荒川支流大沢川(羽越国境) [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 羽越国境・沖庭山
ルート 大沢川遡行~沖庭神社付近~林道へ下山
地図 舟渡・小国(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、戸貝、武者(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2008/6/22 曇り
タイム 6/22 大沢川出合8:10~20m大滝10:10~大滝の上11:05~源頭部13:50-14:50~電波塔付近の林道に下山15:20

報告

700m以下の低山なのに内部は滝、滝、滝の連続で登れる美瀑が多い。詰めはヤブこぎなしで下山はごく短時間(ただしクルマ2台使用した場合)という、とてもお手軽でお得な沢が大沢川である。低山とは思えないスケール感のある連瀑が楽しめる。場所は羽越国境に近い荒川・赤芝峡のすぐ下流で右岸から流入している。

アプローチ

赤芝橋の新潟側手前で分岐する林道に入り、線路を渡ってしばらくすると沖庭神社へ向かう林道への分岐がある。これを上り、電波塔のある広場にクルマ一台を置いて戻る。大沢川出合付近で荒川方面に下る道があるので少し入りクルマを置く。古い取水用の水路が大沢川沿いについているのでそこをたどり、取水口跡から入渓した。

序盤から滝の連続

最初の2mCS滝は左岸にロープがかかっているが、釜の縁をへつって偵察してみるとチョックストーンの隙間から抜けられそうだ。ザックを先に押し上げてナメと岩の間を全身のフリクションでずり上がった(1)。樹林下のナメを少し行き、右岸から滝を掛けて支沢が入る辺りで谷が開ける。この辺りから滝場の連続が始まる。武者君は釜のある滝もどんどん水に入って登っていく。水を嫌わないのは頼もしいことだ。

序盤は幅の広いナメ状の滝が多く、フリクションは良く効く(2)。12mの滝(3)はロープを出して左壁を登ってみたが、良い支点が得られないので途中でやめて下り、左岸の巻きになった。以前に会のメンバーが落ちて怪我をしていた滝なので慎重になった。15mの滝は右岸の支沢に入って簡単に中段に達して抜ける。V字状の谷底には雪渓がかかり(5)、順番に潜り抜ける。

少し行くと直登困難な滝とその上に大滝がかかる。ここは左岸の高巻きになった(6)。ヤブに入ると急に弱弱しくなる武者君がいつも不思議だったが、要は体温が上がりすぎるということのようだった。休み休み、高度感はあるがそれほど危険な所もない約1時間の高巻きで渓に戻る。


(1) すり抜け


(2) 爽快なナメ滝


(3) 左岸を巻いた


(4) 気持ちよく登れる


(5) 雪渓


(6) 高巻き途中に見る大滝

大滝以後も登れる滝多い

登れる滝はまだまだ続く。3mのCS滝は右岸をへつっていけるのに武者君はわざわざ泳ぐ(7)。そんなに暑いんかね。滑りやすい7mの滝を慎重に越えると10mのスラブ状の滝(8)。念のためロープを出して乾いた右壁を登った。さらに10m、8m、6mナメ滝と続き容易に登れる。水流がジグザグに流れ落ちるトイ状の15m滝は左壁からヤブに入って中段で戻り、上段は落ち口まで水流の左を登る。湿っぽい草付の8mの滝はロープを出して右壁を登った。4mのナメ滝を越えると核心は終わり滝場も終了、地形図通り穏やかな流れになった。

途中の開けた所で1時間の大休止を取る。さらに遡ると、沢が屈曲する箇所で土砂と流木で水流が塞がれて池のようになっていた。途中、どうも水があわ立っているようで飲むには躊躇いがあり、源流部に入っても藻が繁殖しているような具合で綺麗とは言いがたいものがあった。このたまり水が原因だったようだ。屈曲部を越えてもまだ池が続き、入るのは嫌だなと思っていると、左岸から入る支沢沿いに続いている踏み跡を戸貝さんが見つけた。この辺の観察眼は流石だ。地形図上の685m標高点北側の沢だと思われる。踏み跡を辿るとナタ目も出てきてしっかりした道になり、そのまま沖庭神社直下の岩峰の脇を通って下山の途についた。踏み跡に入ってから20分程度でクルマに着いた。


(7) 泳ぐ武者


(8) ロープを出した10m滝