下の沢川(五頭・大蛇山) [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 五頭山塊・大蛇山
ルート 下の沢川~大蛇山~石間登山口下山
地図 出湯・馬下(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、鈴木、武者(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2008/5/11 曇り
タイム 5/11 磐越道高架下7:35~堰堤上部(入渓)7:50~大蛇山13:50-14:30~石間登山口16:00

報告

沢登りは初めてでも意欲たっぷりの2人を連れて行くのに適当な沢はどこかということで検討した。既に小倉沢あたりでも雪はないという情報を聞いていたのでそこでも良いかと考えた。しかし今回経験者は私一人。先週遡行している下の沢川なら細部を把握していて危険箇所やルートが良く分かるということで、二週連続で同じ沢に入ることになった。

沢登り第一歩

クルマ一台を林道終点の石間登山口に置いて支度する。天気は薄曇りでポツポツ雨が落ちるような天気で肌寒い。もう一台を磐越道脇のスペースに置き、川の左岸につけられた林道を歩く。樹林に入り、堰堤を巻いて河原に下りて遡行を開始した。鈴木、武者、都丸の順番で歩く。しばらくはヤブっぽいゴーロ歩きが続く。30分もしないうちに武者さんがヒイヒイ言い出し座り込んでしまった。おいおいと思いながら様子を尋ねると、汗だくで水が飲みたいとのこと。暖かい方が良いかと思って貸したウェットスーツが仇になったようだ。その後も何度か同じような場面になり、結局武者さんはスーツの上は脱ぎ捨て、疲れもあるようなので荷物の一部を預かることにした。

小滝が出てきて谷が狭まってくると沢登りらしくなる。2m巨岩CS滝は水流の奥にクラックがあり、ジャミング気味に右足を突っ込むと体勢が安定して立ち上がれる。まず私がやってみせ、鈴木さんがトライするが失敗。上からアブミを下ろそうかと準備していたら、何度目かの挑戦で鈴木さんがフリーで上がってきた。武者さんは難しかったようでお助け紐で引っ張り上げることになった。

2段12mの滝は左岸をまとめて巻く。まず足でしっかり立つこと、枝をつかむ時は生きた木かどうか確認すること、枝に体重をかける時はなるべく2本以上の枝を同時につかむことなどを注意点として挙げる。沢に戻った後も釜のあるナメ状の小滝が続く。日当たりが良いせいか水際にヌルゴケがついている滝が多い。2人を先行させてまずは好きなように登ってもらい、駄目そうなら先行してお助け紐で引き上げる。釜に滑り落ちる分には怪我の心配もないだろう。


よっこらせ


2mCS滝


15m滝はロープを出して登る

核心を抜けて源流へ

核心に入り12m滝が現れた。ここは取り付きからの数mさえこなせば後は問題ない。高度感があり確保したい場面なので、私が空身でロープを引いてまず登る。懸垂下降で降りてから2人に結び方(インクノット・エイトノット)のレクチャーをして登り返す。中間武者、ラスト鈴木の順番で確保して登ってもらった。続く5m滝は左壁を登り、二又上の8m滝は中間尾根から巻く。

後半に入る頃に鈴木さんの動きが鈍ってきた。聞くと手先の冷えで力が入らなくなってきたらしい。そうするうちに1mほどの小滝を巻こうとして滑り落ちた。立ちすくんで動かなくなる。膝を打ったと聞いて心配したが、しばらくして動き出しほっとした。武者さんは対照的に後半になると動きが良くなり、先頭でヒョイヒョイ登っていく。ただ自分の体力というかペース配分はまだ良くわかっていないようで、あまり快適とはいえない場所でいきなり休みたいと言い出すような格好だった。

源流部の5m滝はスタンスが細かく少し難しいので、ロープを出して確保して登ってもらう。2度の高巻きを終えると水は消える。10分程度のヤブ漕ぎで稜線について握手した。今回、初めての沢登りで緊張や疲れがあったようで沢中では休憩は小刻みに取った。それにしても2人は初めてにしては動きは良かった。遡行6時間はまずまずのタイムだろう。

大蛇山で50分ほど休み、登山口まで1.5時間で下った。登山口に置いたクルマでもう一台を回収して解散した。歩いても10分程度の距離だった。


ナメ床を行く


バランス良く


トイ状のナメ滝


源流近い