下の沢川(五頭・大蛇山)[沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 五頭連峰・大蛇山
ルート 下の沢川
地図 出湯・馬下(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸(単独、峡彩山岳会)

2. 行動記録

日程 2007/5/3 晴れ
タイム 5/3 磐越道高架下(出発)8:30~堰堤上部(入渓)9:00~15m滝10:35~上部二俣11:50~稜線13:10-14:30~磐越道高架下(下山)16:25
その他 ルート図

報告(都丸)

下の沢川は五頭連峰南面の大蛇山を源頭とし、石間集落を抜けて阿賀野川に合流する。近年まで稜線上に登山道がなかったので、五頭の沢ではマイナーな部類と思われる。2年前に一度遡行しており、きちんと記録をとっていなかったので復習を兼ねて再遡行した。他の山域と比べると積雪量も少ないだろうという目算もあった。

ナメ滝の多いヤブ沢

R49から石間集落の農道に入り、磐越道の下を抜けた川沿いのスペースに駐車する。宝珠山への登山口に続く林道は右岸支川沿いに続いているが、途中で鎖が張ってあり通行不能(4月末まで閉鎖とのこと)。橋を渡って下の沢川左岸沿いの道を進む。今は草木で覆われた堰堤工事用だったろう道跡を、ヤブをかき分けながら歩く。堰堤のバックウォーターを越えて入渓する。

下流部は平凡な川原が続いて魚影を時々見た。最近まで登山道がなかったせいか、入渓している人は少ないのかもしれない。左岸に古い取水管の残骸が残る。進んでいくとナメと小滝が続いて感じがいい(1)。2m巨岩チョックストーン滝は水流が二条に分かれて左壁沿いのチムニーがルートになる。空身になって体半分シャワーを浴びながらロープを引いて登り荷上げする。清涼感のあるスダレ状の2段10m滝(2)は左岸を巻く。この後から両岸ゴルジュの核心部になって高巻きは難しくなる。楽しめる小滝をいくつか越えるとこの沢最大の15m滝(3)。右壁の取り付き付近は滑りやすい。3mほど上がって水流を横切り左壁の乾いた凹状を登る。高度感があるので慎重に。右岸から支沢が流入し、2m滝の奥に見えるトイ状の8m滝(4)は右岸を巻く。その他にもナメ滝や釜のある小滝での微妙なへつりがあったりして楽しめる。


(1)奥に2mCS滝


(2)2段10m滝


(3)15m滝


(4)奥の8m滝は巻く

源流部の連瀑帯

源流部最後の二又は水流がやや少ない右に入る。左俣は2年前に遡行しており、大きめの滝がいくつかあった割に難所はなかったと記憶している。右俣は期待以上に面白かった。小粒ながらも4~10m規模のチョックストーン滝やナメ滝が次々現れる連瀑帯で、どれも登れるか登れないか微妙な判断が要求されて面白い。全般にホールドには乏しく、バランスとフリクションを駆使して登っていく。

まず6mCS滝(5)。左右壁とも登れそうだが岩にもろい部分があり微妙なところだ。少し戻って左岸のルンゼから巻く。続く8mCS滝は傾斜はそれほどでもないが滑りやすいため左岸を巻く。10mのトイ状ナメ滝(6)は見た目に綺麗でたやすく越える。10mナメ滝はフリクションで登る。小滝の後の2段10滝(7)は流木を利用してとりつき、唯一とも言えるポケットホールドに手を突っ込んで中段にはい上がる。流木のかかる8m滝(8)は右岸の巻き。巻きは合計3回だったが、いずれもロープを出してじっくり攻めれば直登は可能だろう。懸念していた雪については、源頭近くになってようやく薄い雪渓が出てきただけで通過に支障はなし。

大蛇山から宝珠山経由で石間方面へ下山。途中、子供連れを含む登山者数パーティーとすれ違った。


(5)6mCS滝


(6)10mトイ状ナメ滝


(7)2段10m滝


(8)8m滝

■参考資料

峡彩ランタン会. 五頭山塊の沢(ラテルネ第8号別冊), 2002.