカルガリーから一番近い海はBCのバンクーバーまで800km以上もある。アウトドアでのレジャーは必然的に山や川などのバックカントリーの人気が高い。
次に、近くのスーパーでこの先2日分の行動食にベーグルパンとチーズにハム、果物、そしてキャンプ食のラーメン等を購入して、とりあえずレイクルイーズを目指してカルガリーを後にした。
高速1号線(トランス カナダ ハイウェイ)をカルガリーの市街地を抜けたところで、運転をKさんから自分にかわる。左ハンドル、右側走行の初体験が始まった。全般的に信号機が少なく、交差点の通過ルールとタイミングにコツがあって、終始Kさんから気合いをかけられた。
スリーシスターズ、Mt.カスケード、Mt.ランドル、Mt.キャッスル、ボウ川などの高速1号線沿線の懐かしい風景を堪能しながら、最初の目的地レイクルイーズに着いた。
レイクルイーズのインフォメーション センターでKさんが天気と山の情報を収集してきた。この日予定していたサスカチュワン クロッシング方面の天気予報が良くない。
行き先を後半予定していたベースのBC州ゴールデンに変更する。
この日の宿はキッキングホース川添いの民間のオートキャンプ場でテント泊にした。キャンプ場は1カ所毎に大型キャンピングカーが入れるスペースと釜戸・テーブル・電源があり、施設には水場・トイレの他にシャワー室。受付事務所には売店と無線ランでインターネットが使える。
川の向かいは大陸横断鉄道が走っている。先頭機関車2両、中間に更に2両、貨車は最後尾が見えない。後にバンフで数えたとき130両もあった。主食の小麦を運ぶ貨車にはガバメント御用達のロゴがある。この日の夕食はMade in CANADAの”サッポロ一番”醤油味とエビ塩味。晩酌にはビールとウイスキーにありつけた。
テントを張っている最中にも蚊がうるさい。持参した蚊取り線香は効果的だった。
7月12日(火)
日没が22時過ぎなのに、日の出は日本より少し遅いくらい。朝食には持参したアルファ米と味噌汁から好みの物を取って食べた。
テントを畳み、調査トレッキング初日の目的地、ロジャースパスを目指して8:20出発。
ロジャースパスの核、グレイシャー パークのインフォメーション センターで再度天気情報を収集するがあまり良くない。雨が酷かったら止めることにして、行くだけ行ってみることにした。
初日はMt.サードナルド(3284m)の胸元あたり(2200m)の“幻の池“を目指して10:30サードナルドトレイルを歩き始める。さすが世界遺産に登録された国立公園の登山道。自然に対するインパクトは最小限にしながらも、登山者を危険にはしない配慮と整備が行き届いている。Kさんによると「パークス」と言う公務員の様な人たちが、手入れやら安全対策を専門に行っているとか。今回の調査トレッキングはすべて世界遺産の国立公園内を歩く。
樹林帯を抜けると広々とした沢があけた。上部に残雪と氷河が見える。天気は予報に反して終始晴れていて上々。「やっぱり山の天気だ」と思った。この日、サードナルドとパーレイの2本やる予定にしていたが、分岐に着いてみたらパーレイが思っていたより遠い。サードナルドに絞って“幻の池”を目指す。
滝の上部を徒渉してモレーンのリッジを歩いていると「ピーッ」とけたたましい音。マーモットが目の前にいた。逃げもしないでカメラにポーズを取ってくれている。大きさは猫か室内犬くらいはある。
既に13:00を過ぎていた。狭いリッジの上でランチにする。
更に地図にある設備無しのキャンプ場と幻の池を探して残雪とガレ場を彷徨こと1時間強。14:40ようやく残雪の下にコバルトブルー池を発見。
何て綺麗なんだろう!アメージングだ!
