1. 山域・メンバー
山域・山名 | 上越線沿線/越後駒ケ岳 |
ルート | 石抱橋~道行山~百草の池~越後駒ケ岳~百草の池~白沢~石抱橋 |
地図 | 八海山・奥只見湖(1/25000) |
山行内容 | 山スキー |
メンバー | (L)渡辺・都丸(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
記録 | 渡辺 | |
日程 | 2008/3/23・晴れ時々曇り | |
タイム | 3/23 | 石抱橋8:10~柳沢9:55~道行山10:50~百草の池12:20~駒の小屋13:45~山頂14:05-14:20~1763m14:30-15:05~小倉山手前鞍部15:30~柳沢16:55~石抱橋17:25 |
GPSログ | 国土地理院発行の2万5千分の1地形図(八海山・奥只見湖)を使用 |
報告
越後駒ケ岳には2年前の4月15日に出かけている。長丁場であったが、山の展望・スキーの滑り・深山らしい静寂な雰囲気、と申し分の無いコースであった。ただ、山頂直下の縦溝斜面が上手く滑れず、次回はシルバーラインが開通したら直ぐに行こうと考えていた。
今年は3月に入ってまとまった降雪が殆ど無く、シルバーラインも3/20に開通した。開通後の最初の週末、好天が約束された日曜日に2年前の再トレースを行うことにした。
道行山まで
朝、待ち合わせに遅刻してしまい、シルバーライン入口で前回より1:20分の遅れになった。銀山平でトンネルを降り、石抱橋に向かう。雪量はやや少ない模様で、別荘地で迷うことも無くて今日はすんなりと到着した。出発時点での遅れは約1時間、先客の2台の車はもう登高中であろう。
橋の上の平坦地をそのまま進んでも、北ノ又川が近付き崖になるため左手の林道に向かう。林道には最後20mほど登るのだが雪が付いているのは1箇所だけで、たしか前回は何処からでも登れたような、と思い出す。正面に中ノ岳・左に荒沢岳と、景色がすこぶる良いのでアプローチも退屈しない。左手の別荘地を見送ると骨投沢で、すぐに北ノ又川が白沢と分かれる。駒ケ岳が見えると間もなく柳沢出合いに着いた。
柳沢の右岸尾根から道行山に向かう。2本目の支尾根に取付こうと柳沢を進むが、高みに上りすぎて結局最初の支尾根に取付いてしまった。まだ北側は固雪なので、日当たりのある南側を絡む。上部から予定の2本目の尾根を観察すると、やはり2本目の方は尾根が広くて楽そうであった。支尾根を登り上げると1064mで、道行山まではもう一登り。直下にはクラックが1箇所見えるが、通過には支障が無いように見えた。
銀山平も眼下になり、問題のクラックが近付いて来る。雪は数mだが分断されており、坪足で通過した。そのまま急尾根を上り、緩んだところでスキーを着ける。道行山まではあと僅か、荒沢岳の眺めが素晴らしい。
道行山~山頂まで
道行山から70mの下り、苦手なシール下りも今日は転倒しなかった。下山予定の白沢源頭を観察しながら行くが、問題は無さそうである。小倉山は直下をトラバースして、白沢へのエントリーポイントを探しながら進む。帰りに道行山に登り返すのは避けたいので、観察にも力が入ると云う訳だ。正面から駒ケ岳が迫ってきた。何やら人が動いているらしい、4~5人が駒の小屋から降りているのが見える。この辺は緩い登りで、下りのパーティはドンドン降って来るのに、こちらは山に中々と近付かず頑張り所であった。百草の池の手前で一休み、風が出たのでジャケットを着ける。振り返るとこれまで歩いた工程が、魚沼の山並みの中に見渡せた。
百草の池で先行パーティと擦れ違う。頂上まで行って来たとの事で、どの顔も幸福感に満ちていた。我々はと云うと、もう正午を廻り頂上は微妙な時間である。1763mの登りは見えている間が切ないのであって、取付いてしまえば頑張るだけ、一登りである。20日に降ったのであろうか、新雪も出てきて斜面は2色刷りとなり、登りは楽が出来たがこれでは滑りがダメだろう。ここの滑りがこのコース最大のウリなのに、ああ勿体無い。
