1. 山域・メンバー
山域・山名 | 上越国境・朝日岳 |
ルート | 湯檜曽川東黒沢~宝川ナルミズ沢 |
地図 | 茂倉岳(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | CL成海, 峡彩山岳会11名(+サポート6名)、奈良山岳会9名 |
2. 行動記録
日程 | 2006/9/16-17 |
会長あいさつ 楡井 利幸
今年の大イベントであった奈良峡彩交歓登山は皆様の協力で成功裡に終えることができました。奈良山岳会からは「コースが決まったらお知らせください」と何度も連絡いただいたのであるが、候補地となっている東黒沢~ナルミズ沢も山岳雑誌やインターネットなどで大体の感じがつかめていても会員の誰もが訪れた事が無かったので8月20日(日)に成海さんと楡井で偵察に行って来ました。東黒沢から峠にあがり広河原に出て「これなら楽しんでもらえる」という確信を得て宝川温泉へくだりました。
企画から準備、実行までのほとんどを成海さん一人におまかせしていて、全体のものにならないのではないかと思いましたが本番が近づくにつれて協力体制ができあがり最終的には沢隊11名、サポート隊6名の17名参加となり奈良山岳会の9名の方々を迎えることができました。奈良山岳会の足の揃ったパーティに案内役の私たちの方がずいぶんと助けられました。「やまご」での大宴会も楽しい思い出となりました。この交歓登山が会活動を引きしめる役割をはたしています。長く続けていければいいと思っています。皆様ありがとうございました。奈良の皆さん、またお会いしましょう。
報告(成海)
今回の交歓登山は奈良さんから「沢の中で焚き火を楽しみたい」との要望を満たすため快適なやさしい沢を検討した結果、谷川の朝日岳に突上げる東黒沢~ナルミズ沢を候補に上げる。峡彩では遡行した事がない為、東黒沢を登り泊る予定の広河原まで下見をしておく。予想していたとおり快適なナメ滝でルート工作の必要もそんなになく、泊り場も他のパーティがいても登山道の脇で設営できることを確認する。奈良の岡本会長とメールで今回の参加者、共同装備、集合時間等を連絡して交歓登山の当日を迎える。
第1日目 東黒沢
9月16日(土)9時に上越線土合駅に集合。奈良の皆さんは車2台に分乗して朝早く到着。峡彩は民宿「やまご」に車を回収してもらう為、土樽駅に車を置き土合駅まで電車に乗る。駅舎で2年ぶりの再会を喜び自己紹介、コース説明の後、小雨の降る中、出発する。東黒沢出合まで見送りに来てくれた井出さんと別れ、いつもより水量の多い河原を進む。パーティ編成は峡彩の都丸、伊藤(M)、太子にトップを任せ次に奈良さん峡彩の順に続く。今回、最高齢の原田さんは楡井ガイドとロープで結ばれ行動を供にする。白毛門沢出合を過ぎたハナゲ滝は増水して川幅一杯に白く濁り足元がおぼつかない為、上部は左側をまく。水量が増えた為、グレードがひとつ上がった様だ。総勢20名の大パーティゆえ力量の違いもありトップとラストの間隔が広がる。峡彩の後組は先行者と離れルートが分からずさらに遅くなる。それにしても奈良の人達は元気で遅れる事もなく賑やかに歩いている。5m程の直滝や長く続くナメ滝も楽しんで登っている。最低鞍部に分かれる二股あたりからは雨もあがり奈良さんからさし入れの柿の葉寿司をご馳走になり小休止。ここからは水量も減り様相が変わり小滝となり傾斜を増していく。つめ近くの笹薮は先行者の踏み跡をたどり導かれるように鞍部を越えウツボギ沢の下りに入る。沢の下降は急な所もなく、ほどなくして出合に到着。その下流のナルミズ沢出合の広河原泊り場には2パーティが先着しており予定した登山道脇に泊まる事とする。さっそく奈良タープ2張、峡彩タープ1張(内張付)、テント1張の設営に取りかかる。その他、焚き火の天蓋を掛けて雨対策を施す。登山道脇の間伐した枝を集め楡井会長の下、焚き火のおき作りに精を出す。暫くするとようやく威勢よく燃え上がる。すぐに濡れた服を乾かす人の輪ができる。乾杯の頃には太子さんが釣り上げた小さな岩魚も加わり楽しい交歓登山初日の宴会が始まる。風もなく虫もいない絶好の合宿となる。ほどなく奈良山岳会歌を初めに歌も始まり、みんなで持ち上げた酒も多くあり夜遅くまで無制限に楽しく過ごす。
第2日目 ナルミズ沢
朝5時起床。7時過ぎに出発。朝の天気しだいでは朝日岳へ登る尾根道も考えたが雨の心配もなく予定どおりナルミズ沢へ入渓する。途中まで登山道を歩き先行者の踏み跡を見つけ河原に下りる。沢の様子は明るく広い河原で緩やかなスラブが続いている。蒼い淵の流れを水かさの少ない水際をへつったりして前進。天気も良く前方には草原の広がる稜線が見え始める。ゴルジュの先にある魚止めの滝はナルミズ沢の核心部で若手と奈良の人達は直登して越えるが峡彩の後組は谷が深い為、右側の巻き道を登る。その先は小滝を越え1,550mの二股で小休止。藪漕ぎのない草原に続く右俣を進むとスラブの流れの中に岩風呂の様な窪みを見つける。流れの多い沢筋を詰めて行くと笹薮の広がる源頭部が始まる。水が枯れた所からはりっぱな道となり大烏帽子岳南側の鞍部に突上げている。ここから朝日ジャンクションピークまで先行者の踏み跡をたどり進むのだが、緊張感から開放されたのと渓流シューズのままなので笹で滑り余計に体力を使ってしまう。休憩もそこそこ最後の長い登りを頑張り、ようやくジャンクションピークに到着。ここで小休止し靴を履き替える。無線で出迎え隊が清水峠で待っているという連絡を貰う。太平洋側を北上している台風の影響で群馬県の雲海から県境稜線を越えてくる雲の通り道の清水峠に向かう。ガスの流れる風の強い送電線監視所の風下で出迎え隊と合流し彼らが持ち上げたビールで乾杯。じっとしていると寒くて早々に下山する。送電線の監視道でもある謙信尾根の広い登山道を足早に駆け下りる。出迎え隊がルート工作してくれた登川の丸木橋を渡るとすぐに駐車場に到着。足の揃った奈良の人達には先に「やまご」に行って貰い風呂に入っていただく様お願いする。まもなく峡彩の面々も少し遅れて全員揃い今日の交歓登山大宴会場の「やまご」への車に乗り込み山行を終える。長い道程でしたが皆さんのおかげで楽しく歩き通す事ができ感謝しています。ご苦労様でした。