ガレ場の大きな石に腰を下ろしてしばらく休憩にする。
下山は基本、往路を引き返す。徒渉地点を過ぎ、トレイルに沿って少し下ると15:00.を過ぎていると言うのに、まだ登ってくる人がいる。父と息子に娘姉妹か、夏らしい軽装に、持ち物は水しか漏っていない様だった。登り口のキャンプ場での泊まりだろう。のんびりしたものだ。
駐車場に着く間際に少し雨が当たってきた。速やかに車に逃げ込み、グレイシャー パークまで戻る。
付帯するホテルのフロントで空きを訪ねたところ、泊まれるという。この日はグレイシャー パーク ロッジに宿泊。3日ぶりにまともな夕食にありつけた。日本の関西方面からのツアー客のおかげで、翌朝の朝食はバッフェ(バイキング)にもありつけた。ところが、当のツアーの皆さん、添乗員のミスでビールのオーダー間違い。Kさん曰く「あの英語力でよくツアーガイドができたものだ」と言うくらい酷いが、さすが関西人らしく世渡りの器用さは国際的である。ピッチャーで持ってきた物をボトルに変えさせてしまった。
7月13日(水)
6時に起きて外に出てみる。山の中にいるのに目の前の山が見えない。それくらいガスっている。今日こそ雨を覚悟して、昨日の隣のアソーカン バレイ トレイルからアソーカン避難小屋(2,000m)を目指す。
前日と同じ登山口の駐車場(1200m)に車を止めて10:00出発。歩き始めて直ぐに右に折れる。そこは横断鉄道建設当初の駅舎の跡地。基礎やボイラーが史跡となって残っている。後でグレイシャー パークロッで聞いたところ、この辺は太平洋からの湿った空気が入ってくるため6~7mも雪が積もる豪雪地帯との事。まるで新潟のようだ。ここで早速雨具を着込む。
アソーカン バレイの沢に沿って樹林帯の中を歩く。雪崩で飛ばされてきたのだろう、大量の松が散乱していた。徒渉ポイントの橋は飛ばされていて、雪崩れてきた松を掛けてかろうじて渡れる。
1時間半ほど歩いて、モレーンのリッジに乗る。スッカリ景色が開けて目の前にはアソーカン氷河が迫ってくる。ここからは急登になる。雨も上がり、青空さえのぞき始めた。絶景を見ながらだと急登も何ら苦にはならない。
さらに氷河が迫ってきた頃、残雪に乗る。真っ白い雪は柔らかく、春の雪のようである。20分も登ったか、雪が切れた所で、目の前に建物が見えた。アソーカン避難小屋である。
小屋は二階建てで、二階はベッドルーム。一階はダイニングとキッチンでLPGが使える。(要ACC予約)流し・食器・調理具は全てそろっている。
トイレは外でドラム缶交換式。臭いも汚れもまったく無い。なんで??
