折居川南俣沢 [行方不明者捜索・沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 五頭・松平山
ルート 折居林道~折居川・南俣沢~山葵山~魚止滝
山行内容 沢登り
メンバー L大江、松原、小畑(峡彩山岳会) 稜線支援…長谷川(L大江の友人)

2. 行動記録

日程 2007/7/8
タイム 6:00 松岡駐車場
7:30 砂防堰堤
14:20 稜線
16:10 魚止滝駐車場

報告(小畑)

今回は4月22日に遭難した方の捜索山行だった。残念ながら、一つも手がかりを見つけられず、空振りに終わる。

終日晴れ。前日に招集がかかったスクランブル山行となった。(5:40)一足早く駐車場に着く。すでに、ご家族の方々がいらっしゃった。L大江到着後、挨拶。その後、リーダーから概要とルートの説明を受ける。下山地点にL大江の車を回送し、松原、小畑の車で折居林道ゲートまで行く(7:00)。準備をして歩き始める。地図で現在地を詳細に確認しながら、入渓地点を探す。林道分岐を右に少し行くと脇にバイクが1台置かれていた。先行者がある模様。この付近の砂防堰堤より入渓となる(7:30)。

8:00先行者に追いつく。釣り人だ。ここで、一本目の休憩。事情を話し先に進ませてもらう。水量はやや多く感じるが、柔らかい日差しが降り注ぎ、桂の木を中心とした豊かな森だ。8:45二本目。水量は少しも衰えることなく、中州を挟んで流れが2本になっている。二手、三手に分かれ、振り返りながら淀みなどを捜索する。ゴルジュを抜けると1本目の滝が現れる。

踏み跡にそって巻く。巻いていると2本目の滝を見つける。まとめて巻くことにする。ところが、深いルンゼが入り込み巻きが容易ではないので、一端降りることにする。そのとき、藪からルンゼへ松原さんが滑落する(9:05・365M)。幸い怪我も無さそうで、腕でつくった大きな丸が見える。念のため、L大江がボディーチェック。問題の滝はL大江がトップでのぼり、セカンドからはロープを出してもらう。

砥沢を過ぎ、山葵山直下の沢の手前で三本目(9:45)。結構長く感じる。捜索しながらの遡行は容易ではないことを知る。

山葵山への支沢を過ぎると、核心と思われる連瀑が現れる(10:10)。巻き始めると次々に巨大な滝が姿を現し、全部で80mほど、ロープを出しての大高巻きになる。11:30稜線支援の長谷川さんと無線で交信。ようやく下降点も見つかり安堵感。

11:35核心を越えると嘘のように、流れは穏やかになり、その後も捜索を続ける。足跡が見つかった沢筋へ最後の詰めにかかる。水量は激減したが、ヌリカベのようないやらしい3m滝がいくつかある。ショルダー+ハンドパワーで強引にのぼる。

沢の脇は雪渓になり易そうな枯れ沢がいくつもある。捜索ポイントではあるが、何の手がかりも得られない。

水が枯れ、ルンゼをいくと藪こぎらしい藪こぎなしに、明るい稜線にあがる。残雪期であればこの沢筋へ足を向けるのもうなずける。

ほどなく、長谷川さんと合流し、支援のお礼をいう。山葵山で慰労会を開いてもらう(15:15)。

感想

緊急招集だったが、大江さんの豊富な経験と迅速な準備で少人数ながら、捜索活動が実施されたことは何よりよかった。

捜索中心の遡行のため軽量化をはかり、装備は20mロープ。単調に詰める沢だという前情報だったが、現場は違った。

大江さんは「40があれば…」と何度かつぶやく。20mでは判断にかなりの制約があったようだ。

稜線直下はダラダラとした斜度で、沢をいくつも越えて奥深くまで入り込む可能性は十分考えられる。次回の捜索に期待したい。