1.山域・メンバー
山域・山名 | 飯豊連峰・朳差岳 |
山行内容 | 夏山ハイキング |
メンバー | L戸貝、近藤、落合、吉川、他1名 |
天候 | 雨のち晴れ |
2.行動記録
記録 | 吉川 |
日程 |
2020年6月20日(土) |
3.報告
戸貝さんとその同僚のHさんが「行ったことのない山へ行こう」と朳差岳への山行を計画。私もお誘いいただいて、参加させていただきました。
朳差岳の日帰りはただでさえ長いコースですが、特にこの時期は乗合バスが運行していないため林道歩きがさらに2時間プラス。コロナ自粛明けなのでちょっと早めの5時出発とし、早起きがつらい(?)戸貝さん、Hさん、私は登山口の近くで前泊しました。21時半ごろに到着してテント設営、夕飯も兼ねて飲み始めたらついつい盛り上がり、、、気づけば余裕で日付が変わっていて、翌朝4時起きを憂いながら慌ててシュラフに潜り込んだのでした。
翌朝、藪蚊の強烈な痒みと顔に当たる水滴で目が覚めると外は雨。予報では午後には回復するとのことで、山行は予定通り決行することにしました。ぼんやり朝食を食べていると近藤さんと落合さんが到着。テント組は雨の中の撤収に少々てこずり(まだ酔っ払ってた説あり)、当初予定の30分遅れで奥胎内ヒュッテを出発しました。
足の松尾根は(梶川尾根や丸森尾根に比べると)傾斜はさほどではないのですが、名前の通り複雑に張り巡らされた松の根が滑りやすく全員辟易。雨も途中から本格的に降ってきて、修行っぽいですね〜、なんて苦笑いしながら久々の山にゆっくりと体を慣らしていきます。休憩はなるべくこまめに取るようにして、昨日買ったばかりだという新品の雨具に身を包んだ近藤さんは戸貝さんと一緒に地形図の読み方を確認。眺望がないので皆さん俯きがちでしたが、Hさんがご専門の地質のお話をしてくださったりして、途中からはむしろ地面をしげしげと眺めながら、順調に高度を上げていきました。
ほぼコースタイム通りで着いた大石山はかなりの強風が吹き荒れていました。眺望ゼロでテンションが下がっていたので、ここで折り返すor頼母木までの往復をリーダーに提案してみたのですが、甘えた気持ちがお見通しだったのか?「気持ちが負けとる!」と喝を入れられあえなく却下。すがる気持ちで落合さん・Hさんの方をチラ見するものの、体力オバケのお二人は余裕綽々の表情。渋々、おにぎりでお腹を満たして朳差への縦走路へ踏み出しました。しかし稜線では風がさらに勢いを増し、初めて風で体勢が崩される感覚を味わって「完全に修行じゃないですか〜」と後続にぼやくもこれまた暴風で聞こえていない様子。もう喚いても仕方ないと悟り、ガスに包まれた鉾立峰の急登を勢いに任せて登ります。
鉾立峰に立ってふと振り返ると後続の戸貝さん・近藤さんが見当たりません。しばらく待機していると戸貝さんだけやってきて、近藤さんは気分が悪くなってしまい途中で待っているとのこと。後から聞いてみれば近藤さんはこれまで角田・弥彦くらいしか登ったことがなかったとか!それで飯豊の一角をここまで登ってこられたのですから、そのガッツには脱帽するばかりです。
鉾立から先はほぼ空身でラストスパートをかけました。6月の朳差岳といえば一面のハクサンイチゲが有名らしいのですが、もう時期を過ぎたのかまばらに咲いているのみ。それでも雨粒で透けた白い花びらは可憐で、山頂までのあと少しの道のりを後押ししてくれます。やっとの思いで着いた朳差山頂は残念ながらガスで眺望はありませんでしたが、ロングコース踏破と久々の登頂の喜びに「やっぱり来てよかった!」と気持ちは大満足。大石山で背中を押ししてくれた戸貝さんに感謝です。
朳差を発って鉾立峰を登り返し、無事に近藤さんと合流する頃には陽が少しずつ覗くようになっていました。大石山の木陰で昼食を取り、下山を始めると完全に天気が回復。強い日差しにセミまで元気に鳴き始めたので、いつの間にか完全に夏山シーズンになっていたことを実感しました。
長い長い下山路も、登りで見えなかった周りの稜線やアークテリクスのロゴのマネ選手権(?)を楽しんだり、落合さんの「本当にあった怖い話(痛み分けてください!)」を聞いていたらあっという間でした。18時、無事に奥胎内ヒュッテに到着。トイレ前の洗い場でありがたく靴の泥を落とさせてもらい、美人の泉で汗を流し、程よい疲れとともに帰宅しました。