大源太川鷺ノ首沢(大源太山)[沢登り]

1. 山域・メンバー

山域 大源太山
ルート 大源太川鷺ノ首沢
内容 沢登り
メンバー 楡井(L)、戸貝、大江、都丸
ルート 鷺の首沢遡行~大源太山~ヤスケ尾根下山

2. 行動記録

日時 2005/9/17(前夜泊)
タイム 鷺ノ首沢出合6:35~大栗沢出合7:20~ヤスケ沢出合9:40~30mスラブ滝上10:30~大源太山頂14:40-15:40~下山17:50

報告(都丸)


4段20m滝

鷺ノ首沢出合対岸の林道脇に退避スペースがあり、前日はそこでテントを張る。翌日は朝6:20に出発。ヤブを下って大源太川に降り立つ。鷺ノ首沢出合は貧相で拍子抜けする。水量は少ない。大栗沢出合までは薄暗い樹林の下を淡々と歩く。12mの「思考の滝」をかける大粟沢を見送った後に現れる10m滝は右壁を登る。滑りやすい岩だ。上に行くに従って傾斜がきつくなる。20mスラブ滝は滝つぼに入れば取りつけそうだったが、長い行程を考えて左岸を巻く。

谷は狭まって両岸ゴルジュとなる。V字谷に4段20m滝が一直線に並び、その上にも滝が見える。下の3段を登り、最後の6m滝は登れないので右岸の草つきから高巻く。本流は左へ曲がっており、左岸から支沢が滝を落とす。4段20m滝の下からは、この支沢の滝が本流のように見えていたわけだ。ゴルジュはしばらく続いて途中小滝をいくつか越える。滑り台のようなトイ状6m滝は左壁に残置シュリンゲがかかっている。が、残置を利用しても落ち口に渡るのは難しそうに見えた。トイの中なら、仮に落ちても釜に滑り落ちるだけで済むのでリスクは小さい。小釜を思い切って飛び越え、両足を突っ張ってトイの中をずり上がる。

 

核心周辺


30mスラブ滝


2段20m滝


山頂へ

正面に20m滝をかけるヤスケ沢を分け、鷺ノ首沢は右から3m滝をかけて流入している。3m滝は左右どちらからでも登れる。少し進むとこの沢最大の30mスラブ滝が現れた。途中まで左側をノーザイルで登り、滝幅が狭くなる中段で確保して都丸トップで登る。傾斜はさほどでもないが、コケの乗った岩が大変滑りやすく神経を使う。コケの薄い岩肌を拾いながら左側を直上し、水流をまたいで右側へ移る。最後は落ち口までトラバースして抜けた。フィックスロープで他の3人が続く。

スラブ滝のすぐ上にかかる7mCS滝は見た目ほど難しくはない。右からナメ床の支沢が合わさり、本流には2段20m滝が掛かる。楡井トップで下段15m滝の左壁を登る。取り付きが難しい。途中でハーケンを打ち込めるリスがなかなか見つからないようだ。なんとか一箇所で支点を取れた。上部は階段状のスタンスが続いているが、一歩が大きい。草をホールドにしながら大また開きではい上がる。上段の5mは問題ない。その後は小滝を気持ちよく登り、ゴーロ帯を過ぎて二又を右に入ると2段10m滝。下段はツルツルで上段は逆層の壁。下段はフリクションを効かせて登る。上段は1ムーブに思い切りがいる。ここに限らず、鷺ノ首沢の滝はちょっとした一歩がいやらしい場面が多いように感じられた。最後の二又を右に入り、4m滝、5m滝を越えると水流も消えた。枯れ滝をいくつか登りながらヤブの中のルンゼ状をしばらく行く。

視界は開け、笹ヤブの中を狭いスラブが一気に駆け上がっている。岩肌のフリクションはまずまず効くし、笹がホールドになる。ロープを出すべきかどうか迷う程度の傾斜だ。スラブを直登するか、それとも笹ヤブ伝いに行こうか。ルートはいくつも取れる。結局途中まで登って適当な場所でロープを出す。時間も押しているので、1ピッチだけ登ったところで右のヤブに逃げる。山頂まで残り標高100m。ガレ場を落石におびえながら登って尾根を回り込むと視界がぱっと広がった。東西を一望に見渡せる稜線上は切り立った痩せ尾根で、特に東側は綺麗に切れ落ちている。「上越のマッターホルン」の異名もうなずける。稜線上は半分踏み跡がついていてヤブこぎは辛くない。5分で山頂に着いた。

今回はロープを頻繁に出し、また4人パーティーという編成もあって遡行に8時間かかった(ガイドだと6時間)。お助け紐も多用した。滝の水際は全般にコケが乗って滑りやすいので注意が必要だ。登攀の観点からは大小の滝を連ねて面白い沢だった。高巻き・ヤブ漕ぎで特に悪い場所はないが、腕力に頼る局面が多い。水が消えて稜線に上がるまでが少々長いのが難点だろうか。