1. 山域・メンバー
山域・山名 | 飯豊/門内沢 |
ルート | 飯豊山荘~丸森尾根~文覚沢源頭~扇ノ地神~門内沢~飯豊山荘 |
地図 | 長者原・飯豊山(1/25000) |
山行内容 | 山スキー |
メンバー | (L)渡辺 (峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 渡辺 | |
日程 | 2009/5/30・曇り時々晴れ | |
タイム | 5/30 | 飯豊山荘5:30~地神山10:00~文覚沢源頭部~扇ノ地神11:50-12:30~石転び沢出合12:45~飯豊山荘14:55 |
報告
今週末も天気巡りには恵まれず、出掛けて行ったのは近場の飯豊。「東北アルパイン日誌」さんの報告を参考に、丸森尾根から門内沢を目指した。前回の石転び沢から3週間が過ぎたが、果たして門内沢には快適な雪が残っているであろうか。
飯豊山荘~丸森尾根~文覚沢
昨日の夕方は新潟から大日岳が見えていたので、ガスが晴れるチャンスが何回かは有るのではと、出発時点での期待値は20%くらいで今日はダメ元だ。荒川沿いの渓谷には黒々とした雲が掛かり、越後金丸で小雨となる。どうせ降るならジャジャ降りの方が、諦めも付いて有り難い。
県境で雨は止み、玉川沿いの県道は乾いたままである。さっきのは通り雨?と恐る恐る長者原に進むと、頼母木の残雪と稜線が見えた。どうやら20%の方を引き当てた模様である。
山荘の車は5~6台、隣のスキーヤーと話をして丸森尾根に取付く。急登であったが、先週も担いでいるので体は意外と楽であった。目線が隣の湯沢峰と並び、後ろの倉手山が眼下になる。無風の登りは汗が滴り、この辺からガスも漂い始めた。見上げる先は乳白色、スキーは無駄だし無理でもある。長者原で見た頼母木山は騙し絵だったか。
3回目の雪で兼用靴になる。う~む、やっぱり楽、さっさと履き替えれば良かった。予想外に風が無く、視界も無くなり、登ることの外にやる事がない。行っても滑れる保証は無く、今日はこの辺が一番の我慢どころであった。
丸森峰の下からガスが取れ、見る見る間に晴れ上がった。稜線を、青空を背景に雲が千切れて飛んでいく。やっぱりこの景色、来て良かった。ガスは1200m付近で滞留している様子、頭上は高層の雲が有るものの明るく、どうやら今日は門内沢はともかく、ご褒美の文覚沢も滑れそうだった。
地神北峰から文覚沢へは雪の付き方が今一つ、登山道で地神山へと向かう。スキーで来ているのだけれど、稜線歩きが新鮮で意外と楽しい。新潟方面は晴れ、山形は雲海の下、飯豊連邦は北股岳から北方が見えた。先週の本山は、残念ながらガスの中。
地神山で1本抜いて、文覚沢を眺める。ここで時間を食って門内沢に着いたらガス、と云う展開はご勘弁なので、扇ノ地神寄りの斜面を行く事にする。梶川峰から扇ノ地神の稜線からも文覚沢に落ちるラインが何本も見え、傾斜の具合などはそちらの方が面白そうに思えた。
地神山直下の急斜面をやり過ごし、右寄りに進路を変える。残念ながら既に縦溝で、数ターンをすると広大斜面は終わり沢状となった。こうなるともう登り返したいのだが、支尾根は藪で乗越しも出来なく、沢型にまかせて1550m付近まで下った。どうも右に振ったのが失敗、時間を惜しまずに地神山から直線で行くべきであった。
26日付の「門内沢は快適」と云う報告が有ったので、文覚沢の縦溝は意外であった。沢底でシールを着けて、扇ノ地神に向かう。今日は初めてのシール歩行、スキーの担ぎが無くこのロケーションなので、登っていても楽しい。
扇ノ地神~門内沢~飯豊山荘
扇ノ地神に着けば、門内沢が一望である。素晴らしい斜面、やはり門覚沢とはスケールが違う。ここから北股岳直下1940mまでの間、どこから滑るのも自由、どこから行っても最後は一緒、クラックやデブリの類はどこコースからも無い様に見えた。今日は2本持参、地神山で1本抜いて残りは1本。ここからスタートして出合で残りを楽しむのも1案であったが、門内沢本流の合流地点に今一つの不安があった。視界の有る内に滑り込むのは大切な戦略だが、先の地神北峰からの稜線歩きが楽しく、しばらく歩いてオーソドックスに門内小屋下からのコースを目指すことにした。
扇ノ地神から稜線をゆったりと闊歩、シールなので起伏は全く気にならない。やがて上空の日差しが遮られ、沢中にガスが湧き始めた。10分ほどの出来事で、周囲はもう白一色である。丸森峰で晴れ上がり稜線が隠れたのはこれが最初、まだチャンスはあると思っていたので余裕はあった。
適当な場所があったので足場を掘って、雪を取り水を作る。最近は行動食のみが多かったので、ラーメンを作る炊事も久しい。時折ガスも取れ、様子見に炊事場と雪堤を往復したり、雪に埋めたビール缶を冷やすべくクルクル回したりと、稜線で過ごす時間は忙しく楽しい。2本目が空きラーメンも飲み干す、さあ、門内沢だ。
直前に北股岳が見える。今春の見納めだ。小屋からは、テレマーカーが滑走を始めた。スキーを着け、稜線を小屋方面に移動、門覚沢は縦溝であったが、果たして門内沢はどうか。
ここには雪が残っていました。広大で長い、素晴らしい。縦溝は成り始め、それを補う広さと傾斜、沢底に吸込まれるロケーションも宜しい。
中間部からは落石が目立ち始め、下部1/3はデブリのやり過ごしで滑りにならず。それを差し引いても、この時期にこれだけの雪が残っているとは、門内沢は良かった。
石転び沢出合は大石が現れ、前回から1.5mほど融雪が進んだかと思う。稜線は既にガスの中、石転びに4人の登山者が見える。出合から200mほどスキーで下り、雪渓末端の崩落を見て登山道に合流した。
感想など
- このコース、門覚沢には地神北峰から滑るのが合理的な道取りかと思う。今日は雪と時間が不足していた。
- 門覚沢の縦溝は意外。それを補う門内沢の滑降で、良い雪が残っていました。
- 個人的に、滑りでは門内沢が石転び沢を上回る。特に北股直下からの左股は魅力的。
- 今シーズンの飯豊スキーはこれで終わり。終わってみれば5月は飯豊に3回でした。
- 石転び沢出合までの登山道は、小国山岳会の整備により快適に通行できました。3週間前にも歩いていますが、スキーが引っかかるストレスが全くありません。