1. 山域・メンバー
山域・山名 | 南会津/檜枝岐川黒檜沢(三ツ岩岳) |
ルート | 三ツ岩岳登山口から黒檜沢を遡行して新道経由で下山 |
地図 | 内川・檜枝岐(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | (L)都丸、渡辺(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 都丸 | |
日程 | 2009/7/12 曇りのち一時雨 | |
タイム | 7/12 | 三ツ岩岳登山口6:20~1400m二俣9:40~1950m付近登山道12:50-14:00~三ツ岩岳登山口16:00 |
報告
【総評】「花崗岩の美しい沢」と登山体系に記述されるように、開けた明るい沢である。序盤から滝が現れ、上流部の核心とともに滝登りを十分に楽しめる。注意が必要なのは上部連瀑の高巻き位で、全般に快適に登れる。中級者向け。
序盤から滝が連続
前日に小豆温泉入り口のスノーシェッド隣の駐車場で車中泊する。30台は余裕で停められそうな広い場所だ。登山口、入渓点ともすぐ近くにある。朝までに7~8台の車が来た。
翌日、6時過ぎに出発し黒檜沢にかかる橋から入渓する。入渓直後は樹林下で薄暗い。沢が左に曲がる箇所の4mに着くと朝日が流水にぱあっと差し込んで目が覚めるようだ。渡辺さんはとっとと左を登ってしまった。私はあえて右側から登り飛沫を浴びにいく。爽快だ。ナメの小滝を前衛に持つ7m滝は左壁を登りちょっと難しい。ゴルジュ内のチョックストーンの落ち込みを右からトラバースすると、先には傾斜の強い7mナメ滝が落ちている。右壁に取り付いて低く巻いた。登山道が横切る地点手前の7m滝は右岸を巻く。序盤からなかなか楽しませてもらった。
中盤はゴーロと雪渓
倒木のかかる12mくの字状ナメ滝は左右からそれぞれ勝手に登る。さらに倒木のかかる小滝2つ、トイ状の滝と手頃な滝が続いて楽しい。黒檜沢は全般に開けて開放的な渓相で、曇り空でも陰鬱な感じがなくて嬉しい。まとまった滝場が終わると中流部はゴーロが長い。ちょっと滑りやすい岩に注意して足を置く。
水の冷たさが感じられるようになると前方に雪渓が見えてきた。遠望する稜線直下にも雪が見える。この辺は上部斜面の傾斜が強く雪がたまりやすい地形なのだろう。取り付くのにちょっと苦労したが渡辺さんがステップを切ってこの日一番の(?)ムーブで雪壁を乗り越えた。アンザイレンして雪渓上を歩く。
核心の連瀑
標高1400mの二俣から先は勾配がぐっと強くなり核心の連瀑に入る。本流筋の左俣には出合に4段30m滝が掛かるが1段目は雪渓の下だ。雪渓の端から注意して泥壁を伝い、2段目直下に降りた。その2段目は左のクラック沿いにロープを出して登る。3段目・4段目は容易。その後も連瀑となり次々小滝を掛けて応接に忙しい。
切り立った側壁に圧迫されるようなゴルジュ内の3段の滝は登れないので巻きにかかる。左岸の草付きからブッシュ帯に入ってトラバース、露岩を登って再びブッシュに入り、ルンゼを越えて15m位の滝の上に降りた。初級者同行の場合、取り付きからブッシュに入るまではロープを使った方が良いだろう。最後の18mはいくつもルートが取れて楽しく登れる。
詰めはルート選びを慎重に
1750m付近で右から2本支沢が続けて入り、本流も2つに分かれる。事実上の4つ俣と表現しても良さそうだ。稜線上の登山道は1950m付近で逆S字状に曲がっている。一番右の支沢を詰めれば最短で登山道に出られると判断し、水流は少ないがあえて右側に入る。水は早々に枯れて窪状が続き、窪がなくなっても草付きと膝丈程度のヤブで植生は薄い。雪解け直後という条件の良さもあるのだろう。急登で息が切れるが効率よく標高を稼げる。稜線直下の雪田でビールを冷やすべく雪を採取、それにしてもつきまとうブヨがうるさい。ササ藪を5分ほど漕ぐと狙い通り登山道に出られた。
雨が降り出したので道脇でタープを張って乾杯した。邪魔になりそうだったが幸い登山者はやってこなかった。沢沿いの新道経由で2時間ほど掛かって下山した。