1. 山域・メンバー
山域・山名 | 会越国境周辺 |
ルート | ふれあいの森から柴倉川~柴倉沢を遡行して柴倉集落 |
地図 | 安座(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | (L)都丸、渡辺(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 都丸 | |
日程 | 2009/7/20 晴れ | |
タイム | 7/20 | ふれあいの森9:50~柴倉沢出合11:50~柴倉集落15:15 |
ルート |
報告
【総評】下部は川幅全面に水が流れ、プールのような長いトロが随所にある。泳ぎの練習には丁度良いだろう。独特の飴色の水が印象的な川だ。左右岸から落ちるいくつかの滝は見ごたえがある。近くに車道があるとは思えない谷筋の深さで、深山に分け入った感が味わえる。棒目木集落付近から川幅は狭まりゴルジュ状になり水圧と戦いながらの遡行になる。へつり、飛び込み、泳ぎを駆使しする。難易度は水量次第というところだが、逃げ場が少ないのでしっかりしたリーダーの下で行動したい。柴倉沢出合から先は一層厳しく、私達は1m滝から先は見ていない。柴倉集落付近と入渓点に車2台を置けば時間を短縮できる。
トロ場が多いゆったりした流れの前半
3年ぶりに柴倉川を訪れた。今回は前日に多少の降雨があった。下流の常浪川はやや濁っているように見えたのでこれは難しいかなと思いつつ車道を走らせる。柴倉川は特に増水しているというほどではなく、その日は雨も降りそうになかったので入渓を決めた。以前は通行できた林道は柴倉集落終点で通行止めになっている。少し戻ると集落手前の車道脇に10台位駐車できるスペースがある。車を1台置いてふれあいの森に戻る。橋を渡り下流右岸の遊歩道(通行止めになっていたが普通に歩ける)を使って川底に下りた。朝方の雲は次第に青空に席を譲り、今日は暑くなりそうだ。
入渓点から先は両岸切り立った幅広の真っ暗なゴルジュでいきなりの泳ぎになる。今回は練習ということでロープは出さずそれぞれ自力で泳ぎきった。渡辺さんにはお試しのウェットスーツをお貸ししたがサイズが少しきついようだ。ゴルジュを抜けると日が当たるようになり、川幅いっぱいに流れる水に腰まで浸かったり、へつったり、時には泳いだりしながら快適に遡行する。両岸は険しく支沢の滝はスダレ状、ナメ状、直瀑といずれも落差があって見栄えが良い。
核心部は水流との格闘
位置的には棒目木集落の下辺りになる場所で両岸狭まるゴルジュになる。入り口のトロは前回はへつっていけたが今回は難しく泳いで右岸のテラスにたどり着く。続く釜は水中の流木を伝って越えた。鍬沢出合までは水勢激しい。胸位まで浸かりながら側壁にへばりついてじりじりと前進する。前回苦労した激流の釜は今回はやや浅くなったのか、割とあっさり抜けられた。
鍬沢出合のすぐ上にかかる流木の滝は逆に難しくなった。取り付きまでの流木がなくなってしまったので、泡立つ釜の側壁にハンマーを引っ掛け、水圧に耐えながら泳ぐ。流木に手が掛かれば後は楽だ。
ゴルジュは続き、流れはやや弱まったが長いトイ状のトロが続く。前回は概ねへつっていけたはずだが今回は何が変わったのかへつりが続かない。側壁のホールドを頼りにしつつ泳ぎながら前進する。途中の一手がなくなり力ずくで泳ぎきった。
アクシデント
柴倉沢出合手前に白泡の釜がある。中央に岩があり水流は岩を乗り越えながら大きく二条に分かれているようだ。右岸の壁をへつり、水中に少し足を突っ込んで落ち口へ抜ける。ホールドが遠く少し緊張した場面だ。渡辺さんが続こうとするが、水に足を入れるのを嫌ったのかちょっと難しいムーブになっているようだ。そう思った矢先、滑って釜の方に倒れこんでしまう。流される、と一瞬思ったがそうはならなかった。代わりに「痛てー!」の声。あわてて駆け寄り腕を掴んで引き寄せる。どうやら倒れた時に水中の岩に胸をぶつけてしまったようだ。かなり痛みがある様子だった。柴倉沢出合の岩棚の上で休む。痛みは続いているようで、アバラを折ってしまったのだろうか? 本来はこのまま本流を遡行する予定だったがとても無理なので中止にする。エスケープルートとしては泳ぎ下って棒目木付近の車道に出るのが近いが、泳ぎは無理のようなので柴倉沢を詰めることになった。結果的には3年前と同じルートということになった。
本流偵察
渡辺さんはしばらく休みたいとのことなので本流を偵察に行く。前回断念していた本流の小滝を見ておきたかった。まず出合の4mチムニー滝は釜を泳いでステミングで取り付き登る。続くトイ状の水流と釜は右岸から左岸へジャンプ。さらに流木が詰まって出来た2m滝は釜を泳いで右岸の壁にとりつきトラバースして落ち口に飛び降りる。そして続く1m滝。たった1mだが足は着かず手がかり乏しい。全く手が出ないというわけでもなく全身の突っ張りで抜けられそうなのだが、今回も一歩及ばず断念して退却した。
柴倉沢を詰める
柴倉沢に入ろうとすると滝の裏側あたりから鳥が鳴き声とともに飛び出してきた。壁に張り付いて動かない。カワガラスの類かと思ったがどうも違う。帰ってから調べたらアオゲラだった。キツツキの類がこんな場所で何をしていたのだろうか? 翼でも痛めたのか、カメラを近づけても逃げようとしない。気の毒なことをしてしまったか。
柴倉沢は出合にトイ状の5m滝がかかる。普段ならどうということもないだろうが渡辺さんは力が入らないようで苦戦している。上からロープで助けを出した。ゴルジュ内の5m滝は近づいて見れば水流の裏側にルートが見出せそうな気もする。もちろん今回は戻って左岸を高巻く。前回は手前のルンゼに入ったが、今回は草付きから直接ブッシュに上がった。懸垂下降で渓に戻る。
その後は問題になる場所はなく、右岸の支沢から柴倉集落に出て遡行を終えた。後半はスローペースになったが15時過ぎには車道に出られた。