1. 山域・メンバー
山域・山名 | 飯豊前衛/内ノ倉川焼峰沢 |
ルート | 内ノ倉ダム~焼峰沢遡行~焼峰ノ頭~加治川治水ダム下山 |
地図 | 上赤谷・東赤谷(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | (L)中山、都丸(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 都丸 | |
日程 | 2009/6/29 晴れのち曇り | |
タイム | 6/29 | 内ノ倉ダム6:30~焼峰沢出合7:35~1037mピーク14:20~焼峰ノ頭15:00-15:55~加治川治水ダム17:00 |
ルート |
報告
【総評】距離は長いというほどではないが断続的に滝が現れ、一つ一つに時間を費やす必要があるので、日帰りだと長時間行動になる。ロープを出す場面も多い。トレーニング向けといった沢だ。大きな支沢がないので源流までなかなか水量が減らない。中級者向け。
序盤から結構大変
車は2台使い、下山口の加治川治水ダムに1台を置いて内の倉ダムへ向かう。内ノ倉川沿いの林道を歩くこと1時間位で焼峰沢の出合に着く。朝から快晴で暑い。本流も焼峰沢も水量は少ないようだ。
出合にかかる2m滝を越えるとすぐに4mの滝がかかる。右壁に垂れ下がる木を使って登ろうとするが足場が悪く苦戦、押したり引いたりで十数分、やっと登れたが時間と体力を浪費してしまう。次の10m滝を左岸から巻く途中、吐き気を催して食べたものを戻してしまう。出だしからヒートアップしたのが悪かったか? 右岸から支沢が入る地点で休ませてもらう。熱中症が疑われたので上着を脱ぎ水浴びして体を冷やす。スポーツドリンクを飲みながらゆっくり歩いている内に体調は回復した。
1mの滝というほどでもない落差が越えられずショルダーを使う。2mトイ状の滝は左右からそれぞれトラバース気味に抜けるがどちらも結構きわどい。私は右から行こうとしたがホールドにした岩がはがれて一度は釜にボチャン。小滝でも楽ではないのが飯豊前衛の沢だ。
2段6m、その奥に6m滝がかかり、ここは右岸から低く巻く。さらに7m滝はツルツルでとりつけず、上の4mと合わせて右岸を巻く。4mトイ状の滝は釜を泳いでもよし、縁をへつってもよし。やはり釜のある3m滝は泥が乗った右壁に取り付いてみたものの難しそうなので戻って左岸を巻いた。
核心のゴルジュ
標高500mの左岸の支沢が入るあたりから核心のゴルジュに入る。まず5mCS滝は中山さんが先行して中段まで上がる。落ち口へのスタンスがないのでショルダーではい上がった。4m滝は右岸を巻く。行く手はぎゅっと狭まりもう巻ける地形ではなくなった。ゴルジュ内には大きな流木が橋のように架かっているのが見える。気合を入れ直して歩を進める。
深い釜を持つ5mナメ滝は泳いだとしてもつるつるで取り付けそうもない。右岸を少し上がればトラバースできそうに見えたので、手がかりの少ないスラブを少し登ってみる。が、落ち口へは期待したバンド状ではなく草付きの急斜面だった。とてもトラバースする気にはなれずクライムダウン。行けるだけいってみようと釜の縁をへつってみる。流心部に近づくとやはり手がかりはなく足が出ない。なんとか突破口をと目の前の壁を見上げてみるとホールドはなんとか繋がっているようだ。しかしかぶりぎみで上の状況は不明。支点は取れそうもない。釜は深いので落ちても大怪我にはならないだろうと思い切って直上し、途中からトラバースしてなんとか滝上に抜けた。自分的にはこの日のハイライトだった。
続く6m滝は問題なく越え、流木のかかる7mCS滝に中山さんが取り付く。流木を利用して登ると、ひっくり返った流木の根がちょっとしたテラス状になっていておあつらえの確保支点を提供してくれた。ここから落ち口への2mほどがつるつるでフリクション頼みのため一歩に度胸がいる。チョックストーンの隙間にカムで支点を取り、これをA0に利用しつつ立ち上がれば意外とあっさりと越えられた。ゴルジュの入り口からここまで1時間30分ほどかかった。
やはり釜のある6m滝はまったく手が出ず右岸のルンゼから巻く、上にも滝があり(高さ不明)ヤブを漕いでいくと20m位の大滝、さらに8m滝と続きこの辺も登れそうにないのでそのまま巻いて8m滝の上に降りる。
道間違いもよくあること
核心は終わっても滝は続く。手がかり少ない2m滝は中山さんが先行して後から続くがスタンス乏しく難しい。2段10m滝は左岸を低く巻いて5mほどの懸垂で降りる。下半部が苔むした5m滝も結構微妙で確保してもらって登った。2段20m滝は記録(※)だと右岸を巻いているが、左岸のルンゼから巻いた方が楽そうに見えた。2mほどの枯れ滝2つを一応ロープを引いて登ると傾斜は緩み、古いナタ目のあるバンドから滝上に戻れた。
7m滝を最後に滝場は終わりゴーロの急登が続く。水流はみるみる細くなっていく。右岸の支沢に厚い雪渓を見た。本流には雪はないようだ。詰めはやや右よりにという意識があったせいか、850m付近で左岸側の支沢に入ってしまった。詰め上げた場所はヤブに覆われたピークで、はるか南方にそびえるは焼峰ノ頭と焼峰山。実際の距離以上に遠く見える。GPSの電源を入れなおして現在地を1037mピークだと確認する。仕方なく尾根沿いに下っていくと赤テープのある廃道に出た。廃道を使って以蔵沢の源流部に降り、源頭からヤブを漕いでようやく登山道に出られた。
※童人トマの風の記録と遡行図を参考にさせていただきました。