一階入口前でランチをしていると山の神の使いがやってきた。シマリスと雷鳥のご挨拶を受けた。
下りは残雪を一気にグリセード。徒渉点を越えてから2~3組の家族連れハイカーが登ってきた。赤ちゃんもいる。ワンコもいる。ただし、徒渉点まで。
下りは1時間くらいで駐車場に着いた。
速やかにこの日の宿探しにゴールデンに戻る。昨年、Kさんがアボットリッジでの研修の時使ったメリーズモーテルに部屋がとれた。ここは棟端にサウナとホットスパを持っている。Kさんの予備の水着を借りて久しぶりの”風呂”を楽しむ。この後、今後の食材を購入して、ランドリーで洗濯までしていたら既に時間は20:30。レストランが閉まるといけないので幾分急いで夕食に出かけた。この日は中華にした。2人前のコースを注文したが2人では食べきることが出来なかった。あ~っ、もったいない。
7月14日(木)
三度、ロジャースパスに向かう。高速1号線に出ると直ぐに数件の給油スタンドとファストフード店が並んでいる。その一角で朝食を済ませ、グレイシャー パーク手前のハーミット トレイル登山口に車を走らせる。
高速1号線のサイドパークに駐車して、そこが登山口(1280m)。ハーミット キャンプ場の先の”幻の池”(2200m)を目指す。この日は今までで一番早い動きだった。なんとまだ8:00を過ぎたばかりだ。地図を見た限りでは1時間もすれば登れそうな感じだが、松の樹林帯の急登をジグザグにコース取りされていて、思いの外楽しめる。ところが、このコースは樹林帯を抜けてからが圧巻である。山水画のような岩場の中にグレイシャー リリー(黄花カタクリ)の大群落がすばらしい。
写真はほんの一部だが、広角レンズでも収まらない。白山イチゲも多い。
残雪に乗って平場に出ると、そこがキャンプ場。「設備無し」と地図にはあるが、板張りのテン場と鍵付きの食料保管箱が備えてある。熊対策で、テントと食料はそれぞれ離して置かなければならない。(要ACC予約)
さらに”池”を探してモレーンのリッジを登ってみるが、ロジャース氷河手前で終了。ここから先はハーミット レンジの核心部、”剱岳”の連続であり、クライマーの世界である。しかし、登れない岩ではない。そのつもりで装備して、時間を作ればよいのである。
お花畑が名残惜しいが、登りで隠れていたMt.マックドナルド(2878m)が向かいに悠然と姿を現した。標高こそ3000mに満たないが、その山容は迫力満点である。
下山して時間はまだ13:00過ぎたばかりである。今度はレイクルイーズまで戻って、高速93号線を北上し、ボウ湖のクロウフット パス トレイルを調査する。
ボウ湖を見下ろす展望台から地図で1km弱戻って、湖側へ降りる。ところが前後をいくら探しても降り口が見つけられない。しかたなく地図上のポイントに車を止めて、湖側へ降りてみた。
道と言えば道にも見えるが、どうも藪っぽい。湖畔の広々とした湿地帯に出て更に水辺によってみる。1時間近く探して、ようやく道と看板と徒渉点を発見した。しかし、地図の注意書きのとおり、雪解けの増水と急流のため、徒渉できない。氷河からの水である。真冬に飯豊川を徒渉する様なものである。
とりあえず場所は確認できたので道なりに引き返すことにした。高速93号線に出てみれば何のことはない、200m先に車があった。それにしても降り口が分かりづらい。ここは地図には黒線表示のマイナーコースだが、Kさんは「秘蔵ネタ」にしておくらしい。
この日は2回目のキャンプのつもりだったが、天気が崩れてきたので、レイクルイーズに戻ってホステル泊まりにした。帰国してからACCのパンフを読んで気づいたが、ここにカナダ山岳会の本部があるらしい。(間違っていたらごめんなさい)部屋はKさんとは別室になり、自分はオーストラリア人夫婦と同室になったが、寝た時間も、起きた時間もずれていたので、残念ながら、顔を合わせることは無かった。
食事はレストランの他に、B1で自炊が出来るので、キャンプ用の食材として用意しておいたラーメンを食べた。以前、飲酒はダメだったらしいが、今はOKのようで、自分も買っておいたビール飲ませてもらった。
