越後三山/水無川西不動沢左俣 [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 越後三山・八海山周辺
ルート 水無川キャンプ場~デトノアイソメ~入道岳~大倉口下山
地図 八海山(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、中山(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2008/10/13 晴れ
タイム 10/13 駐車場7:00~デトノアイソメ8:40~登山道14:50~千本檜小屋15:50-16:25~大倉登山口18:30

報告

水無川は過去に滝沢・オツルミズ沢と入っていて、この西不動沢が3つ目になる。記録の少ない沢で、登山体系の大雑把な記述だけを参考にした。

林道を極楽尾根登山口まで歩き、そのまま右岸のへつり道に入る。割と新しい足跡があった。連休中に本流にでも入ったのだろうか。さすがにこの時期になるとデトノアイソメには雪はまったくなく、明るく開けた河原が広がる。

不動沢はすぐに西と東とに別れ、目的の西不動沢に入った。小滝をいくつか登り、沢はゴーロの急登でどんどん高度を上げていく。右岸から水量の多い支沢が2つ連続する滝をかけて合流している。登山体系で「二俣と誤りやすい」としている支沢はここのようだ。少し行くと10m滝がかかる。直登できそうな感じもするが、ここは右岸を高巻く。上の5m滝は登り、続く12m滝は右岸を低く巻き、上部の数mは左壁を登った。


1)序盤


2)奥に滝が見える


3)巻きの途中から


4)明るい


5)右俣出合

右俣との二俣に着く。ここまでずっと急登が続き、10月というのに体は暑い。朝の陽がたっぷり当たる沢筋は明るく、稜線を区切る秋晴れの空と斜面の紅葉がさわやかだ。

右俣は奥に大滝が見える。左俣は出合に5m滝がかけ、左壁を登った。上部は地形図上のゴルジュ帯にあたり、次第に両岸が立って大小の滝をかける連瀑帯に入る。トイ状滝の水線に足を突っ込んで登ったり、微妙なフェースの弱点を突いたりと登攀を楽しむ。小難しい5m滝を登ると、すぐ上に手がかり乏しい10m滝がかかる。シャワーを浴びて取り付けば中段のバンドまで行けそうで、中山さんリードでロープを伸ばす。2mほど登り、クラックにカムをセットし、効きを確かめていたところでカムがすっぽり抜けてしまう。バランスを崩した中山さんがグランドフォール。この時は大事はないようで再び取り付いて今度はバンドに乗るが、その上は厳しく結局敗退、ロワーダウンで降りて左岸の巻きになった。


6)直瀑


7)この辺から連瀑


8)次々滝を掛ける


9)この滝は登れず


10)核心後のナメ滝


11)詰めが近い


12)草付スラブ状の滝


13)水はほとんどない


14)山中の小さな池


15)稜線の紅葉

10mナメ滝を越えると核心は終わり、ゴーロの中にナメ状の滝をいくつかかけるといった渓相になる。詰めは草付とブッシュが混じったスラブの中をスダレ状に落ちる50m滝で、ルートはどのようにも取れる。源頭は湧き水になっていきなりヤブ漕ぎに突入した。この辺りから中山さんが脇腹の痛みをさかんに言い出す。どうやら肋骨を折っているようだとのことで、この場ではどうにもできないので先頭でマイペースで登っていただく。

急斜面から岩峰を越えると斜面は緩やかになる。すると別の枯れ沢が左から入り込んで源頭が小さな池になっていた。入道岳から北東に伸びる尾根が北側に見え、その下がはっきりした沢筋になっている。どうやらこちらが本流筋だったようだ。斜面をトラバースしてその枯れ沢に入り、しばらく登る。入道岳の東面は崖になっているので避け、登山道まで標高差80m位の場所で尾根に乗ってヤブを漕ぐ。シャクナゲやマツが繁茂したきついヤブでなかなか進まない。わずかな距離に30分ほどかかってしまい、ようやく登山道に出た。周囲はガスの中で展望は良くない。

じっとしていると寒いので千本檜小屋まで降りて休憩することにした。迂回路を使い1時間で小屋に入った。大倉口までの下山は半分駆け下ったが日没には追いつかずヘッデンを点けた。中山さんには先頭を行ってもらったが、転んだりする時にかなり痛むようで、苦悶の声を聞いているこちらも苦しくなってくる。ともかくなんとか18:30に大倉口に下山した。

後はデポしておいた自転車でクルマを回収するだけ。どうせならと左岸のサイクリングロードを走る。しかししばらく走ると道が完全に崩壊して通行不能になってしまっている。引き返すのも時間がかかりそうだ。視線を左に向けると、月明かりに照らされた川向こうに車道が見えてなんとか行けそうだ。スリングを自転車にかけて護岸の上から吊り降ろし、自転車を担いで本流を渡渉する。そのまま車道に続く草ヤブの土手を無理やり上がり車道に出られた。

ルート図