会越/守門大岳・南西尾根(仮称) [山スキー]


1. 山域・メンバー

山域・山名 会越/守門大岳・南西尾根(仮称)
ルート 二分~保久礼小屋~大岳山頂~南西尾根下降~二分
地図 穴沢・守門岳(1/25000)
山行内容 山スキー
メンバー (L)渡辺(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 渡辺
日程 2011/02/16 快晴
タイム 2/16 二分8:10~保久礼小屋9:35~大岳山頂11:10~キャンプ場12:10~二分13:05

報告

 二分から守門大岳へ登るコースは、新潟市から比較的近くて積雪量が多く、地元(栃尾)の名山で愛着もあるのでシーズンに1~2回ほど訪れる。当初は保久礼小屋までのアプローチが長くて苦痛だった。そのうち他へ行っても1時間程の下道歩きはザラであると思い、また帰路の藪スキーも転倒せずに済むようになってからアプローチの億劫さが気にならなくなった。

 それでも、荒天でも森林限界から滑れるが標高差に欠けるので充分に滑るなら登り返しを余儀なくされる事、好天なら山頂から滑走出来るが1200mくらいまでパック雪の事が多くてこれまた物足りない事、などが気になっており来訪はシーズンで1~2回止まりだった。

 そんな訳で保久礼小屋から往復するコースは卒業(仮免?)と云う事にして、好天が約束された今日は山頂から南西尾根(仮称)を滑る事にした。

二分~保久礼小屋~大岳山頂

 私の車は10台目で、平日にも拘らず二分の駐車場は満杯であった。先週の連休が今一つで、それに今日の好天は月曜日から期待出来していたのだったが、皆さん同じ思いだろうか。

 西川の橋から棚田に上がり、車道を渡って支尾根に取付く。以前は法面を登っていたが、こちらからの方が容易だし精神上も宜しい。既に高速道路の様なトレースが出来上がっており感謝であるが、直前が歩きのパーティーらしく凹凸だらけでもある。

大平の末端から沢沿いに東へ進んで長峰からの稜線に着くと、既に日は充分に上がり行手の大岳が眩しい。西川対岸の南西尾根は末端が密藪に見える。今日、一番の心配はこの末端の下降だったのだが、まだ木々の根開きは無い様子なので何とかなると思った。


大岳

 保久礼小屋を過ぎて登りに掛る。小屋で休まなかったのは初めての事だと、自画自賛した。キビタキ小屋で一本、ここで燃料(ALc)を忘れたのに気づいて消沈するが、木々の合間から魚沼の素晴らしい山並を眺めて気力を戻した。


保久礼小屋

 樹林が無くなる頃からパック雪となる。不動平に出ると、大岳からコウクルミ沢源頭へのシュプールが見えた。大廻りのターンは、さぞかしスピードに乗った滑りだったろうと思う。稜線はさすがに気温が下がり、ジャケットのベンチレータを閉める。もう汗も出ない。

 今日は山頂の鐘(を支えるフレーム)は見えるだろうか、などと考えながら歩いていると、お二人が南西尾根方向に出発して行く。鐘の形は見えず、中津又側の雪庇を見ながら適当な所を頂上とする。燃料も無いので、シールを剥がして早々に降った。


守門主稜

大岳山頂~南西尾根~二分

 緩い頂部から暫く行くと、尾根の全貌が見える。広い尾根は下部の平坦部が白く輝き、実にモチベーションが上がる眺めだ。


南西尾根

 パック雪と風紋で最良の雪でこそないが、青雲岳方面の展望が見事である。


青雲岳

 平坦部に着くと歩きの4人パーティーが宴会をやっていた。自分もやりたかったが燃料がないのでお預けで、挨拶を交わして先へと進む。

 メインの滑走が終わって後は消化試合と思っていたが、平坦ながらにスキーは走り快適だ。振り返ると主稜線の圧倒的な景色、滑りの途中で見た青雲岳も良かったが稜線全貌が見渡せるここも実に良い。このまま進むのは勿体なく、コーヒータイムとする。


南西尾根と大岳


青雲岳稜線

 標高1130m付近から952mの尾根に入れるかが核心と思っていたが、今日は先行者が有ったのでルーファイの腕試しをする機会は無かった。コウクルミ沢を挟んで不動平から南西に派生する尾根の1030m付近が白い台地状で、良い目印になると思う。1000m付近から急傾斜となり「降りすぎたか」とも思ったが、木々の間から前方の952mらしき物がチラチラと見えた。

 20歩ほどカニ歩きをして952mを越す。左側が緩いので、雪の状況が悪くても問題ないと思う。もう右手には往路の保久礼小屋の稜線も見える。だいぶ藪も濃くはなったが、雪が多い為か地形図で思っていた以上に滑るスペースが有って得をした印象であった。

 平坦地の林間スラロームも腹一杯になって来た頃に、前方の傾斜が落ち込んで木々の間からキャンプ場の橋が見えた。パウダーだった雪もさすがに生コン状態で、重雪で転倒をしないようにだけ考えて下降する。

 橋で先行のお二人と会う。どちらも何度かお見かけしたお方で、ルーファイのお礼を言う。この方面にはかなり詳しいご様子で、貴重な話を伺う事が出来た。

 シールを付けて林道を進み、道が方角を変えて長峰に向いた所でシールを剥がす。僅かに沢を降ると往路に合流、3人で二分へ向かった。


南西尾根の末端

  • 初見でしたが、素晴らしい展望を望んだ充実した山行でした。先行のお二人のトレースにも助けられました。
  • 雪質と展望(視界)は両立しない事が多いのですが、今日はどちらも満足です。
  • 圧倒的に聳え立つ主稜線、長くて変化の有る滑走。どちらも大岳往復コースを上回り、お勧めコースです。視界の有る時は、是非こちらを。