1. 山域・メンバー
山域 | 五頭連峰松平山 |
ルート | 折居川南俣沢 |
内容 | 沢登り |
メンバー | (L)都丸(峡彩山岳会) |
ルート | 折居川南俣沢遡行~赤倉歩道(廃道)経由下山 |
2. 行動記録
日時 | 2005/7/24 |
タイム | 駐車場発8:10~入渓(南俣沢出合)8:40~413m山葵山直下9:50~連瀑帯上部10:55~770m支沢出合12:30~松平山頂着14:00~発14:30~駐車場17:45 |
その他 | ルート図 |
報告 都丸
2段5m滝 奥に2段12m滝
会山行で何度か入渓した折居川を遡行した。全体に渓相は開けて明るい。地味ながらも緩急に富み、登攀、へつり、高巻き、読図、釣りと、沢登りのイベントは一通りこなせる。泳げるポイントもある。
まず古い堰堤二基を越える。序盤は大きな滝は出てこない。途中の小ゴルジュではちょっとしたバランスを要求される場面が何度かあって面白い。落ちても水の中なので怪我の心配はない。ゴルジュを抜けた先の6m滝は、左を巻いて落ち口付近に下りる。続く4m滝は湿った右壁を登れる。
山葵山に上がる支沢を過ぎると目の前に2段5m、その奥に2段12m滝が迫力ある姿で現れる。
このあたりから核心部に入るようだ。最初の5mは中段まで右を上がる。右壁に残置シュリンゲが残されているが、ここは左壁のクラックを利用して這い上がった。続く2段12m。下段は垂直に近く、初見であれば躊躇するかもしれない。登れると分かっているので当然とりつく。中央の壁を直上し、中段からはやや傾斜の緩い左の乾いた壁を登る。確保されていれば水流をまたいで右側を登るのも面白いかもしれない。
少し行くと再び沢幅は狭まる。2m滝の奥に10m滝。五頭山塊でも有数の連瀑帯が姿を現す。立て続けに5つの滝を掛ける。最下部と最上部の滝が登れないので、結局全部巻くことになるのが残念だ。手前の2m滝を勢いで越えて右斜面から高巻きに入る。取りつきは枝が少ないので要注意。15分の最短コースで巻いて、最上部の15m直瀑の落ち口にたどりつく。
連瀑帯上部は平坦な河原状となって開ける。朝からどんより曇っていた天気が変わり、にわかに木漏れ日が沢床に差し込む。暑くなってきた。連瀑帯上部は魚影が急に濃くなり、頻繁に足元を跳ねるようになる。明るい河原を1時間半ほどかけて、竿を出しながらのんびりと歩く。たまたま捕まえたカワゲラ成虫を針にかけてみると、水に落として数秒の間に食いつかれた。やはり現地に生きる虫が最上の餌ということだろう。
源頭が近くなると細かく支沢が入るようになる。適度に技術を要する小滝がいくつもあって面白い。3段7m滝はすべりやすいので慎重に。崩壊地らしい赤い岩の8m滝は中段まで真ん中を直上、2m右にトラバースすると水流の右側に弱点が見つかる。そして地図上の最後の二又。4m滝を掛ける左に入るとすんなり松平山頂上に出られそうだったが、あえて等高線の詰まっている右を行く。少し進むと水流はほとんどなくなりさらに二又。右に入ると支尾根に上がってしまうので、左の6m滝に取りついてみる。スタンスに乏しい滝で、両岸は頼りない枝の泥壁。少し離れれば巻けるところだが、せっかくの難所なのでできるだけ遊びたい。フックとハーケン1枚を使い、2ポイント人工で強引に乗り越した。続く2m、3mは問題なく登れるが、続く3mがどうしても越えられず左岸から巻いた。このあたりの滝は五頭の源頭付近によく見られる、手がかりの少ないざらついた感触の一枚岩だ。岩質がもろくハーケンが効きにくい。ほとんど水流の枯れた5m滝を越えるとあとはヤブ漕ぎになる。10分ほどで、松平山頂から西寄りの登山道に出た。
下山は廃道化しつつある赤倉歩道を下る。年々ヤブが濃くなって歩きにくくなっているように感じる。下る途中、ふと気配を感じて顔を上げる。黒くて大きなものがゆらりと動く。クマとの初遭遇だった。目が合った瞬間、そいつはものすごい勢いで斜面を駆け下っていった。