阿弥陀岳・広河原右俣 [アイスクライミング]

1.山域・メンバー

山域・山名 八ヶ岳 阿弥陀岳・広河原右俣
山行内容 アイスクライミング
メンバー L戸貝、伊藤、吉川
天候 雨・雪

2.行動記録

記録 吉川
日程

2021年1月23日(土)

0830 船山十字路 – 1000 2010m右岸の滝 – 1200 武藤返の滝 – 1800 船山十字路

3.報告

赤岳鉱泉以外のアイスエリアの偵察を兼ねて、広河原右俣に日帰りで行ってきました。この日は南岸低気圧が通過とのことで八ヶ岳エリアは朝から雨。駐車場も出発の段階で我々含めて3台のみでした。

船山十字路から堰堤まで(約1時間)は広い林道が続き、歩きやすかったです。その先も勾配のゆるい登山道が続き、30分ほどでベースキャンプ適地の二俣に到着。水場は無い代わりに雪は豊富なので、燃料さえ多めに持っていけば快適そうでした。今日は右俣のクリスマスルンゼがお目当てだったので、そのまま右に向かって通過しました。途中、標高2010m付近の右岸に手頃なスラブ状の氷瀑があったので、まずはここで練習。戸貝さんがほぼフリーで登り、その後私が擬似リードでスクリューセットしながら上へ。終了点では支点のセット、セルフ、後続ビレイのセットなどを教えてもらい、そのまま今シーズン初アイスという伊藤さんをビレイ。伊藤さんが上がってきたら、今度は懸垂セットして下降。久しぶりでちょっとまごついてしまいしまいました。

2010m地点 無名の滝

その先の道は明瞭で、特に迷うことなく武藤返の滝の入り口まで行くことができました。道中は両岸が切り立っており、崖に空いた無数の岩小屋を見物したり、巨大チョックストーンの隙間をくぐり抜けたりと、初めてくる場所だったので新鮮で楽しかったです(地形的に予想していた雪崩の痕も多数あり、これには少しヒヤヒヤ)。

邪神像を崇める戸貝さん(岩小屋で遊ぶ…)
岩のトンネルを抜けて

武藤返の滝の入り口では1パーティが下降中だったので、ここで昼食。まるで越後のような湿雪に凍えながら待ち、1時半くらいから登り始めました。入り口の階段状の滝はリードをさせてもらいました。去年は簡単な滝をセカンドでも、怖くてなかなか登れませんでしたが、今回は着実にスクリューセットしながらトップアウト、自分で支点をセットして後続引き上げまでこなすことができました。簡単な場所とは言え、ちょっとは進歩があったかな?とうれしかったです。

1年経って恐怖心は無くなっていました

武藤返の滝は下部5mほどが垂直のシャンデリア状。最初は伊藤さんがリードでチャレンジしましたが、氷が硬いようで、もうすぐで垂直部を抜けられそうかというところで戸貝さんとチェンジ。戸貝さんも少し苦戦しつつ、奇声を発しながら(笑)トップアウト!湿雪の降りしきる中、寒さとの戦いだったようです。続く私はトップロープをセットしてもらいましたが、人生2回目のバーチカルで全くが歯が立たず。戸貝さんに縦爪アイゼンを貸してもらい、伊藤さんに後ろからレクチャーしてもらい、文字通り手取り足取り状態でした。最後の方は少しだけコツを掴んだように感じましたが、時間切れ&完全にパンプして終了。そのまま午後4時ごろヘッデン下山しました。

時間切れでクリスマスルンゼは次回に預けることになりましたが、新たなエリアの偵察に加えてリード・バーチカルの練習ができ、収穫の多い山行でした。

武藤返の滝