朝日連峰/赤見堂岳[山スキー]

1. 山域・メンバー

山域・山名 朝日連峰/赤見堂岳
ルート 桧原~馬場平~1327m~赤見堂岳~桧原
地図 赤見堂岳(1/25000)
山行内容 山スキー
メンバー (L)渡辺(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 渡辺
日程 2008/3/12 一日中晴れ
タイム 3/12 桧原7:20~1125m10:15~稜線11:45~赤見堂岳12:20-14:00~桧原16:50

報告

前回の遠出は戸隠方面だったので、今回は北を目指すつもりだった。インターネットで調べると朝日連峰北端の赤見堂岳が面白そうで、月山~朝日連峰と「東北随一の景観」であると云う。当日予報は降水0%、登りは凍み渡り・下りはモナカ雪と想像できる。スキーの滑りは期待できないが、来期パウダーシーズンの偵察も兼ねて新潟を出た。

前夜

家族も呆れられているのだが、明日の好天を見逃す選択は無い。先週末に上越で県内山岳会の遭難事故(1名死亡)があり、緊張する中の出発である。寝屋漁港では漁船がエンジンを焚いており、これから行くのか戻ってきたのか判らないが、妙に活気のある景色だった。

鶴岡から月山道路に入り、月山湖で大井沢に向かう。雪は道路脇の除雪の壁で1.8mくらい、量は申し分ない。適当なスペースを見つけ、車中泊した。

稜線まで

明るい、寝過ごした。慌てて準備するも出発が7時半を過ぎてしまう。この天気なら山頂を踏むには問題ないが、帰りは雪がグズグズだろう。


出発地点、左に取付く

 林道歩きがなく、道路脇から直ぐに尾根に上がれるのは有り難い。出だしから雪がカリカリで、傾斜が出るとクトーを出さなきゃと思いながら進む。ブロックが所々にあるが、まだ落ち始めてはいない。606mの直下の急な細尾根はシールで登ったが、時間が早いと何か武器(クトー・アイゼン・ピッケルのどれか)が必要かもと思った。606mで右からトレースが合わさる。小桧原沢出合からと思って地図を出すと、こちらの方が楽そうにも見えた。ただ、あそこには駐車スペースは無かったような気がする。

ここから尾根は徐々に広くなり、樹木もまばらになる。まだ標高700m前後だが、二王子や守門より明らかに木々が少なく、帰りは快適かと思う。785mピークの下に宴会場の跡があった。ピークを20m下って1125mに向かうが、どうも体が重い。この天気と景色なのに歩みがサッパリなのは、先週末の遭難の影響か、はたまた休暇を取って山に来ている後ろめたさ(土日は仕事していたんだよ)か。1125mからは平坦地で、対岸の石見堂岳と、更に行くと赤見堂岳が初めて見えた。


左の高みがコース、白い中央が赤見堂岳

 稜線まで残り200m、ピークを出来るだけ捲き、緩い登りが続く。それにしても平坦な地形であり、馬場平と云う辺りだろう。景色は抜群だが、積雪期はスキーが滑らないと思った。


馬場平から主稜線、中央が赤見堂岳

 最後は1327mには上がらず、右側を進む。稜線はショックなことにシュカブラ交じりのバーンだった。しかも赤見堂岳は直接見えず、帰りの登り返しもあるらしい。潅木も出ていて、要するに山頂からは全く滑りにならない、と云う事が判ってしまった。


稜線はシュカブラ、山頂はピークの奥

稜線~山頂~取付きまで

シュカブラは踏めば壊れる様なものではなく、しっかりと固まった物だった。なるべくスピードをつけて直線的に降りれば登り返しは殆ど無いのではないか、と楽観的な希望もあったのだが、これではシュカブラに跳ね飛ばされてしまい、最後の期待も無くなった。

天気は上々、微風である。遠方は霞で月山が形だけ判る。もう1300m後半なのだが、石見堂岳(1286m)より視線が中々上がらないのは不思議、最後の偽ピークからやっと眼下になった。何となく山頂到着、いい天気だが視界が今一なのが惜しく、今日は感激が薄かった。


山頂から朝日方面、視界がもうちょっとあれば・・・

 雪でブロックを積み、ランチタイムとする。直ぐに帰ろうかと思っていたが、一時間半が経ってしまう。視界が霞んでいようが、帰りの滑りに期待を持てまいが、何だかんだで山頂は良い物である。眺めとランチを堪能したところで、帰りの支度に掛かった。


山頂から馬場平方面

 もう2時を過ぎて、雪面が来た時よりも固くなった様子。登り返しもさほどではなく、あっという間に馬場平に着いた。トレースの上はスキーが走り過ぎ、ブレーキを掛けようと脇に入ると一回転した。何と、これだけ平らな所で転んでしまうとは。1125m辺りで遠方の景色が見えるようになり、月山もハッキリしてきたので2回目のランチタイムとした。


石見堂岳と月山

 ここからの下りが今日の核心だった。3時を廻り、日照のあるグサグサ雪と日陰のクラスト(モナカ)との差が激しい。モナカ雪には全く歯がたたず、グサグサ雪を求めるが日陰との交わりで必ずブレーキがかかる。特にモナカ雪の悪さは過去最悪(経験値3年)で、急斜面で横滑りが出来ないのには閉口した。606m下の細尾根を坪足で下るとやっと最後の杉林、もう日当たりは無く全面がモナカであるが、標高を下げたのでモナカ(ハード)からモナカ(幾分ソフト)になったのが救いだった。最後は左の斜面に入り、斜滑降で取付きに出る。

感想など

  • 今日の雪はサッパリ。まともに滑れた区間は皆無であった。モナカ雪をマスターする事は可能なのであろうか?私の技術は未熟で、山スキー道の道のりはまだまだ長い。
  • 1125mから稜線までは傾斜が緩すぎで、降雪期はスキーに成らないと思う。
  • 新潟近郊に比べて、潅木類は少ない。尾根・林間が広く、雪の状態が良ければ楽しいと思う。林道歩きが無いのは、特筆と思う。
  • 次回は来シーズンの降雪期に、小桧原沢出合から石見堂岳に行ってみたい。