1. 山域・メンバー
山域・山名 | 会越国境・沼ノ峠山 |
ルート | 柴倉川鍬沢左俣 |
地図 | 安座(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | 都丸(L、単独)(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
日程 | 2006/9/9-10 晴れ | |
タイム | 9/9 | 御前ヶ遊窟駐車場7:50~入渓8:00~シジミ沢出合10:20~左俣出合12:10~沼ノ峠山14:10-14:30~送電線巡視路17:00~柴倉川渡渉点手前18:30(BP) |
9/10 | 出発7:00~林道8:00~柴倉集落8:40~御前ヶ遊窟駐車場(自転車利用)9:10 | |
その他 | ルート図 |
報告(都丸)
鍬沢支流のシジミ沢スラブは御前ヶ遊窟への登路となっていて、静かなこの山域ではそれなりに歩かれているようだ。シジミ沢は上級者向きの一般登山道扱いになっているものの、どうみてもバリエーションの部類だと思う。それはともかく、今回は鍬沢を遡行して沼ノ峠山に詰めてみたので報告する。
下部ゴルジュからシジミ沢出合まで
御前ヶ遊窟登山口に駐車し、5分ほど歩くと鍬沢徒渉点に着く。道は右岸ぞいに続いている。今日は沢登りが目的なのでここから入渓する。タツミ沢出合周辺まではナメとゴーロが続く。水流に削られた奇岩・奇瀑が面白い(1)。次第に両岸ゴルジュ状になり、最初のトロはへつりで、次の釜は左岸のバンドに乗って越える(2)。さらに両岸狭まり圧迫感が増してきた(3)。小滝をいくつか越えると深い釜をもつ6mCS滝にぶつかる(4)。泳げばとりつけるかも? と見たが単独ではやる気にならず、引き返して右岸を巻く。高巻き中に道に出てしまい少々興ざめ。ゴルジュの切れ目から渓に戻る。釜のある5m滝(5)は、右岸から剥離した大岩の裏側に回り込んでもろい壁を登る。この辺りから登山道が沢床に近づく。
ゴーロが多い本流。源流部は小滝とスラブ
シジミ沢出合の滝から上は開けた河原になった。日当たりが良く暑い。しばらくゴーロが続き退屈する。ようやく出てきた5m滝(6)は右壁を斜上する。2mナメ滝は手前に釜があり、右岸を巻いて懸垂下降する。二俣までは滝は少なくゴルジュにもならずほとんどゴーロ。アプローチしやすく遡行が簡単なためだろうか、魚影は薄い。
1:1の二俣を左に入り、さらに上流の二俣を左へ。沼ノ峠山に直接上がるルートに入る。チムニー状5段10m滝、続く2段8m滝と楽しく登れる(9)。その他いくつかある小滝はほとんど直登できる。水が細くなりそろそろ終わるかなというころになるとスラブ状の草付きになってきた。逃げ場所を確保しながら慎重に登る。源頭の荒れた草付きを右に逃げて樹林に入り、少し登ると沼ノ峠山に着いた。
核心? の長い藪こぎから下山まで
登山道がない沼ノ峠山に人が訪れることは滅多にないだろう。山頂付近は森閑としてもの寂しい。樹林下で少し休んで腰を上げる。山頂付近は広い尾根で見通しがよくない。うっかり福島側に降りかけるも、藪斜面を斜めトラバースしてなんとか目的の県境尾根に乗った。沼越峠へ向かって下降を開始する。スギ、マツ、シャクナゲ、ナラ、イヌツゲなど高木低木がコンビネーションを組む密藪が行く手を阻み、下降といえども楽ではない。途中、岩峰や馬の背、ザレ場があり慎重に通過する。左手には「八人岩」をはじめとする菅倉山東面の壮絶なスラブが見える(10)。アップダウンを繰り返し道に出るまで2時間半。へろへろになって着いた途端に倒れ込んだ。
送電線の巡視路をたどって下山する。鉄塔に向かう分岐が数箇所あるので注意が必要。18:30ごろ沢床に着く。既にヘッドランプをつけるほど暗くなっていた。このまま下山する時間はあるが、もう改めて登り返す気力体力はない。日程は二日分とってあるので、ブナ林の台地でツェルトを張って一晩を過ごすことにする(11)。
翌日、林道に出るまで1時間、柴倉集落まで40分、集落にデポした自転車に乗って駐車場まで30分の行程だった。帰り道でリスに会う。クルミをかかえて木に駆け上がる姿が可愛い。集落手前の林道脇の崖はトップロープで岩登りのトレーニングをするにはちょうど良いロケーションである(12)。よくこんな場所に道を通したものだ。