飯豊連峰山スキー

山  名   飯豊連峰切合周辺

日  時   平成14年3月29日~31日

メンバー   CL本間-(文)、SL戸貝、矢尾板

行動記録

3月の切合周辺というと「爽快、豪快な山スキーのパラダイス」というイメージが私にはある。かつて20代の頃は毎年この時期になると切合小屋をベースにして山スキーを楽しんでいた。この数年は遠ざかっていたのだが、峡彩の山スキー技術もそれなりに向上し意欲的な会員も増えてきたので、それに応えるべく久しぶりにこの山行を計画した。なお同行のお2人には私の「イメージ」だけを吹き込んで半ば騙したような感じで参加していただいた。

 

3月29日

早朝新潟を出発、弥平四郎へ向かう。戸貝はいつものハイテンションは影を潜め、後部座席で寝ている。調子が悪そうだ。身支度を整え7:20に村のどん詰まりの林道入り口を出発する。林道は途中まで中途半端に除雪されており、スキーでは歩きづらい。 8:50に祓川の駐車場に到着し、奥川を渡り長坂峰への尾根に取り付く。ブナの広大な尾根を快適にシール登行して11:00に分岐へ到着。ここから松平峠の先までは痩せ尾根となっていて大白布沢側に雪庇が張り出している。スキーを外してつぼ足で通過したりで少々いやらしい。松平峠を12:00に通過し、疣岩山への雪庇を越え県境にでたのが14:10。この頃になって今までなんとか持っていた天気が悪化の兆しを見せ始めガスがかかってきた。ガスの中を会津山岳会のトレールにも助けられながら15:30三国小屋に到着。その直後に大雨が降り出し、間一髪で濡れ鼠にならなくてすんだ。雨は一晩中降り続いていた。

 

3月30日

朝6:00に起床。本間は絶好調、戸貝、矢尾板の調子はいま一つである。どうも昨日の登りが相当こたえたらしい。矢尾板曰く「このまま滑落して死んでしまいたい。」と思ったくらいきつかったらしい。8:30に三国を出発しベースとなる切合へ向かう。天候は回復に向かい青空も見えてきた。一歩進むごとにガスの中から山々が見えてくると心が踊る。切合には10:10到着。ザックを降ろし空身でスキー三昧と思って支度をしていると再び深いガスが覆ってきた。まったくやる気を削いでしまうガスだ。結局昨日の疲労を回復させるべく小屋でしばらくくつろぐこととする。 このまま回復は無いのかと思っていると夕方になってようやく視界が利いてきた。このチャンスを逃すまいと急いでスキーを履いて大岩沢源頭へ滑り込む。切合尾根のダケカンバや地蔵山が夕日に輝いてとてもきれい。わずか数分で沢底にたどり着いたが、至福の瞬間を味わうことができた。夜は3人と小人数でもおおいに宴は盛り上がった。

 

3月31日

5:30に起床。いつも一番に起床しているはずの戸貝がまだ寝ている。まだ疲労はとれていないようだ。計画は縮小して空身で草履塚からの滑降の後下山することにする。広大な草履塚のアイスバーンの斜面を思い思いのシュプールを描いて滑り降りる。過去のイメージではここは新雪のシュカブラで覆われていた。今は全体に5月上旬の雪の状態だ。これも温暖化のせいなのであろうか。荷物を回収し小屋を7:50に出発。 ガスに追いかけられながら下山を急ぐ。鬼リーダーと言われながらも2人を急き立てるように安全地帯へと急ぐ。三国岳を9:10、疣岩山を10:00に通過し長坂峰へ11:40に到着。あとは快適な祓川山荘までの広大な尾根の滑降を楽しんで弥平四郎へと向かった。帰りの車中では、戸貝のテンションが復活していたことはいうまでもない。

記:本間(F)