魚野川万太郎谷井戸小屋沢(谷川・万太郎山)[沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 谷川連峰・万太郎山
ルート 魚野川万太郎谷井戸小屋沢
地図 茂倉岳・水上(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、楡井、大江(峡彩山岳会)

2. 行動記録

日程 2006/10/1 曇り
タイム 10/1 吾策新道入り口6:10~井戸小屋沢出合7:30~二俣10:40~稜線15:50-16:20~下山18:00

報告(都丸)

数多くの滝をかけることでは本谷以上とも言われる井戸小屋沢を遡行した。終始滝登りのできる沢で登り応えがあった。核心となる源流部の滝群は手強く、ロープを頻繁に出したため時間がかかった。二日かけるパーティーも多く、日帰り山行としては厳しい。


(1)ナメ床が続く


(2)関越トンネルの換気口


(3)オキドウキョのトロ

本谷のきれいなナメ床

三条燕ICを4:00発で高速に乗り、湯沢の町に入るころにようやく明るくなる。吾策新道入り口のスペースに駐車して出発したのが6時過ぎだった。砂防工事用の道をしばらく歩き、工事現場から本谷に入渓する。
薄曇りの天気にも関わらず万太郎谷下部のナメ床は見事だ(1)。足早に通り過ぎてしまうのは惜しいくらいだが、今日は長丁場なので先を急がなければならない。途中で現れる関越トンネルの換気口はなんとも異様な光景だ(2)。オキドウキョのトロでわずかに泳ぐ(3)。夏なら気持ち良かっただろう。井戸小屋沢出合で休む。


(4)F1は右壁のバンド状から登る


(5)小滝が続く


(6)3m滝は登れず左岸の巻き

井戸小屋沢中流部まで ~登れる滝多く楽しい~

井戸小屋沢に入って最初の3m滝は直登もできるようだが、左から簡単に巻けるので巻いてしまう。F1・7m滝(4)は右壁のバンドをトラバースして(ワンポントでカム使用、A0)上段はまっすぐ登る。その後、小障子沢出合までの小滝の連続は楽しく登っていける(5)。トポではゴルジュ記号が延々と続いているが、実際は両岸が傾斜のきつい草つきとブッシュ、沢床がナメの渓相で明るい。
小障子沢出合直後の2m滝は右壁沿いに登れるが意外とむずかしいようだ。そこで正面のリッジにフリクションを効かせて立ってみると案外簡単に登れた。続く3mCS滝をレイ・バック気味に越えるとすぐ上に水流の分かれた3m滝(6)。左右壁から突破を試みたが結局断念。シャワーを浴びても登れるかどうか微妙な所だ。左岸の草つきを大江さんがロープを引いて登る。ブッシュが少しあるだけで悪い。戻って3mCS滝の下から右岸を巻いた方が早かったかもしれない。その後は悪場もなく小滝とナメの連続で気持ちいい(7)。F8・20m滝は右岸の乾いた岩を簡単に登れ、高度感があって爽快だ(8)。
1:1の二俣を左へ。まだまだ滝は続き、場所によってお助け紐を使う。途中伏流するなどして水流がずいぶん減ってしまったので、入る沢を間違えたかと思ったほどだ。不安になって水を汲んでおいたが、実際はこの後が長丁場だった。


(7)快適な登り


(8)F8・20m滝


(9)微妙な5m滝

源流部の核心滝群


(10)F13・30m滝の下段を登る


(11)上段右壁の登りは厳しい

2:1の二俣を左へ。F13・3段30mの滝からは登攀の領域になる。ロープを出し、1段目は右岸の草付から落ち口の上へ抜けた(10)。ここでリードした大江さんからコールがあり、右岸の支沢から同じ場所へ簡単に上がれるとのこと。行ってみるとブッシュ交じりの草つきがビレイ点まで続き、ノーザイルであっさり上がれた。ここから少し上がり、ブッシュを頼りに2段目の落ち口までトラバースして降りる。3段目は右壁を楡井さんリードで登る。下から見上げる以上にむずかしく苦労しているようだ(11)。なんとかテラスまで上がって後続が続く。続く5m滝は途中に残置スリングがかかっているのが見えたが、水を嫌って右岸を巻く。やはりロープ使用。バンドを伝って4m滝の上に降りる。2m滝はショルダーで右壁から、続く3m滝は空身で左壁から落ち口に抜けた。F15の12m滝はぬめる岩をごまかしながら右壁沿いに登る。ロープを出したのはこれが最後で、その後いくつかある滝は楽に登れる。最後の8m滝は先頭で登る私がガレた落ち口に出てしまい、落とした石を大江さんに当ててしまった。反省しなければ。
本流筋は細い流れが続いているが、左岸からガレ沢も入り込んでいる。ここまで来ればもう本流にこだわることもないだろうということで、稜線に近いと思われるガレ沢に入った。沢形が終わるとササと低木が繁茂するヤブで苦労させられる。稜線に着くころにはガスって展望は利かず、風が強く雨もぱらついてきた。風の弱い場所に身を寄せ、暖かいものをかきこんで速やかに下山した。稜線上はササの緑と紅葉のコントラストが美しい。クルマに戻ったのが18時頃。短い秋の日はすっかり落ちてしまった。

※滝のNo.は「上信越の谷105ルート」(豊野編、山と溪谷社)に準拠した。