五頭山塊 折居山[冬山教室]

平成13年2月11日-12日(リーダー研修山行)

メンバー

A隊 L南山 成海 谷中 内山

B隊CL丸山 本望 菊谷

A隊支援 松原

B隊支援 小山 本間(K) 佐藤(Y)

12日日帰り隊 太子 川口 坂井(H)

(計14名)

 

今回の山行の目的

  • リーダーシップとメンバーとしての役割確認
  • 下道・尾根上・稜線上での正確なルート判断・偵察のやり方
  • 危険認識と安全確保(雪庇・急斜面・雪崩)
  • 効率的なラッセル
  • 横穴雪洞の構築と生活技術
  • 各隊の連携と合流後の指揮
  • ビーコン訓練
  • その他

 

A隊行動記録 内山

2月11日

7:30  新発田市浦の南山宅集合、総勢10名。

8:20  中中山部落まで送ってもらい、B隊、小山、本間健と別れる。

8:30  A隊4名と松原とで出発。最初からワカンを着ける。天気は晴れ。林道を行くが左右はたんぼが広がっていて、雪の大平原である。新雪は30~40センチ、山を目指して直進する。

10:00 杉林の中の林道を沢沿いに来たが林道終点と思われ、小川を渡渉する。

10:30 1週間前の偵察で付けた赤布を発見。それを目印に尾根の取付き点を確認する。

10:45 尾根に取り付く、急登。細かい雪が激しく降る。ほどなく杉林の中に出る。傾斜は緩くなり、広い尾根がしばらく続く。

11:45 高度360メートル。尾根はやや細くはっきりしている。雪は深く大ラッセルとなり、なかなか高度が上がらない。支援の松原はここまで。

12:50 高度480メートル。登り一本のはずが小ピークになり、前方はぐんと下がっている。雪。少し前に雷2回。

13:00 定時交信。どことも通じず。偵察や地図の確認に時間を費やす。一時視界が開け、進路右手二本向こうの尾根の先に白い高いピークが見えいろいろな条件を考え合わせ、それが析居山であると判所する。

13:50 中中山まで下山する事とにする。途中どこでルートを間違えたのか確認しながら行く。小雪。

15:00 林道に出る。どうやら尾根の取り付き地点から間違えたらしい。

16:00 中中山部落着。析居部落へ移動。翌日折居から登るため折居の林道で南山さんのワゴン車内にて泊まる事にする。夜の交信で各隊の動きを知る。

2月12日

7:50  折居林道出発。くもり。ルートにのる。

9:30  尾根取り付き。晴れ。急登30分でなだらかになる。行くべき尾根ははっきりと見える。

11:00 高度600メートル位でビーコンの使い方、横穴雪洞の堀り方の講習。雪洞を掘っているとB隊が下山。以後行動を共にする。

B隊行動紀録 菊谷

私は前の晩は飲み会があり、12時近くまで荷造りにかかり、カッカとしたためなかなか眠れず、眠い眼で集合場所である南山宅へ向かった。A隊を中中山部落まで送ったが、雪は三メートル以上はある感じで手強いように見えた。戻って折居部落の林道付け根で準備。

9:30  薄日さす好天気の中を出発。林道終点からいよいよ尾根に取り付いた。しかし、急登、大雪のため足下の雪がズルズルと崩れ落ち苦戦する。そこへ佐藤さんがスキーを担いで追つき、トップを代ればまるでイノシシの如くバリバリと雪を蹴散らし登っていく。佐藤さんよりラッセル法を教わり、ストックを束ねて雪の山を手前にへその下まで二度掻き落とす、三度目はへその前にストックを置き、腿を上げてワカンを斜面へ蹴り込む。・・・なるほど、確かに効果的であった。松林へ入って一息入れたら雪と風が強くなった。支授隊とはここでお別れ、感謝して先へ向かった。疲れも粗当に蓄積されてきた。

15:30 740メートルの平坦な場所を今夜の寝場所とした。雪がちらほら降り続き寒い。3名で雪を踏むが粉雪のため締まりが悪い。当初、横穴で行こうと話していたが、時間と場所の関係で縦穴とした。縦穴経験は三回目で少しは作業が見える様になってきたと自覚。

17:20 ビールで乾杯。食担初体験の私としては焼き肉とカレーライスに海草サラダとしてみたが、諸先輩には良く食べて戴いた。

17:00 穴の中で交信、松原さんから気象情報を戴く。A隊や出迎え隊の情報にも耳を傾けた。

 

2月12日

5:30  起床、十分な睡眠であった。新雪は10センチで静かな朝だった。朝食はキツネうどんに餅。これもきれいにたいらげる。

7:00  交信、小山さんからの気象情報では雪・雨の確率50%。リーダーの判断で不要な荷物を雪洞に残し、頂上を踏んで同じコースを戻る事とする。穏やかな白銀の世界を相手に懸命のラッセルで山頂を目指した。途中で杉の穂先に着雪し垂れ下がってほこら状態となった中に、何とカモシカの寝床を発見した。3メートルほど離れた場所にはトイレらしく昨夜はここで寝ていたと確信した。天候も太陽が顔を見せ始め最高の冬山となってきた。

9:40  折居山山頂着。お互い手を取り合い喜びの声を挙げた。そして、南東の雲間からは太陽が暖かい光で歓迎してくれた。360度の桃めで、久し振りに素晴らしい冬山を満喫できた。戻って雪洞撤収後下山開始。横穴雪洞を掘っていたA塚と合流。我々はそこでビーコン研修。出迎え隊のオレンジ色のツエルトが雪面に映えていた。総勢10名となり歓談。ここで研修のため、視界不良の急斜面を降りる事を想定して、南西の斜面を林道まで下りることにした。30メートルザイルをフィックスしてもらい一人ずつ下りたが、太子さんのザイルさばきは無駄がなくきれいであった。

15:20 林道終点の駐車場着。ここで再度ビーコン研修を行い、非常時に於ける確実な操作に意識を合わせた後、解散した。帰宅後、雨具とスパッツに3箇所のかぎ裂を発見、ワカン歩行の未熟さを見た。