飯豊/頼母木川小俣沢(下部ゴルジュ) [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 飯豊・大石山周辺
ルート 頼母木川小俣沢~710m支沢から足の松尾根~足の松登山口
地図 二王子岳(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、小畑(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2008/7/27 晴れ
タイム 7/27 奥胎内ヒュッテ6:00~足の松登山口(乗合タクシー利用)6:10~堰堤6:30~小俣沢出合8:55~710m支沢出合11:40~1040m付近登山道13:20-14:00~足の松登山口15:45~奥胎内ヒュッテ(乗合タクシー利用)15:55

報告

稜線まで詰めれば通常1泊か2泊を要する頼母木川小俣沢を、下部ゴルジュだけ楽しんで途中で足の松尾根に上がる日帰りコースで遡行してきた。前日に雨が降っていたせいか、雪渓が多く残っているためか、水量は多く感じられた。下部の本流では厳しいへつりが連続し、小俣沢に入っても滝の直登あり厳しい高巻きありで充実した1日になった。

本流のゴルジュを行く

ヒュッテからは乗合タクシーで足の松登山口まで送ってもらう(料金250円)。堰堤を越えて頼母木川に足を浸してしばらく進むと、いきなりモヤとともに雪渓が現れる。まずは下を潜ってやり過ごした。最初の2m滝(1)は右壁にとりついてみたが、ヌメヌメで嫌な感じなので左壁のトラバースルートに切り替える。高度感があり、本流下部ではポイントになる滝かもしれない。続く3m滝(2)は右のリッジを少し登ってトラバースする。続く一連のゴルジュは主に右岸側のへつりと登攀になる(3)(4)。狭い川幅の中を暴れまわる奔流は迫力十分だ。へつりに失敗すると厄介なことになるだろう。ゴルジュがやや後退し優しい渓相になると陽もあたり快適な遡行になる。

また雪渓が出てきた。近くで休んでいると冷気が降りてきて涼しくもあり、夏の朝日が当たって暖かくもあり、不思議な感覚だ。雪渓は長く厚く先が見えないので上を行く。末端からすんなりとは下降できず、左岸のヤブに入って雪渓と泥壁の隙間に入る。沢床まではまだ高さがあり滑り降りるのも躊躇いがあった。すぐ上流で支沢が入っているので、泥壁をハンマーでカッティングしながらトラバースし、支沢から本流に復帰した。


1)2m滝は左から


2)3m滝


3)険悪な雰囲気


4)緊張の一瞬


5)スノーブリッジ


6)さわやか


7)陽光と冷気が交差する

小俣沢に入ると滝の連続

小俣沢出合付近は再びゴルジュとなる。狭い小俣沢に入った。最初の2m滝(8)の釜は白泡で満たされ深さがわからない。中に入ってみると意外と足がつき難なく越えられた。次の釜のある2m滝は左の側壁をトラバースする。4m滝はシャワーで越えられそうな感じもしたので釜に入ってみるが、圧倒的な水圧に押し返されておとなしく右岸バンドを行く。続く3段20mの滝(9)は1段目の右壁をシャワーを浴びて登る。2段目以降はまったく手が出ず右岸の高巻きとなった。下部はスタンスが不安定で腕力頼みとなる。ゴルジュは続き、ナメ状の5m滝(10)を偵察するため、ロープ2本で懸垂下降する。沢床からの高巻きも可能なので小畑を呼び寄せてロープを回収し、5m滝を登らせてみる。が、水流をまともに浴びてあえなくドボン。交代して水圧に絶えながら右壁に移り、フリクションを効かせて登った。しかし落ち口への一歩が難しい上に、次の5mトイ状滝は登れそうもない。断念して降り、右岸の巻きに戻った。5mトイ状滝の上へはロープなしですんなりと降りられる。


8)小俣沢出合の滝


9)3段20m滝の中段


10)5m滝は結局断念

 滝上はやや開けて明るくなった。小滝を快適に登っていくと7m滝がかかり左壁を登る(11)。下部は滑りやすいがホールドは豊富にある。滝上で沢は右に曲がり、ヒョングリ状に水流を噴き出す2段20m逆くの字状滝がかかる((12)。離れても飛沫が顔にかかりなかなかの迫力だ。この滝は左岸を高巻く。かなりの急斜面だが足場は階段状でしっかりしていているしブッシュはつながっている。上流の5m滝の落ち口付近に懸垂下降で降りた。

 その後は大きな滝はなく、小滝と落ち込みで快適な遡行が続く(13)。6m滝(14)は草付混じりの右壁を登った。沢幅が狭くなると雪渓が現れる(15)。2度目の雪渓を潜っていくと、今日詰める予定だった支沢が合流している(710m付近)。ここで小俣沢と別れて詰めにかかることになった。支沢はすぐ上で二股となり、登山道に近い左に入る。一直線に高度を上げていく急登で汗だくになってしまい、頻繁に水浴びしてクールダウンしながら登る。途中の滝1つを低く巻いた他は滝らしい滝もなくヤブ漕ぎに移った。稜線直下のヤブは壁のようで、気合を入れて乗り越えると1040m付近の登山道に飛び出した。


11)7m滝を登る


12)20m逆くの字状滝


13)快適になった


14)6m滝は右壁を


15)雪渓が連続する

 足の松登山口に下りると都合よく乗合タクシーが待っていた。下山が一緒になった他の登山者と合わせて定員となったので待ち時間もなくすぐに出発。下山後は少々場違いなくらいにゴージャスなロイヤル胎内パークホテルで入浴して帰った。