光兎山 [冬山]

1.山域・メンバー

山域・山名 光兎山
山行内容 冬山ハイキング
メンバー

L太子、木村(昌)、木村(俊)、山上

天候 晴れ

2.行動記録

記録

木村(俊)

日程

2026年1月18日

0800登山口 – 1240山頂 – 登山口1640

3.報告

 去年の月例会で、「来年の1月は光兎山に行くのはどうだろう。冬季にしか通れないルートがあるらしい」という話が出た。それ以来、自分は光兎山に行くのをとても楽しみにしていた。
自分が初めて雪山に登ったのは去年の2月、阿寺山だった。その時は天気が荒れており、雪山の醍醐味と言われることの多い美しい景色は見られずじまいだった。植物が好きな自分にとって、植物が観察できない冬季に山に登ることは、リスクと得られるものが釣り合わないのではないか、と感じていた。今回の光兎山では、「本当にそうなのか」を確かめたいと思いながら、その日を待っていた。

日が近づき参加メンバーも固まってくると、会長から今回の登山ルートの選択肢が送られてきた。ルートはA・B・Cの3つで、AとBは山頂を目指さず、山頂付近の尾根までのルートだった。すかさず「山頂を目指したいです」と会長にお願いし、結果的に山頂を目指すことになった。

会長が「頑張ろう!峡彩!!」と言っていて、「なんだか山岳会っぽくていいな」と思ったのを覚えている。

当日は会長を含むベテラン2人と、自分を含む若手2人の計4人パーティーだった。林道終点の民家に挨拶し、近くに車を置かせてもらうお願いをしてから出発した。前日に1人、登山者が入っていたようだった。

8:00にスタート。
しばらくは林道歩きだったが、前日のトレースがあり楽に歩けた。ただ、近日中に新雪が降っていなかったため、以前に降った雪が凍っており、少し歩きづらい場面もあった。

しばらく進み、遠くに砂防ダムが見えたあと、尾根への取り付き付近にある橋に9:00過ぎに到着した。

そこから急登をいくつかこなし、標高を200mほど上げると、植生もスギ林からブナ林へと移り変わっていった。痩せ尾根に出たのは10:30頃だった。

ペースは決して速くはなかったため体力的には余裕があったが、時間的には少し心配だった。痩せ尾根から山頂までは、まだ標高差で400mほどある。そんな中、ベテランのKさんが「このペースなら13:00には山頂に着けそうだよ。頑張れ」と声をかけてくれて、ほっとした。
所々で高度感も出てきて、後ろを振り返ると素晴らしい景色が広がっていた。期待がさらに高まる。雪庇の横を通過したり、痩せ尾根を進んだりしながら、11:20に679ピークに到着した。

そこから少し進んだ先、キタゴヨウがきれいに並ぶ尾根で少し休憩を取った。個人的には、この場所の景観が特に印象に残っている。真っ白な雪景色の中に、キタゴヨウの緑がよく映えていた。

ここから先は雪もふかふかで、気分は最高だった。山頂直下の最後の急登では、はやる気持ちを抑えながら一歩ずつ登り、12:40、ついに山頂に到着した。

そこには、とんでもない絶景が広がっていた。とにかく写真を撮りまくり、パーティーのみんなと登頂を喜び合って集合写真も撮った。しばらく山頂からの景色を堪能していると、空に雲が虹色に見える「彩雲」が現れた。以前どこかで珍しい現象だと聞いたことがあったので、これもまた夢中で写真を撮った。

十分に楽しんだあと、下山を開始した。雪が凍っており、登りよりも下りのほうが神経を使ったように感じた。同じ若手のYさんは、場所によってスノーシューを脱いで下っていた。

痩せ尾根に戻ってきた。実は往路で、会長はここで登るのをやめ、少し下の平坦なブナ林で待つ判断をしていた。会長曰く、「体力が落ちていて、このままではついていけそうにない。自分が原因でパーティーが遅れれば、遭難や事故につながる」とのことだった。
自分だったら、無理をしてでもついて行こうとしてしまいそうだ。しかし、こうした判断を即座にできることこそが、本当に大切なのだと実感した。(会長は普段、クライミング・沢登り・登山と何でもこなすタフな方で、前日に丸一日スキーをしていたので、その疲労が溜まっているのだろう。)
痩せ尾根から会長の姿が見え、Kさんがホイッスルを鳴らすと、会長も応えてくれた。姿が確認できて安心した。痩せ尾根を下り、ブナ林で合流すると、会長が雪を掘って掘り炬燵式の休憩スペースを作ってくれていた。

15:00、休憩スペースで少し遅めの昼食。
ここで事件が起きた。Kさんがカバンから昼ごはんを取り出そうとした際、手を滑らせてカップラーメンを斜面に落としてしまったのだ。「あー!」という虚しい叫びもつかの間、カップ麺は斜面を滑り落ち、そのまま谷へと吸い込まれていった。スルスルとかなりの距離を滑り、ついには見えなくなった。あまりの出来事に唖然とした。幸い別の食料があったので問題はなかったが、「キチョタン(貴重なタンパク質)」をああいう形で失うこともあるのだと実感した。

エネルギーを補給したあとは順調に下り、16:40に無事下山した。

登る前は、冬山登山は「リスクと得られるものが釣り合っていないのではないか」と思っていた。しかし、今回最高の景色を目にして、その考えは大きく変わった。冬山に取り憑かれたように登る人たちの気持ちも、今ならよく分かる。これからも安全には十分気をつけながら、そこでしか見られない景色を求めて、冬山を楽しんでいきたい。