蒲生岳 [ハイキング]

1.山域・メンバー

山域・山名 蒲生岳
山行内容 ハイキング
メンバー L成海、太子、戸貝(美)、伊藤、近、吉川
天候 くもり時々雨

2.行動記録

記録 吉川
日程

2019年10月14日

0840 久保登山口- 山頂 – 久保登山口 1200

3.報告

 12日から秋田県森吉山への会山行(沢登り)の予定が、台風19号通過のため中止。代わりに会津朝日岳の日帰り山行になった、との連絡があり、ピンポイントで予定が空いていたので参加させていただきました。

 …ところが、やはり台風19号は福島側でかなり雨を降らせたらしく、只見に入ると流木が引っかかった橋桁や路肩が削れた道路などが次々と目に飛び込んできます。不安な予感は的中し、登山口に続く林道の入り口には「通行止」の看板が。地元の方に聞くと、大雨で林道が崩れてしまい、途中のいわなの里ではスタッフが孤立してしまっているとのことでした。

会津のマッターホルン

 林道を徒歩で通過する案も出ましたが、朝日岳の登山道も沢を渡渉する箇所があることから、安全を優先して中止とし、代わりに「会津のマッターホルン」という異名を持つ蒲生岳に登ることになりました。蒲生岳は只見にあるわずか標高828mの山ですが、マッターホルンの名の通りとても急峻でかっこいい山容をしています。山開きで登ったことがあるという近さんを先頭に登り始めると、初めはゆるい登山道ですが、徐々に傾斜が増し、岩場が増えてきます。ただしロープ・ステップ・ペンキ完備なので、注意していればそこまでの危険は感じませんでした。途中からは痩せ尾根に変わり、「家族松」「夫婦松」などの変わった松の木が楽しめ、やがて只見の街の展望がひらけます。およそ1時間ほどでやや狭い山頂に到着しました。

よく整備されています
山頂にて

 山頂でのんびりとご飯を食べていたら、またいやらしく雨が降ってきたので、記念写真を撮り早々に下山しました。下山路は鼻毛通しルートへ。こちらのルートには大穴が貫通している岩があり、かつて松の木がその穴を貫通していたのを鼻と鼻毛に見立てて「鼻毛通し」と呼ぶそうです。

鼻毛通し。中に入れます

帰りに私の希望で只見町ブナセンター(http://www.tadami-buna.jp/)に立ち寄っていただきました。ちょうど開催されていた地質の特別展によれば、蒲生岳は周辺の柔らかい緑色凝灰岩が侵食されて流紋岩が残った「残丘」と呼ばれる地形なのだそうです。特に只見地域では積雪が多いため、流紋岩が雪崩によって削られることであの急斜面の岩場が形成されるということでした。流紋岩は先日訪れた飯豊・梶川尾根の下部にもありましたが、確かに急峻な地形は共通するところがあるように感じました。

こちらの特別展は1月上旬まで開催しているそうです。常設展も森林の生物から豪雪地帯の暮らしまでを広くカバーした内容で、たいへん興味深かったので、ご興味のある方はぜひ。