前川大滝沢(吾妻連峰) [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 吾妻連峰
ルート 滑川温泉~前川大滝沢~滑川温泉
地図 天元台(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、鈴木、内山、太子(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 内山
日程 2008/7/6 晴れのち曇りのち雨
タイム 7/6 大滝沢出合(6:35)…滑川大滝下部(7:25-7:40)…滑川大滝上部(8:00)…遡行終了(12:00)…下山開始(13:20)…滑川温泉(14:40)

報告

日本100名瀑のひとつ滑川大滝(高さ約100m、これは登りません)を持つ前川大滝沢を遡行しました。リーダーが初心者向けの簡単で綺麗な沢を選択。アプローチは新潟市から車で3時間(安田・会津坂下間は高速)。前の晩、奥羽本線峠駅に泊まる。

秘湯を守る会で山中に一軒宿がある滑川温泉を目指す。温泉から車で1分戻った道路脇のスペースに駐車する。車から歩いてすぐの前川にかかる橋から下を覗くともうナメ床になっている。橋の下より入渓。入渓地点が大滝沢の出合になっている。

最初は大きな岩がゴロゴロだがすぐナメになり歩くと水の感触が心地良い。歩き始めてすぐ滝が現れる。最初から美しい段々の滝だ。簡単に登れると思ったらほんの一歩がズルズル滑り、早くもお助けひもを出してもらう。情けない~。


峠駅


入渓点から期待一杯


2段15m滝


ちょっと緊張ぎみ?


支沢の滝を登る

 最初の滝の上に右から入っている支沢がこれまた見事な10m以上のナメ滝で道草をする。ちょっと登ってみてまた本流に戻るとナメ。沢幅が広く平らなナメ床はどこでも歩けて散歩気分。水量も丁度良く、時おり陽が差す絶好のコンディションだ。

 次の滝は釜を早速若い方の2人が泳ぐ。幅広の滝を越えるとナメ、の繰り返しが続き嬉しい限り。どこを切り取っても絵になる。


釜のあるナメ滝


綺麗なナメが続く


釜の造形


滑川大滝(下は都丸)

 50分歩いて例の大滝が目に入る。「すごい」の連発。立派な雄雄しい滝は大迫力。思い思いに写真を撮ったり、滝に打たれたりする。高巻きは足場も、つかむブッシュもしっかりしている。ただ急斜面でぐんぐん高度を稼ぐので息が上がった。何せ100m以上登らないと大滝を越せないのだ。高巻き中にヒメサユリが咲いていた。特に危険な所も無く20分程で滝の落ち口に出た。そしてまた素敵なナメとなる。

 滝の数は数えられない。見える限り連なる滝群は見たもの勝ちか。印象に残るのは堰堤状の幅広の滝(ここで私のカメラは水に浸かり動かなくなる)、水流のある、ウォータースライダーにぴったりのトヨ状のナメ(皆でトライ)、滝の左側が噴火口のようになっているツルツルのナメ滝(引っ張り上げてもらった)etc.ロープは4回出したと思う。


滑り台


フリクションを効かせて


幅広の滝は左を登る


容易に登れる


8m滝


フォローする内山


階段状の15m滝


釜を軽く泳ぐ


おまけ

 頭上に壊れた古いつり橋を見る頃には大きな滝やナメは少なくなり、取り付くのにいやらしい大きな岩の乗越しが増える。時々硫黄の匂いがして沢中に湯花状のものがあったりする。苦手な巨岩と滝のミックスで足がだるい。ふと岩に赤丸印が付けてあり、登山道の徒渉地点になっている箇所に出た。ここで終了とし、空身で潜滝を見学に行き、大休憩とする。

 だんだん雲行きが怪しくなり、下山準備に取り掛かるうちに大雨に降られる。下山途中で時折見える大滝沢はみるみる濁流と化し、展望台から見える大滝は凄まじい量の水を放っておりまた違う様相だった。全身ずぶ濡れになり歴史を感じさせる滑川温泉へと駆け込んだ。

沢はいつも厳しい。今回は美しさといい、楽しさといい、ナメ滝の多さといい、なんというか御褒美のような沢だった。メンバーの皆さんありがとうございました。