ピークから駒の小屋の基部に移動すると、ここで見たクラックは深さ5m以上の亀裂であった。崩壊するまでは幾つかの前兆を経るかと思うが、こんなのに転落すると一大事である。小屋の基部取付きで、相棒が足の痛みを訴える。今シーズンから山スキーを始めたばかりなので、靴が馴染んでいないのか。また私が遅刻して焦らせた所為もあろう、オーバーペース気味だったかも知れない。あと30分で頂上だが、ここでリタイヤとして一人で頂上に向かう。
小屋の直下を坪足で登り、再びスキーを履いて最後の登り。雪面は縦縞こそないが、新雪と旧雪の2色刷りだ。割と分かれているので、滑走が困難な程ではない。
小屋の付近は風があったが、何故か段々と緩む。2年前もこうだったような。最後は右から廻り込み、八海山とご対面、山頂に到着だ。
山頂~石抱橋まで
乾杯は合流してからと云う約束だったので、速攻で下山開始する。1763mに黒い影、相棒がカメラを構えているかも知れないので、転倒をしない様に。小屋直下の坪足斜面は、右に入ると快適なザラメだった。このまま沢通しで降れれば幸せなこと申し分ないが、北ノ又川本流が降れる訳は無く、稜線に戻る。登りで見た亀裂5mのクラック帯を慎重に越す。相棒と合流して乾杯、う~ん、やっぱり山での乾杯は良いなぁ。
時間に押されてやむなく出発。今日は快適では無いけれど、転倒しても危険がない。写真を撮り合いながらの滑りは、山スキーが2回目の相棒にとって、丁度良い休憩を挟みながらであった様子、雪質が悪いのでテレマークターンが拝めなかったのは残念であった。
2色刷りの茶色い斜面を選べば、快適なターンが出来る。1色刷りのザラメなら、快適な滑りだったろう。もうこの時期は、新雪に降って欲しくなかったのである。相棒も調子を掴んで来た様子、後は白沢の源頭部をこなせば問題ないと、この時点では考えていた。
小倉山の手前から白沢に降りる。ザラメの重雪で、相棒に転んでも構わないが「体を山側に倒すように転べ」と言う、重雪で足を捻っては大変だ。程なく沢底に到着、まずは第一関門を突破した。
前回の残りの関門は、20mの大滝が1箇所と、下流で水流の出ている滝が1箇所である。20m滝は埋まっていたが水線はデブリがあり、右の小尾根を越えて下った。続いて沢通しを進むと、微妙な登り返しを繰り返すようになる。どうやら前回よりも積雪が少ないことがハッキリとして来た。水流のある滝を右岸からクリヤして、第三関門も通過した。ただ、孔が大きいのは明らかで、果たして最後まで雪が繋がっているのか、この先に第四の関門があるのかが最大の関心になった。
水線通しで行くことが困難になり、へつりを交えながらの下降になる。白沢本流が右岸から出合うが、沢底は開いていた。右岸を50mほど上流に進むみ、充分に埋まった所で沢を渡る。此処からゴルジュ地形に入り、いよいよ雪は少なくなった。所々に孔が開き始めては塞がり、ブロックの崩壊も出てきた。小規模だが新しい。「登り返すなら、やばくなる前に」と言い聞かせた。第四の関門があった訳である。今日の相棒は、スキーこそ発展途上中だが山の経験は申し分無い。私が詰まってから登り返しても、一緒に付いて来る体力・技量は充分で、判断に余裕が持てて助かった。
先が開けて雪が増え、前方が明るくなった。どうやら核心を抜けた様子である。右岸に支沢が出合い、豊富な雪量で上っていた。シルバーラインが18:00で閉まるので、ここからは時間との戦いである。
ヒールをフリーにしてとスピードを付け、先を急ぐ。柳沢出合いの手前で白沢本流から水が取れそう、時間も目処がついたので、一息入れた。水が旨かったのは、沢中の核心で汗をかいたためもあろう。スタートから前回よりも雪が少ない兆候はあった訳で、何事もなく降りれて良かったと反省する。この辺の判断は難しく、経験を積み上げて糧にしたい。今回はタフな相棒に感謝であった。
柳沢からは往路を一歩き、北ノ又川と再会して、最後は林道から景気よく(20m)下る。振り返ると山には雲が掛かり始めていた。
感想など
- 時間的に無理があった(遅刻が原因)と思う。
- それでも付き合ってくれた相棒に感謝。しかも私だけが山頂に行ってしまって・・・。
- 下りを道行山経由にすると、0.5~1.0時間余計に掛かると思う。次回は道行山経由~柳沢か、百草の池~白沢本流を行ってみたい。
- 今回の白沢下部(小倉山から)は崩壊が進み、来週は難しいと思う。道行山直下は坪足でしばらく問題ないと思う。