飯豊連峰・飯森山(冬山合宿)

メンバー

記録 丸山

CL成海sL伊藤(M) 谷中 戸貝 内山 丸山

支援隊

B隊L松原 南山 菊谷

日帰りラッセル支授 川口

C隊L渡辺(K) 本望 小山

一月一日

好天の続いた年末も三十一日の午後より雪模様となり、しばらくは冬型の績きそうな予報である。駐車の了解をもらってある日中ダムの休憩所に到着してみると偵察山行時に知り合い、飯森山の精通者、地元山岳会会長でもある遠藤さんがわざわざ我々の到着を待っていてくれた。ダム管理棟脇の雪と東斜面に出る雪庇に注意するようにアドバイスを受ける。又、正月時期に入山するパーティーはないとのお話だった。小雪の舞う中、トイレ付の休憩所で出発準描が出来るのは本当にありがたい。トンネルを出た車道に新雪がサッと積もった程度なので、夏道の登山口より登りにかかる。日帰りラッセル支擾の川口さんの付けた足跡を追いながら重いザックを背負っての登りである。700メートル地点の尾根に出ると少し風が出てくるが快調に標高を稼ぐ。872メートルの見晴台は尾被を左に回り込むようにする。下山時に気をつけないと赤沢側の尾根に入り込んでしまいそうなので注意が必要な地点である。900メートル付近で積雪も多くなりワカンを付ける。川口さんのラッセル支援のおかげで標高差600メートル順調に高度を上げる事ができた。飯豊連峰に重い雪を落としてきた為か越後の雪より何となく軽い感じの新雪であるが、積雪量が少なく雪庇の発達はまだ無いが、薮が多くルートを選ぶにも薮を漕いだり、稜線下の夏道のあるプナ林を歩いたりとジグザグにルートを取りながらのラッセルとなる。ザックの上に出ている標識竹が木の枝にひっかかり体力の消耗も大きい。特に問違いやすい地形は少ないが赤布を取り付けて進む。標高を上げ、広い尾根となると見事なプナ林が広がってくる。五時間行動で予定通り1380命地点を泊まり場としてA隊、B隊ならんでテントを設営する。夜はそれぞれに食事をした後、A隊のテントに集まり歌も出て楽しくすごした。外に出てみると入り口の正面にオリオン座が輝き、梢の隙間から町の灯も見えていた。

一月二日

五蒔起床。新雪は五センチ程度である。成海リーダーより頂上アタックに際しての指示があり、気持ちを引き締めての出発である。一足先に出たB隊のトレースを追いながら進む。50分程で赤沢の分かれにいたB隊と合流する。風雪も少しずつ強くなり、冬山らしくなってくる。今日中に掃宅するB隊と分かれ、我々だけのラッセルとなる。積雪量も見る見る増えて、本格的なラッセルとなる。伊藤君は着さに任せて標高差60メートルを一人でラッセルを引き受けてくれる。内山さんも冬山合宿初参加にも拘らず長いコンパスで思いの外頑張ってくれた。鉢伏山の斜面は藪のない少し堅い雪となり標謝竹を打って進む。西からの風雪は強さを増してフードを上げただけでは左側の頬が痛くなってくる。鉢伏山を越えるとラッセルは平ら地でも腰位となる。時問はまだ10時30分であるが、このままのぺースでは1キロ以上先にある飯森山の頂上まで2時問近くは費やしそうである。トレースも直ぐに消えてしまい、しかも帰りには登り返しの標高が260メートルはある。順調に行っても4時位までは行動しなくてはいけないであろう。風雪は益々強く、もしもルートを問違ったり、隊員の誰かが足を引っ張ったりするとビバークを余儀なくされる可能性も大きくなる。視界は100メートル位は効き、薮に添って進めばルートは難しくなかったが、リーダーは鉢伏山より少し進んだ地点で残含ながら飯森山の登頂をあきらめる。雪庇の陰で休憩を取った後下山にかかる。赤い標識が心強い。つい先程のトレースはどこえやら、登り返しに掛かれば明らかに深いラッセルを強いられる。結局7時問の行動で1380メートルの幕営地点に戻ってくる。新雪に覆われたテントの上には小さな雪庇が出来ていていた。内山さんは左頬、伊藤君は左耳に凍傷を負ってしまい、早めの対処が必要で今後の反省としてもらいたいと思った。行動中の感じでは風雪が強まってくるかと思ったが、テントの設営地点が良かった為か、思いの外静かで暖かく。私の出る幕がない位面自い「こうしやく」が涜き、楽しい夜を過ごす事が出来た。

一月三日

尾根上の平地に設営したはずのテントも3日問の降雪で窪地の中に立っていた。今日は下山だけである。ゆっくりと準描をして8時に出発する。相変わらずの吹雪模様であるが視界はほどほどに利く。新雪はかなり深く、下山といっても薮こぎもあり、登りと変わらないラッセルを強いられる。10時、1280メートル地点で750メートル地点に来ているC隊と交信を行う。標高差約500メートルであれぱ、お互い直ぐに合流出来ると思ったが、思いの外ラッセルに時問が掛かり12時に950メートル地点でようやく合流する。結局登山口までは登りの時問と同じ5時問を費やし、車道は入山していた3日間で新書が70センチ積り、まるで違う雰囲気となっていた。成海リーダーのデリカの上にはびっくりする様な新雪が積もり、掘り出すのに一苦労する。道の駅「喜多の郷」の温泉と喜多方ラーメンは格別であった。今回の冬山合宿はコース自体が長大で新雪のラッセルに予想以上の苦労させられ残念ながら飯森山の登頂は達成出来なかった。しかし、飯豊連峰に近い山壊にも拘らず、森林限界の標高が高く見事なプナ林が頂上まで続く手頃な良い山である。高遠遣路を利用すれば交通の便も良く、冬山にかぎらず四季を通じて登ったり、初心者向けの沢登りのルートとしても良い様なので今年中には是非来てみたいと感じたのである。夏山合宿の遭難事故以来初めでの合宿であったが、特に伊藤君と内山さんの参加があり本当に良かったと思う。又、要所要所に今まで以上にリーダーからの指示があり、パーティーとしてのまとまりがあったのも今回の侍徴であった。当然の事ながら今後も万治峠の誓いを忘れる事なく山に取り組んで行きたいと恩う。