~ 高山植物を訪ねて ~ 白馬岳(2932m)[尾根]

1. 山域・メンバー

山域・山名 北アルプス・白馬岳
山行内容 尾根
メンバー L.成海 伊藤 実 伊藤 静 戸貝 内山(記録)(峡彩山岳会)

2. 行動記録

日程 2006/7/22~23
タイム 7/22 8:20猿倉荘…9:15白馬尻山荘…9:40大雪渓…13:00雪渓終り…14:20テント場
7/23 5:50テント場…6:30白馬岳…7:15三国境…8:05小蓮華山(30分休)…10:00白馬大池(40分休)…11:25天狗の庭(55分休)…14:00蓮華温泉


猿倉荘出発!

落石のある大雪渓を登る

 

報告:内山


2553mお花畑


山頂直下お花畑


ガスの中の白馬岳山頂


コマクサ


大雪渓土砂崩落の跡


天狗の庭成海さんと合流

大雨の影響か猿倉の駐車場は車がまばら。外に出ると涼しく雨はあがっている。白馬尻小屋でさきほど雪渓上部で崩落があったという情報が示され、わが隊も注意して行きましょうと確認。軽アイゼンをつけて大雪渓に乗る。雪渓は石転びほど左右が迫ってなく広やかで傾斜も緩やか。ルートが雪の上に赤い印で示されている。

2時間弱歩いた頃でしょうか。土砂崩落の末端があり、ヘルメット姿のパトロールの人達が注意を促しているのに出会う。土砂や泥の上の通過が近づくと慣れない人がいるらしく渋滞気味。やや急な所に加え雪渓の割れもあり急いで通過すべきところで大変消耗した。大雪渓から岩混じりのジグザグ道に上がると待望の花々が迎えてくれる。クルマユリが一際目を引く。森林パトロールのおじさんがシロウマアサツキがあるよと教えてくれた。しかし一番難儀な所でゆっくりお花を観ることが出来なかったので残念だった。一山越えて小雪渓に出ると水平トラバースで楽になる。雪渓歩きが終わると川原のような道で両端がお花畑になった!この頃には青空も稜線も白馬槍も時折見え、のんびり気持ちのよい歩きを楽しむ。ミヤマキンポウゲ・シナノキンバイ・ハクサンイチゲ・ミヤマオダマキなど。頂上宿舎周辺では青いもっこりした見慣れないウルップソウ。コイワカガミもあり色とりどり。テント場は風の通り道でテントが飛ばされそう。張り綱を頑丈にした。他に7張り、小屋も空いているようで小屋の人がコロッケを売りに来た。

翌日は曇り、ガスの中を歩く。白馬山荘の横のレストランは山の上とは思えないほど立派だった(覗いただけ)。白馬山頂は眺望ゼロ。降られないだけ良しとする?新潟県側がすぱっと切れ落ちているのだけ分かった。花も有るのだけどガスの中でぱっとしない。車を回収して下さる成海さんと別れ、新潟方面へ向う。むくむくした雷鳥と出会った。

稜線歩きはたいそう気持ちが良い。ヨツバシオガマ・ミヤマアズマギクなど咲く。周りの景色も見え始め、雪倉岳や長池方面が素晴らしい。三国境周辺はガレ場。そこには今まで見たことも無いようなコマクサの大群生!!すごかったです。

小蓮華山までの緩やかな登りは砂利っぽく花も少ない。この山が新潟県で一番高い山(2769m)だそうで、一応制覇して来た。山頂は広く岩だらけである。

小蓮華山から歩き出すと昨日登った白馬大雪渓も崩落の跡も良く見えた。白馬大池がだんだん大きく見えるにつれて再度花々が登場する。すでに出たものの他に、ツガザクラ・シロウマタンポポ・チングルマ・ハクサンフウロ・タカネヤハズハハコ・イワギキョウ・シャクナゲなど。

白馬大池のほとりの景色は高原リゾート地のよう。赤い屋根の大きな小屋があり、一番の人の賑わいをみせる。大池周辺は残雪が消えたばかりのようでハクサンコザクラ・タテヤマリンドウ・タカネナデシコ・ハクサンイチゲがたくさん咲いている。涼しくて気持ちが良いところだ。

大池から下山は樹林帯に入る。うっそうとした森の中、分かったのはゴゼンタチバナ・タカネバラ・ムシトリスミレ(人から聞く)・キヌガサソウ・ギンリョウソウなど。天狗の庭で蓮華温泉から登ってきた成海さんに再会し、大休憩を入れる。豊栄市民登山の大パーティが越して行った。

蓮華温泉が近くなりついでに温泉めぐりをした。露天風呂に入って記念写真を撮りたかったが、先客が多く諦め、ロッジでの入浴となる。

白馬岳は花がたくさんで『高山植物を訪ねて』にぴったりだった。植物保護のボランティアの人か、聞けば花の名前を教えてくれてとても親切である。新潟県側にはこういう人がいないようだ。白馬の花々は標高が高いせいかとても可憐で、飯豊のわさわさしたお花畑とはまた違うものでした。梅雨がまだ明けていなかったのに雨に一滴も降られず、景色も堪能できて良い山行になりました。