7月15日(金)
6時を少し過ぎて目が覚めた。オーストラリア人夫婦のご主人はまだ高いびきの真最中。静かにシーツを畳み、奥方にだけ挨拶をして部屋を出る。朝食は1階のレストラン。値段の割にボリューウムがあり、味も良い。Kさん、またも全て食べきれず。
さて、今日こそサスカチュワン クロッシングだ。路上に出ると早速”4ウェイストップ”。タイミングにKさんの鞭が入る。
高速93号線を再び北上すること約1時間。前日調べたボウ湖を左に見て過ごし、更に北上。
名勝“ミスタイア キャニオン”がMt.サーバッチ(3155m)の中腹サーバッチ ルックアウトの登山口である。
肌寒いので、長袖を1枚羽織る。それもそのはず、向かいのMt,マーチソン(3333m)の山頂付近は新雪が降りている。
キャニオンを観光出来るスペースはさほど広くないが、観光客は多い方だと思った。キャニオンはジグソーパズルのような組岩の下をミスタイア川が抉るように流れている。
映画スターウォーズの戦闘シーンの様な樹林帯を歩くこと1時間半、ルックアウトに到着。しかし、ガスっているせいで、向かいのMt.マーチソンとキャニオンの下流が僅かに見える程度。さらに周りの木立
などで、さほど”lookout”(展望台)と呼べるほど、お勧めの所とは思わなかった。
さて、下山してまだ13:00。次の調査対象、サンセット ルックアウトに移動する。
途中、クロッシング リゾートに立ち寄ったり、ランチをして更に北上すること15分。
ここも高速の脇が登山口でアプローチは無い。
歩き始めてまもなく右手に大滝が現れた。一発で100mは越える。何段なのか奥がのぞけない。
登山道は山火事のためらしく、今までより木立の高さは低く、密度も薄く、光が行き届いていて、インディアンペイントブラシと遅れたグレイシャー リリーが傍らに沢山見られる。インディアンペイントブラシはロッキーで一番のお気に入りの花である。そう思う人は少なくないと思うが、実のところこの辺の高速道路の標高が高いせいか、93号線沿いのどこでもお花畑が延々と続いている。
歩き始めて約1時間、分岐を左に折れ、道はトラバース気味になり、更に30分でサンセットルックアウトに到着。ここはまさに展望台と呼ぶにふさわしい場所。行者の岩覗き修行の様な場所で、お尻がモゾモゾしてくる。写真の左下は93号線である。20分ほどで切り上げ、先ほどの分岐に着くと、日もまだ高いので地図上のキャンプ場のある奥へ行ってみることにした。小さな池の脇を過ぎてまもなく目の前が開けると、天空の楽園か、すばらしく美しい平原が現れたではないか!
写真や映像では本物の広がりや空気・臭いを感じることは出来ない。これが実に残念である。
キャンプ場についてみると、4~5張り分くらいのテン場に、ここにはクマ対策の”食料吊し”が設けてあった。
それぞれ果物を一つ食べ、帰り足についた。何度も振り返ってみるほど名残惜しい絶景だ。
Kさんの予定していた調査はここで無事終了。今日の宿はクロッシング リゾートまで戻って、高速11号線を東に4kmほど入ったところのトンプソンクリークと言うオートキャンプ場。ところが、キャンプ場の直ぐ手前の道路脇に・・・いた、”ブラックベアー”!餌を探しているのか、数台の車が止まって写真を撮っていても一向に意に介していない様子。悠然と餌探し?をしている。地元でも滅多に出会うことはないという。なんてラッキーなんだろう。ただし、これらの野生動物がいる直ぐそばでキャンプをすると言うことはどういう事?・・・と思いつつも寝るときは食料をキッチリ車中に仕舞いきることが肝要である。
7月16日(土)
予備日のこの日、予定は入っていない。Kさんに「どっか連れてって」とお願いして、レイクルイーズ近くのパジェット ルックアウトを案内してもらうことにした。クロッシング リゾートまで戻って、また93号線を南下。途中9年ぶりにペイト湖を観光に立ち寄ってもらった。コバルトブルーのペイト湖は変わることなく美しい湖面を見せてくれた。ここは観光名所だけあって関西弁やら、中国語など、世界中から観光客が訪れる「お決まりコース」である。標高は入口でほぼ2000mある。
