鳥海山山スキー 雨・雨・晴れ(なれども風強し)[山スキー]

1.山域・メンバー

山域・山名 鳥海山
山行内容 山スキー
メンバー L伊藤(実)、SL太子、戸貝(美)、記録&運転木村
天候  

2.行動記録

記録 木村
日程 2021年5月2日~4日

3.報告

天気予報は、まっこと良くない! それでも2日の朝7時に西野Pに集合して北上を開始。

 当初の計画では、初日は低山ハイクで2日・3日目で大平コースと祓川コースで鳥海山を目指すとの事で軽登山靴も装備リストにあり、4人の荷物で1Boxの荷室満載でスタート。

どう考えても好天は期待出来ないので、高速に乗らず下道を進む。時折陽も差すが淡い期待はウインドゥに落ちてくる雨粒にかき消される。

運転は木村が担当し、今後のコースについては「ほらリーダー、どっか良い所ねぇか!」と4人の中で最年少の伊藤君に厳しい声が浴びせられる。

高速は無料区間のみを通行して酒田市内で買い出しに、地元スーパーは連休の巣ごもり需要なのか滅茶込混んでいた。我々も今日の山行は無しとしたので夕飯はごっつぉうを食べよう!という意識で買い物に真剣に取り組む!

いつもなら進む先にはたおやかな鳥海山が見えるはずなのだが、雲に覆い隠され何も見えない。

気持ちも暗雲に覆われ、濡れたテン泊は避けたいので、あぽん鳥浜のバンガローに立ち寄り予約状況を聞くと満杯との事。気を取り直してブルーラインで太平山荘を目指す。

登るにつれガスが濃くなり、山荘周辺は視界30mほどで気温は3度とますますテン泊の意欲を削ぎ、明日も無理そうなので大平コースは諦めて下る事とした。

楽して泊まりたい共通意識のもと、「リーダー、どっかバンガロー探せや!」との暖かいアドバイスを受け、伊藤君がスマホで祓川コースの林道手前の花立牧場のコテージのキャンセルを見つけたので、すかさず予約し毎年通っているルートを進む。

外は気温4℃だが、コテージはお湯も出て快適!おまけにコロナ対策の補助金があり1人当たりでは2,500円位となり、「やいっや、馬鹿良いねっかや!」との太子SLの声に一同深く同意。 荷物整理もそこそこにビール・酒・ワインと取り出して身体の中から温める。そこに太子さんが山菜の天ぷらを揚げてくれた。割烹仕込みの熱々の山菜の天ぷらがあればアルコールが進まない訳がなく、いつも以上に捗る事この上なし!

バンガローの名は氷の薬師

熱々の天ぷらが実に旨かった。他の山行でもお願いします!道具は嫌ですが食材は持ちます!

愚者の楽園

そんな中、太子さんにお孫さん誕生の吉報が届いた。コロナの関係で父親も病室に入れないとの事で爺ちゃんは暫く我慢のようだが、まずは目出度い知らせにもう一杯追加して就寝とした。

翌日も朝からガスって鳥海山は全く見えず、予報もダメなので早々に祓川山荘方面は諦める。

取り敢えず今夜の泊まりをどうするか? という事で「リーダー!」の一言で伊藤君が連泊を聞いてみるが満杯。「なんとかせいや」との声に、一段下がった南由利原のコテージを確保する。

次の課題は今日1日をどう過ごすか?となり、秋田市まで行き旨い海産物を食べよう!と。

「リーダー!」の一言で伊藤君がおいしそうな店をチェック、秋田港にそれはあるとの事。道の駅に立ち寄りながら秋田港を目指すが、お目当ての店は混んでいるのと思ったほどではなかったのでパスして隣の道の駅の海鮮丼を頂く。こちらも金が無いくせに口が奢った我々には不満足であり、帰りの買い出しで刺身を購入してコテージに戻る。

まずは太子さんのお孫さん誕生の乾杯からスタートして刺身・ベランダで焼肉と今宵も酒が進む。 天ぷら道具や薪まで用意した太子さんに感謝感謝。2日間は山抜きの飲んだくれとなってしまった。

なんと、缶ビールの裏を
小皿にして刺身を喰らう!賢者の智慧なり?

翌朝は晴れてはいるが、山頂はガスに包まれている。今日こそはとの想いを胸に祓川山荘を目指す。

林道に入るが例年に較べて雪が出てくるのが遅い。積雪は多かったが、3・4月に降雪が少なかったので雪解けが早かったようだ。

最後のカーブを抜け第2駐車場を見ると結構な台数があるので、上の駐車場を諦めて車を停める。

準備している間にも続々と車が上がって来る。みんな今日の晴天を待ちわびていたようだ。

が、しかし、七つ釜の避難小屋より上部はガスが勢いよく流れて頂上は見えない。相当風が強そうだ。

7時10分に登高を開始する。既に多くの人が上がっているが、スキー組はもとより登山組も多い。

連日の酒がたたり、まったり・ぐったりとしたペースでスキーを進める。途中でテンがひょこひょこと雪原を走り抜けていくのが見えた。上がるにつれて風が強まり、ガスが猛烈な速さで流れてゆく。

避難小屋付近では大勢の人が溜まっており、我々も距離をとって一息つく事とした。

相変わらず頂上は隠れているが気を取り直して登高を再開、頭上高くには太陽が輝いているのだが、山肌を這うようにガスが流れ視界も効かない。時折ガスの切れ間から日差しが差し込んで先が見通せるのだが、強風とともに雪の粒がバシバシと顔を叩く。

所々にある藪に身を寄せて風を凌いでいると、何人かが早々に滑り降りてくるが、おそらく頂上からではなさそうだ。途中でもシールを外して下降するパーティーもちらほらと現れてきた。我々もこの風は当分治まらないと判断し、1,700m地点でシールを外す事とした。風に飛ばされないようザックに仕舞い板を履こうとするが、気まぐれな突風に難儀する。

方向を見定め避難小屋まで下ると、太陽が顔を覗かせ暖かな空気に包まれる。あちらこちらで大休止しており、我々も習って大休止。時間は10時半とまだまだタップリとある。

太子さんが「ここから下は楽しんで滑ろてば! 先に下ってビデオ撮るて」と言い一足先に滑り降りてゆく。OKサインが出たので残りの3人がガスの切れた大斜面に華麗なる加齢なるシュブールを描く。

雪質は少し軟らかいが上々! 1名の見事な転倒シーンもビデオに収められた。

短い距離ではあるが鳥海山の雪面を楽しんで駐車場に戻る。撤収準備も大荷物のため、一旦全部出してスキーを下にして着替え・温泉道具・昼飯用具と積み込んで出発。戸貝さんが駐車場近くのまだ開いていないフキノトウをせっせと摘む。後日フキ味噌としておすそ分けを期待しながら、ココにあるよ、ココにもあるよと声だけ応援する。

南由利原まで下って駐車場の隅っこに車を停めて、お湯を沸かしてランチタイムとする。

太子さんの携帯に成海会長からメールが入っており、祓川の駐車場に来たけど新潟ナンバーが発見出来ずとの事。当初成海会長は前日の3日に合流予定であったが、悪天候なのでキャンセルとしていたが、今日晴天なのでバイクで来たとの事。降りる途中ですれ違わなかったので、ランチタイムの時に通過した模様。なんとか連絡をつけ、新車の650ccにまたがり成海会長が下ってきた。

短い時間ではあったが合流を喜ぶとともに、帰路の安全を互いに確認しあいバイクを見送る。 我々は象潟に下り温泉で汗を流し一路新潟へ。山は逃げない、また来るぞと思いを秘めて解散した。