1. 山域・メンバー
山域・山名 | 五頭連峰 |
ルート | 広手沢 |
地図 | 出湯(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | L都丸、小畑(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
日程 | 2006/5/14(土)曇り |
タイム | 魚止めの滝駐車場9:30~本流入渓点10:15~広手沢出合11:00~登山道13:30-14:30~下山16:00 |
報告(都丸)
新人の小畑を連れて今年最初の沢登りに出かけた。大荒川本流は普段より水量が多い。昨日の雨か、雪解け水のせいか。半年ぶりに冷水に足を浸す。早速の渡渉にも慎重になる。
最初のゴルジュは渦巻いて迫力がある(1)。胸まで水につかって右壁をへつる。私が先行して小畑に続いてもらう。後で聞くと水中のスタンスが見えないのが不安だったそうだ。確かにルートを知らなければためらう場面だろう。少し進んで入り三階の滝。減水期は腰くらいの水位なのが今日は胸までつかる。右壁伝いに爪先立ちで進んでとりつく。トップロープで小畑に登ってもらう。淵を進む時に途中で足がつかなくなって泳ぐ格好になったとのこと。
広手沢はコクラ沢合流点のすぐ下流で左岸から流入している。本流の滝を見学してから広手沢に入った。小畑に先行してもらい、小滝とナメの連続を登っていく(3)(4)。私が少し手間取ってロープを出した場所で、小畑は確保つきながらすんなり登ってしまう。見込みがありそうかな?
滝の上で小畑が立ち止まって地面を見ている。さては死体でも見つけたかと思って上がると、水たまりにアズマヒキガエルの卵塊がこんもり盛ってあった。彼は沢登りは未経験だし、これまで夏道しか歩いていなかったそうだ。であればカエルの卵などそう見る機会もないのだろう。
右岸から2段の大滝をかける支沢を過ぎ、標高500mあたりから雪渓が橋をかける。もう出てきたかと内心舌打ちしつつ、最初の雪渓は乗って越える。次の雪渓はとりつきが難しいので左岸を巻く。やぶ漕ぎのレクチャーをしながら適当な場所を見つけて降りる。少し行くとまた雪渓。あちこち穴が開いて上も下も難しい。見通す先も延々と雪渓が続いているようだ。ここで遡行を断念し、尾根筋を目指すことにした。
714m標高点の北にある小ピークを目指してやぶ漕ぎを開始する。登山道に出るまで1時間程のやぶ漕ぎに小畑はよくついてきてくれた。
沢登りとしては中途半端な内容で、シーズンには少々早かったと反省。今年の大雪は遅くまで残りそうだ。新人の小畑には「凄い経験をさせてもらった」との感想をもらった。
感想:小畑
この度の大荒川支流広手沢は私にとっての沢登り初体験になりました。行程は短かったそうですが、私には満腹でした。
沢沿いに登山道を行くと魚止滝があります。魚がこの先へは行けないだろうと名付けられたこと、でも実際はいることを教わりました。そこからほどなく分岐点があり「我々はこちらに行きます」との指示がありました。そちら側には通行止と書いてありました。なるほど魚止滝と同じだと思いました。
しばらく行くといよいよ沢への第一歩です。雪解けの冷たさが体を突き抜け、次の一歩は少しためらいました。それでも目に映るもの全てが新鮮ですぐに忘れました。
初めての滝では確保して下さる安心感と、それでも襲ってくる緊張感、それらを合わせたゾクゾクした気持ちを味わいました。
細い滝との分岐から先、雪渓が残っており、その危険性について習いました。そこから藪こぎが始まりました。『岳神』でそのマイナスイメージは十分予習済みでした。しかし、地図とコンパスで周りの状況と照らし合わせる都丸さんの姿はたくましく、惚れ惚れしました。「藪こぎを嫌がらないで貰いたいんだ。沢の楽しみは尾根の狙ったところにあがること、尾根歩きでは味わえない、山を自由に思い通りに動けることでもあるんだ」とのお言葉に感激しました。このように、大変貴重な一日を誠にありがとうございました。なお、今後とも宜しくお願い致します。
~プルコギは辛(から)く、藪こぎは辛(つら)い。されど、どちらも旨い!~
失礼しました。