1. 山域・メンバー
山域・山名 | 飯豊/石転び沢 |
ルート | 国民宿舎~飯豊山荘~石転び沢~梅花皮小屋 |
地図 | 長者原・飯豊山(1/25000) |
山行内容 | 山スキー |
メンバー | (L)渡辺(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 渡辺 | |
日程 | 2008/4/26・晴れ後雨 | |
タイム | 4/26 | 国民宿舎6:30~飯豊山荘7:25~石転び沢出合9:40~梅花皮小屋12:25-13:00~温ミ平14:00~国民宿舎15:30 |
報告
金曜の午後から天候が回復して、土曜日の午前中くらいは晴上る様子。ならば近場で勝負と、年に一度は訪れたい石転び沢に行く事にする。飯豊山荘への林道は開通前で歩きとなるが、これは体力と時間の話で気にはしていなかった。それよりもこの時期の入山は初めてなので、温ミ平から入渓点までのコースを的確に判断できるのかが心配であった。
新潟~飯豊山荘~石転び沢出合
自宅を3:50に出て小国に向かう。飯豊山荘への林道歩きがあるので、5:00に出発したかったが、少々遅れたようだ。越後金丸に差し掛かる手前で渋滞、前方からパトカーが来たので引き返して話を聞くと事故であった。「レッカーが来ないのでどうしようもない」と云う事で、天気は午前中だけだし林道の歩きはあるしと、今日は半分諦めムードになる。二王子や鳥海山への転進を考え始めているとレッカーが通り過ぎ、登山口の出発のリミットを7:00としてレッカーの後を追った。
レッカー車の仕事は早く、渋滞の最後尾に着いたらもう片交で流れ始めている。警察の説明も判り易く、世間はGWムードだけれども早朝から事故処理にあたる関係者の仕事振りに接して、到着時間が遅れたのは全く気にならなくなっていた。
長者原に着く頃には完全に晴上り、何度訪れても素晴らしい景色が飛び込む。この天気が持つまで稜線に着けたら最高であるが、と気合を入れて出発する。
林道は除雪が終わっている模様、すぐに水芭蕉が現れる。正月のダイグラ尾根(中退)の記憶も懐かしい。
路面の濡れている箇所は凍結していて歩きにくい。ここはまだ標高300mチョイだけど、凍結するのか?大体、この標高でこれだけ雪が残っている場所は無いのだけれど。左からの落雪を警戒しながら、飯豊山荘に到着。
湯沢の橋は出ていたが、あとは雪原である。右からのデブリ跡を何度か越して温ミ平に到着、稜線が見えてモチベーションが上がる。
砂防ダムの階段を上がり、ここから入渓点までのルートが不安であったが、雪を頼りにそのまま進む。最初の段丘の末端が近くなり、さて登山道の道型が判るかなと思い始めると、沢が埋まって来た様子。段丘の末端では本流が埋まり切ってもう150mくらいが過ぎている。本流に降りると沢中で多少の起伏が感じられたが、クラックなどは無く大丈夫と判断した。折れ枝が煩いのでうまい水の対岸まで歩いて行き、スキーを着ける。何とここからスキーで行けるとは、藪を交しながら登山道を歩かなくても済んだのはラッキーであった。
沢中の起伏がこれまで経験と違う感じを持ったが、雪量は中心部でも数mはある筈で、クラックや凹みなど崩壊の前兆を見落とすまいと気を付けて歩いた。滝沢・梶川を過ぎると全く問題無く、もう頭を使うことも無い。単純に右足を出し左足を出す、それを続ければ稜線に着ける。
門内沢もいつか行ってみたい沢、下部にデブリが出ている様子であった。
石転び沢~梅花皮小屋
北股岳や稜線が見えた。気温が上がり、時折日当たりの良い右岸からブロックが落ちる。天気と時間が許せば、ほん石転び沢にもと色気が出る。
ほん石転び沢の下部はデブリが少々、上部はスベスベに見えた。時間はともかく、雲が出て来た。今日の天気もここまでであったか。
北股沢出合で、天気は終わり。雲もネズミ色の雨雲になった。沢はクラックこそあるが、最初の雪庇を交せば何とかなるかもで、門内沢・ほん石転び沢、と進んだら課題にしたい。
最後の登りはツボ足で行く。新雪が若干あり、縦溝の凹部分を埋めていた。滑りの障害にならなければ良いが。
北股岳を右に見ながら、最後の登りは一向に進まない。ザラメの雪もフィルムクラスとになり、小雪が降ってきた。小屋が見えてからがまた遠い、雪に一度隠れてご対面、もう弱い吹雪であった。
梅花皮小屋~国民宿舎
あっと云う間に冬景色、2Fの入り口から小屋に入りビールで乾杯した。ビールはそのまま飲んだがやっぱり冷やした方が旨い、僅かな手間を惜しんだばかりにと少し後悔(反省)する。この天気でほん石転び沢は無くなった、迷っていたので諦めがついてサッパリする。
小屋を出ると大日岳とご対面できた。最後の所で運が残っている。
ビールは飲んだ、大日岳も見た、さあ後は滑るだけである。
最初の緩斜面を降り、北股の出合に向かってGO!雪質最高、極上のザラメであった。斜面のデコボコや新雪は問題ではなく、ショート・ロングとターンも好きなように出来る。一人なのでどんなに声を出しても構わないのも良い。交通事故で通行止めを食らった時はお先が真っ暗であったが、来て良かった。
北股沢出合一休み、そこからほん石転び沢出合までは楽しめた。あとは斜面が緩んで降りるだけだが、午前中の天気が物を言ったか雪が適当な溶け具合になっており、それなりに快適だった。うまい水でスニーカーを回収して、折れ枝が煩いのでシールを着ける。登りはスキーを背負って歩いた道もシールで下れば楽である。砂防ダムの前後だけスキーを外し、飯豊山荘までシールで歩いた。
飯豊山荘の1Fで大休止、スキーをザックに括り着ける。もう天気も小雨、落雪を警戒しながら林道を戻った。
感想など
- 林道開通前だったが、それを補って余る滑りでした。今時期の方が面白いと思う。
- アプローチの容易さは特筆で、スキーを交しながらの登山道歩きが無いのは感激した。
- 課題も多く、門内沢・ほん石転び沢・北股沢である。
- 今年あと1~2回行けば雪渓崩壊の過程が追えて、沢中で不思議だった起伏のヒントが判るかもしれない。
- スケール・展望・滑り、やっぱり飯豊は最高です。