車に戻って、レイクルイーズから1号線を西に少し走って、ワプタ湖を過ぎた右の道路脇にパジェット ルックアウトの登山口がある。ここはヨーホー国立公園になる。深い樹林帯の中を登り初めて1時間で展望台あずま屋に到着。
足元にはワプタ湖の縁を横断鉄道の長い貨車が、大蛇の様にうねりながら、歩くような速度で、スパイラルトンネルに入るところだった。
1号線から分岐した向かいの道は、オハラ湖へと続いている。我々が展望を楽しんでいると、老若男女、家族に友人、でっかい人には自分のようなガリガリ君と、様々なハイカーが次々と登ってきた。
この日の宿は、以前2回とも利用したキャンモアのドレークインに部屋が取れた。部屋は1階の車の前で、荷物の出し入れに幸いだった。それにしてもフロントのお姉さんが”マツコデラックス”にそっくりなのが可笑しかった。
久しぶりに歩いたキャンモアの街並は以前と大きく変わっていないが、大型スーパーマーケットが2店、看板を買えて様変わりしていた。ディナーはドレークインの1Fの老舗レストラン。しかし、料理長はかわったようで、メニューも大きく様変わりしていた。
7月17日(日)
ロッキー最終日、朝食の後Kさんが「とっておきの場所」を案内してくれた。キャンモアの街を西へ車で20分程でグレッシー レイクス トレイルの上部に着いた。ここはキャンモアの電源、水力発電用のダム湖でもある。そしてこの道は、8年前に登ったアッシニボインへと続く道でもある。
ダムサイトに車を止めダムの端部から岩場を少し下ると、そこはクライミングのための岩場だった。まだ9時を過ぎたばかりだが、既に数組のクライマー達が岩に取り付いている。いずれのパーティーも20才前後の女の子が存在している。自分が知っている限りでは日本では考えられない光景だ。
次に、車を街の反対側の東に走らせ、カナダ山岳会のクラブハウスに案内してもらった。例えば、仲間と10人程度で、ここをベースに近隣の山や岩へ出かけ、食料は街で仕入れ自炊し、予約した期間を安価に滞在できる。そう言った使い方が出来るそうだ。
これでロッキーの山々を後にしてカルガリーへと向かう。夏休暇の時期にはしてはまだ早いようだが、山岳部へ向かうキャンピングカーやバイクに乗用車の数がずいぶん多い気がした。そんな高速道路の傍らを沢山の愛好家が家族や友人達とマウンテンバイクを楽しんでいる。
カルガリーでは再度山用品店「MEC」に立ち寄ってもらった。長年使ってくたびれたデイパックを買い換えるためだ。「MEC」オリジナルの丁度良い物を買うことが出来た。
滞在最終日のホテルはカルガリー空港近くのヒルトン系”ハンプトンイン”。今までのモーテルとはグレードが違うが、Kさんのヒルトン会員証のお蔭で、ほぼ今までと同じ料金で宿泊できた。
最終日のディナーがアルファ米やファストフードでは寂しい。ホテル近くのステーキを食べられるレストランをネットで探してもらった。ザ・キャトルバロン。食事もサービスも大満足。チップ15%を加えC$77を置いてきた。
7月18日(月)
いよいよ帰国の日となった。リッチな朝食を美味しく頂き、空港へと向かう。空港の”AVIS”で車を返し、荷物を整えチェックインに向かう。Kさんの薦めで自動チェックインに自らトライしてみる。何と、出来たではないか!成田のお姉さんは何だったの?・・・」そして、列に並ぶと思いきや、Kさんのエアカナダ会員証が物を言う。会員専用受付から待ち時間なしで荷物はスルー。更に乗り継ぎのバンクーバーではエアカナダ会員用のラウンジにまでご招待いただけた。飲み放題、食べ放題、新聞・雑誌にPCまで使いたい放題なのだそうだ。
この後、Kさんは会員特権を行使して、空きのあったビジネスクラスに席替え。自分は延々9時間半、エコノミーの狭いスペースで辛抱することになった。
かくして、8年ぶりの退職記念カナダ旅行は無事終わり、思い出が沢山出来ました。ここに、改めてKさんに感謝を申し上げます。「ありがとうございました。」
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