吾妻/前川大滝沢 [沢登り]

 

1. 山域・メンバー

山域・山名 吾妻連峰
ルート 滑川温泉から大滝沢を遡行して往復
地図 天元台(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)小畑、都丸、戸貝(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 小畑
日程 2009/9/27(前泊) 曇り
タイム 9/13 6:42滑川橋-7:16滑川大滝-8:25ホラ貝沢出合-9:42古い吊り橋-10:30枝沢出合~11:30大休止-11:34登山道―12:40滑川温泉(下山)

報告

リーダーを任されるが、メンバーは技術も経験も豊富な二人。今回の沢も初遡行は私だけ。さながら、リーダー研修だった。

アプローチ

集合は計画では亀田アスパーク駐車場の予定だったが、ときめき新潟国体の会場ということで、駐車不可との情報を戸貝さんからもらい、戸貝邸に変更(18:00発)前日の9/24には天皇陛下も来新され、街は大賑わい。そんな話で盛り上がりながら、高速1,000円の恩恵をフルに活用し、磐越・新津IC~東北自動車道・福島飯坂ICまで、大周りで目的地まで向かうが、所要時間は3時間と早い(21:00着)。

宿泊は奥羽本線・峠駅の旧駅舎。線路はないが、屋根は残っており、風雨をしのぐには最適。都丸さんのナイスチョイス。ほかに数台の車が止まっていた。おそらく、車内泊組だろう。

我々はテント泊。テントは都丸さんにお願いした。ポールと幕がセットになった、ワンタッチ式。前泊には登山用テントよりキャンプ用テントの方が、設営も簡単で、広くて快適。アウトドアの総合力に、改めて感服。なんと、エアーマットも用意され、これも豪華。車のシガーソケット電源から、エアーコンプレッサーで膨らます本格的なもの。快眠が約束される。前泊の山行には前日の快眠こそが何よりのご馳走だ。

遡行内容

1)序盤

全般に目立つのは、大きな釜を持つ立派な「滝群」。スケールのある美しい「滑床」。硫黄分が交じっているのか「酸っぱい水」。その影響なのか「黄色い岩肌」。

当日は5:00起床。さっと、朝食を済ませて移動。「宜しくお願いします」の一言で、行動を開始する。天気は曇りで、気温は上がらないが、下は全員ウエットスーツだ

さっそく、滑滝の連続。傾斜がきついところはフリクション頼みとなる。今年からラバーソールの沢靴を履いているが、この沢では効果絶大だった。

滑川大滝までは約30分。大滝を眺めながら小休止とする。本当に大きい滝で、視界に収まりきらない。脇から急登だが立派な巻き道がついている。果たして登れないのだろうか?


最初の滝


ナメナメ


滑川大滝

2)中盤

ホラ貝沢出合の手前、明るく開けたところで2回目の小休止(8:14)。じっとしていると少し寒いので、ほどなく出発とする。ここから先は目まぐるしく様相を変え、飽きが来ない。3回目の小休止は1時間後、右からスラブの斜面が入ってくるあたり。


この滝は左右から登れる


端正な滝と釜


この滝は脆いので注意


裏見の?滝を登る


そろそろ滝場も終わり


へつりの腕試し

3)終盤

遡行図にあった古い吊り橋を見つける。ここから先は巨岩帯。私はこれが苦手で、足が疲れる。これを過ぎると、トヨ状の滑。都丸さんが楽しみにしていたウォータースライダーを全員で楽しむ。「苦あれば楽あり」とはこのこと?

これでおなか一杯。比較的大きな枝沢(1:2)の出合で大休止(10:30~11:30)。ここで、予定より早く、遡行終了とする。地形図をみると、もっとも登山道に近く、実際の所要時間も4分、藪こぎなし。

都丸さんの提案で、焚火をする。時間に余裕があると楽しみが増える。秋風の沢にはこれこそご馳走。

湯を沸かすため、「酸っぱい水で良いですか?」と尋ねると「ダメダメダメ!」と、二人から、真水のボトルを2本進呈される。各々、好みの酒で乾杯。


幻霧の吊り橋


水遊びタイム


火が嬉しい


古錆びたオブジェ

温泉

滑川温泉は乳白色の硫黄泉で、湯はなめらかで適温。露天風呂は混浴だが、ヒノキ造りと岩の二つがある。洗い場にシャワーはなく、沢登りで汚れた体を洗うのには少々やっかいだが、シャワーなどなかった時代を思えば、これも当たり前か?

感想

リーダーシップというよりはメンバーシップに支えられた山行となりました。

また、いつもは連れて行ってもらう立場ですが、今回は「リーダーという立場で沢登りをする」ということを考える良いきっかけになりました。少しずつ、リーダー力をつけていきたいです。

なお、リーダーを経験したことで、メンバーシップの大切さに気付きました。

そこで、昨今のツアー登山問題に考えを飛躍させると、プロのガイドがリーダーを務めていても、メンバーにメンバーシップがないため、アクシデントにもろいのではないか?という思いが湧きました。