1. 山域・メンバー
山域・山名 | 上越国境・平ヶ岳 |
ルート | 恋ノ岐川~鷹ノ巣下山 |
地図 | 平ヶ岳(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | CL.都丸 SL.成海 戸貝 内山 高橋(Se) 松原 山田(W) (峡彩山岳会) |
2. 行動記録
日程 | 2007/9/15-16(前夜泊) | |
タイム | 9/14 | 19:20黒崎⇒22:00鷹ノ巣 |
9/15 | 6:30恋ノ岐川入渓…14:10オホコ沢出合…15:20泊り場(1440m) | |
9/16 | 6:00出発…11:50登山道(1980m)…12:15池ノ岳-13:20下山…18:00鷹ノ巣⇒22:00新潟 |
報告(内山)
仕事を終え、金曜の夜出発。鷹ノ巣の船着場付近でテント泊する。埼玉の高橋さんとは久し振りで近況など聞いているうちにあっという間に24時になり就寝しました。
15日は車1台を下山予定の鷹ノ巣登山口に残し、恋ノ岐川の橋まで戻る。橋周辺では既に何パーティか仕度をしていて楽山会の見覚えのある顔も見つけました。この日朝到着の山田さんと合流し橋の下からすぐ入渓。水はそれほど冷たくなく気持ちが良いが、水量が多く流れが速い所もあり転石ジャンプがおっかない。起きたばかりの身体は水の中で動きがまだぎこちない。
歩き始めて1~2時間もするともうきれいなナメ床が現れた。天気が良く日光が反射してきらきらと美しい。「わーい、ナメだあ」ルンルンと歩く。ダイモンジソウやセンジュガンビが可憐な花を咲かせている。今回のパーティは山田さんが沢デビュー、他のメンバーも久しぶりの人が多く、都丸リーダーは1時間に1回のペースで休憩を入れてくれた。地形図で見る通り傾斜はごく緩くそんなに疲れない。時々2~3m位の滝が出るも楽しく通過でき私には適度なレベルと思いました。
歩き始めて4時間、標高で1000m過ぎ位になると良い思いが続くはずも無く、卵型の大岩で滑ったり、大岩続きになったりで「沢ってこうだった」と思い出す。折りしも山田さんが足を滑らせ眼鏡を流されてしまいドキッとした。この沢は初心者向きというが気を抜かないで行かねばと思いました。
その後もへつり歩きでザックを大木にはさまれたり、頭が木の枝につっかえたり体がいうことをきかない。そもそも荷物が多過ぎ(反省)。沢泊りということであれもこれも詰め込んだ。都丸君はロープが入っているのにひどくコンパクトにまとめている。軽量化に凝り出した結果だそう。あれくらいしないと微妙な岩登り等上手くいくはずがないですね。
少し大きな滝をシャワークライミングで通過したり高度感のあるへつりを経て先に進む。が、歩けど歩けど標高はなかなか上がらず、行動の目安となるオホコ沢出合までコースタイムが6時間なのに7時間経っても着かず、まだかまだかと気が急く。
オホコ沢出合は判り易かった。泊り場に適地とのことだがそれほど広くない。ここからは泊り場を探しながら進む。大所帯なので場所選びが大変。明日の為には少しでも先に行っておきたい。しかし適地があるかどうか。都丸君と成海さんは空身で先へ偵察に出た。オホコ沢出合より少し先の沢が蛇行し両岸が川原になっていて流木もたくさんある場所に決定。標高は1440m。近くの対岸に楽山会さん7名も一緒でした。
入渓者がたくさんいるのでイワナは諦めていたが都丸君が執念で1匹ゲット。焚き火を囲んで呑んだり歌ったりひっくり返ったり、これが醍醐味です。星は天の川まで見え楽しい時間でした。
16日、ぐっすり寝て目覚めた。下り坂のはずが天気はもっている。戸貝さんは足をテーピングしていた。私も起きたら足首が痛くどうしようと思ったが水の中に入ったら気にならなくなった。朝の沢の水はさすがに冷たい。まだまだ先は長いのでゆるゆると歩き始めました。
山田さんは眼鏡を無くし足場が良く見えないようなので皆でサポートしながら進む。かつていつもサポートしてもらっていた自分が思い出される。8時頃から沢の中に日が差し始め、景色もイキイキとしてくる。なかなか沢幅は狭まらない。源流近くなってくると本日のメインである大滝が出てくるというのでどんな滝か楽しみだ。
トップの都丸君は淵のある滝もどんどん直登していく。私にも出来そうなのだけれど挑戦するとドボンと首までつかり、最初から高捲きにはいっているメンバーの尻尾にくっつくこと2回。沢で何が苦手かというと高捲きだ。今まで怖い思いをしたこと数知れず。恋ノ岐沢は人気のある沢なので捲き道はどこもしっかり付いているという触れ込みだったのに1ヶ所、捲いてから沢床に降り立つルートが悪かった。笹の斜面で足元は滑り、ヤブで下の様子が全然見えず、先に行ったメンバーが「落ちます」「まだダメだ」とやり合っている。聞いているだけで落ちそうになってくる。こういう場面で戸貝さんはとても頼もしい。後ろにいたのを先に回ってくれて「足場そこにあるから」と誘導してもらいやっと降りた。この件は下山後の反省点となりました。
沢は右に左に蛇行しへつりを繰り返すうち、青空の下にぽんと40mの大滝が現れた。これが核心部。登れる滝でその上まだ続く。最初は傾斜が緩かったが上のほうは立ってきてブッシュを掴んでお助けひもの力も借り登った。登るのは楽しかった。振り返ると遠くの山々が望め、やっと標高が上がって来たことを実感しました。リンドウやアキノキリンソウなど秋の花が咲いている。
その後沢幅は一気に狭まり、小さな滝がちょろちょろ。ここまで来ると体は重いが、気持ちは軽い。支沢で池ノ岳を目指すか、途中の登山道を目指すか都丸君と成海さんが相談し始めた。いつの間にそんなに登ったのだろうか。距離の短い方を取り左の支沢に入った。
水流がなくなると背丈以上の笹が自分に向かってくる。笹薮の逆襲。しかしヤブ漕ぎわずか10分足らずですとんと登山道に出た。リーダーの目論見どおり。とても嬉しい。大休憩のため池ノ岳を目指す。あと標高差100m。
池ノ岳直前の木道の脇の笹薮から楽山会パーティも到着。2日間抜きつ抜かれつだった。姫の池は草紅葉が始まりかけだ。平ヶ岳山頂は別の機会に、池ノ岳で祝杯を挙げる。美しい沢とすばらしい景色と2日間の頑張りに乾杯。
1時間ほど過ごした後下山にかかる。燧ヶ岳や至仏山がすぐ近くに見える。鷹ノ巣登山口に下りるこのコースは1昨年歩いていて長いのとアップダウンは承知していたが、メンバーのほとんどが初めてで標高がなかなか下がらないのに皆辟易していた。沢中とは違い暑く疲れを感じる。懐電ギリギリの18時に駐車場着。ひどい筋肉痛で車の乗り降りにも「あ痛たた」状態でした。
集中山行が1パーティになり沢登りとしては大人数で反省点も多かったが、焚き火は多くで囲んだ方が楽しくまた恋ノ岐川の美しさを皆で共有でき、遡行できて本当に良かったです。