奥志賀/雑魚川下流部~外ノ沢 [沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 奥志賀(上信越国境)
ルート 切明~雑魚川遡行(一部)~外ノ沢遡行~烏帽子岳~切明
地図 切明・岩菅山(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、小畑、山田(峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2007/10/6-7
タイム 10/6 切明8:50~巡視路下降点11:20~雑魚川入渓11:50~外ノ沢出合14:30~曲がり沢出合(BP)16:50
10/7 BP6:45~1:1二俣8:10~登山道13:35~休憩13:40-14:50~切明19:30

報告

外ノ沢遡行だけの予定だったが、途中で雑魚川本流の下流部を含む遡行に変更して長時間行動になった。アプローチについての調査不足は反省しなければならない。

本流は沢登りの対象というほどではないにしても、水量豊富でナメが美しい渓相でゆっくり歩いてみたい川だった。時間に余裕があるなら発電所から本流を釣り上がって外ノ沢に入るといったルートを設定するとバリエーション豊かな山行になるのではないだろうか。

今回はロープワークを重点的に習得する予定だったが、時間的な余裕がなくなったので基本的な事項に留まった。繰り返しやって覚える部分もあるだろうからまた機会を作りたい。

巡視路途中から本流に下降

切明の雄川閣に駐車して吊橋を渡る。200m余りの標高差を上がり、発電所の上部水槽施設をくぐり抜ける。登山道を少し上がると巡視路が右に分かれる。踏み跡程度のへつり道で、道は細くヤブが覆い被さる部分も多い。ザレ場をトラバースするような箇所もあり緊張する。地形図上では点線が繋がっているが巡視路としては機能していないのだろう。マムシ沢を渡る地点は斜面が崩壊して道が消え、枝を伝ってガレ場を下るような有様。1228m標高点東の2本の沢を渡るところで山田さんがタイブロックを拾った。

尾根を回り込み、相変わらずの道の悪さにうんざりしてきたころ、小畑の「本流に下れるのでは…」の声にその気になる。標高差は約150m。緩い斜面なので苦労は少ないだろう。川沿いは岩マークがあるので懸垂になるかもと思ったが、上手くヤブのつながるラインを選んで河原に降り立てた。

本流のナメを堪能する

切明発電所から外ノ沢出合までの中間よりやや手前で本流に降りた(1)。水量は多く両岸立っているが遡行に困難はない。腰位までの渡渉とへつりで通過していける(2)。釣り師が多いのも納得で魚影は濃い。ゴルジュの奥にかかる20m滝は水量の多さと落差から迫力十分(3)。とても取り付きようがなく右岸の高巻きになった。落ち口から下を見下ろすと、どれほどの深さか見当もつかない巨大な釜が眼下に広がっていた。

ゴルジュを抜けると広い川幅全面にナメが続く美しい渓相になる(4)(5)(6)。時折見られる小滝はやはり幅が広く、写真で見た魚野川の○○ゼンを連想させる。外ノ沢出合に着いたのが14:30頃。予定より大幅に遅れてしまったが、本流の綺麗なナメを楽しめたのでまあ良いかという気分にさせた。


(1)入渓直後


(2)へつる


(3)奥に大滝が見える


(4)小滝


(5)ナメ


(6)ナメ

曲がり沢出合で泊まる

外ノ沢に入り、時折ナメ滝のある静かな沢を遡行する。入渓者が多い沢なのだろう、ゴミが所々に落ちているのが残念だ。取水口を越えると水量が増えて滝にも迫力が出てくる。10m滝は右壁を登れるのだろうがロープが必要になり、時間短縮のため左岸を巻く。

足早に遡行を続け、薄暗くなる17時前にようやく曲がり沢出合についた。そろそろ幕場を決めなければならない。曲がり沢を覗くとちょうど良い平坦地が右岸側に見つかり、今晩の宿と決めた。整地してツェルトを張り、流木を集めて火を起こす。こうした共同作業は沢登りの最も味わいのある儀式みたいなものだ。夜は寒い時期になったので各自がシュラフに潜り込んだ。軽量化最優先で薄っぺらのシュラフだった私はなかなか温まらなかったが、他の2人はぬくぬくだったらしい。

外ノ沢を遡行して稜線へ

朝から良い天気だ。平凡な河原を行く。登れない滝は容易に巻ける。ネジレナメ滝(7)の上からはこの沢で最も美しい部分、樹林に囲まれた緩やかなナメが続く区間に入る(8)。最後の大ナメ滝(9)に至るまでヒタヒタと歩き登れる。ただ、意外と滑りやすい部分が多かった。

二俣からは平凡なゴーロで次第に急登になる。そのうち水はガイド通りに伏流して消えた。まっすぐ立ったシラカバに囲まれた景色は越後の沢では見たことがなく新鮮に写る。水流が復活して5m滝(10)を越えるともう一つの見せ場、3段40mナメ滝(11)が現れて歓声が上がる。ロープを出して確保の訓練などしながら登る。上の二俣に着き、左俣の滝を見てみると直登できそうなので、このまま左俣を行ってみることにする。滝上はまた滝のかかる二俣になり水は枯れそうだ。中間のルンゼを登ろうとしたところ、ホールドにしようとした石がボロボロ崩れてきて撤退。巻くのも時間がかかりそうなので、結局下の二俣まで戻ることにした。1時間の寄り道になってしまった。本流を詰め、笹薮を30分ほど漕いで登山道に出た(14:40)。


(7)ネジレナメ滝


(8)ナメが続く


(9)大ナメ滝


(10)5m滝


(11)3段40mナメ滝


(12)下山

下山

ヘッデン下山は確定した。メールで仲間に連絡はできたので慌てることはない。稜線で1時間休み、日暮れて夜道になった登山道を切明まで下る。19:30に下山した。