1. 山域・メンバー
山域・山名 | 北アルプス・白鳥山 |
ルート | 坂田峠~金山谷15m滝手前まで遡行~坂田峠 |
地図 | 親不知(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | (L)太子、都丸、小畑(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 都丸 | |
日程 | 2008/7/20 曇り時々晴れ | |
タイム | 7/20 | 坂田峠先の林道終点8:05~長尾谷・金山谷合流点9:30~15m手前15:00-15:30~鉱山道15:40~林道終点16:30 |
報告
青海川の金山谷は下部に顕著なゴルジュ帯を持つ。中流部は穏やかなゴーロとなり、源流部は連瀑で高度を上げて北アルプス最北の白鳥山に突き上げる。去年5月に太子さんに誘われて下部ゴルジュの上の方で入渓していたこの金山谷だったが、今回は下部ゴルジュだけの日帰り遡行で再び訪れることになった。
坂田峠から金山谷へ
坂田峠の白鳥山登山口をそのまま通過すると、車道の終点にクルマ3台ほど駐車できるスペースがある。長岡ナンバーの2台の間に駐車した。スタート時は少し雨が降っていたが歩き出すと収まった。地元の人が使っている作業道(枝道がたくさんあるので迷いやすい)を通って鉱山道に入り、30分ほど歩いて長尾谷の支沢に下降する。長尾谷を少し下ると金山谷の出合となる。
たっぷり時間をかけてゴルジュを楽しむ
ゴーロを数分歩くとトイ状の7m滝がかかり、ここは右岸を簡単に登る。3段15mの滝はまず太子さんが泳いで(1)チョックストーンの間から1段目、2段目と続けて登る。3段目もいけそうなので都丸が左壁をシャワークライムで登る(2)。1箇所、スリングを突起に引っ掛けて足場を作った。取り付きは水飛沫が多く目を開けていられないほどで、持ってきたゴーグルが役に立った。なお途中で打ったハーケン1本が効き過ぎて残置になってしまった。
続く4mの滝は右壁にボルトが連打してあり(3)、太子さんリードで本格的な人工登攀になった。アブミからトラバースに移る一歩がいやらしい。続いて4mCS滝。右壁から登れそうな気配なのでロープを引いて探りに行く(4)。左壁の取り付きがつるつるで手がかりに乏しい。瀑心から突破を試みるが、滝の真下に来ると水圧で息ができないような状態で追い返されてしまった。再び左壁から、今度はハンマーを使ってなんとかはい上がり水流の裏を通過する。右壁はチョックストーンとの間がチムニー状で、下部のハングを乗り越せばなんとかなりそうだ。専ら太子さんがルート工作し、美味しい所だけ頂いた都丸がカムとハーケンを使ったA0で乗り越える(5)(6)。今回の核心だった。
小滝をいくつか越えると深い釜を持った4mナメ状の斜瀑に突き当たる。取り付きさえ越えれば問題なさそうなので、ここは小畑にリードをやらせてみた。どんどん経験を積んでもらいたい。残置されていたハーケンはフォローの時に抜けてしまった。
L字淵の意外な弱点
相変わらずのゴルジュの中を進んでいくと見覚えのある景色になった。去年下降したL字淵の手前だ。2m滝がかかりその上で水流は左に曲がる。前回は左壁をトラバースしたがアクアステルスのフリクション頼みで際どかった。死角になっている水流の右からならいけるかも? ということで釜を泳いで偵察に行く(7)。半島状の岩に上がって落ち口を観察すると、あつらえたかのように窪んだ棚があり問題なくいけそうだ。白泡の中におそるおそる足を突っ込んでわずかに泳ぎ棚にはい上がれば後は容易い(8)。滝上はさらに3mの滝がかかり水流は右に曲がる。釜にかかる流木を利用してとりつき、水流のすぐ右側を直登した。
ロープを使う滝場はこれで終わり、小滝と淵をいくつか過ぎると奥に15m滝が見えてくる。時間も頃合なので遡行を終わりにした(7)。小滝の釜で軽く泳いで汗を流した後に乾杯した。左岸の支沢を数分登ると鉱山道に出る。鉱山道は釣り人や地質調査の学生なども利用しているらしく、良く踏まれていて歩きやすい。終了点から下降点までは歩いて25分程度だった。距離的には大して進んでいなかったことになる。駐車場までも1時間弱だった。