能代川支流滝谷川(越後白山)[沢登り]

1. 山域・メンバー

山域・山名 越後白山
ルート 能代川支流滝谷川
地図 越後白山(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー L:都丸(峡彩山岳会・単独)

2. 行動記録

日時 2005/11/13
タイム 入渓9:20~越後白山(避難小屋)12:50-15:00~下山16:10
その他 ルート図

報告(都丸)


(1)坑口。中に何が……

(2)2段10m滝

(3)15mスラブ状滝

(4)10m滝

先月の城ノ入川に引き続き、白山に上がる能代川水系の滝谷川を遡行した。前半は平凡なゴーロで面白みはない。後半は大小の滝があって適当に楽しめる。特に難しい場所はないが、水際の岩にコケが乗って滑りやすい傾向がある。滝の直登にこだわる場合、初心者同行だとロープが必要かな、と思った場所が何ポイントかある。両岸の傾斜は緩いので登れなければ巻くのはたやすい。稜線上の登山道が周回コースなので、どこを上がってもいずれは道に出る。全体にヤブ沢で開けた場所は乏しい。

楡井さんと戸貝さんが粟ヶ岳から白山まで縦走するというので、白山山頂で合流するために遅めの出発とした。平地はちょうど紅葉の盛りで、黄金色に輝く蛭野のイチョウが美しい。慈光寺前の杉並木にはいつものようにクルマがずらりと並んでいる。橋を渡って登山道が沢から離れるあたりで入渓する。堰堤2基はいずれも左岸に巻き道がついている。朝から快晴で、穏やかな陽が差し込む晩秋の静かな谷の空気を味わいながら行く。風が吹くたびに色づいた木の葉が舞い降りてくる。それにしても、行けども行けどもゴーロばかり。前半の2時間はゴーロ歩きに終始した。だんだん水量が少なくなり、このまま終わったら何しに来たのか分からない。空も嫌な感じに曇ってきた。

1:1の二又を過ぎるあたりからようやく滝場が出てくる。7mナメ滝を快適に越えると、左岸の斜面に穴が見えた(1)。入り口は150cm x 50cmほどの綺麗な方形に切られていて、ライトで中を照らしてみると穴は奥まで続いている。昔の鉱山跡なのだろうか? 少しもぐってみるが、狭いし水が落ちてくるので進入を諦めて遡行に戻る。2段10m滝は立派(2)。左壁を登り、滑りやすいので慎重にスタンスを探っていく。その後の小滝群は巻くのは容易だが可能な限り直登を試みる。廊下状の区間で、右岸からやや水量の多い支沢が合わさる。当初これが本流かと思って入ったが、ガレですぐに水がなくなりそうな気配だったので間違いに気づいて本流に戻った。

草付スラブの中を流れ落ちてくる15mスラブ状滝はこの沢で最も大きい(3)。傾斜は緩いものの、滑ると沢床まで一直線なので慎重に。中段まで登って後ろを振り返ると村松の平野を見下ろせた。滝谷川は全体にヤブ沢の様相で眺めはあまり良くないが、この15m滝は気持ちの良いポイントだった。落ち口までの2mが立っていて少し難しい

3:2の二又を左に取り、少し行くと本流には10m滝がかかる(4)。左からはごく少ない水量の支沢が8m滝をかけて合わさる。10m滝は下段がハング気味だが、斜めにバンドが走っていて利用できそうだ。時間をかければ直登も可能と見たが、水浴びしてまで登る気にはなれず今回はスルー。支沢の8m滝を登ってヤブ伝いに10m滝の落ち口に抜けた。2段6m滝、3mチムニー状滝を越えると水は枯れる。

源頭部は枯れ沢のゴーロ歩きが意外と長い。分岐がいくつかあるがどこに入っても大差はないだろう。上へ上へと登ればいつかは道に出る。13:00前に遡行終了。風が強く雨も降り出したので小屋に入り、14:00前に楡井・戸貝パーティーと合流した。15:00出発、半ば駆け下るようにして尾根道を下り、1時間強で慈光寺に着いた。平地と違い、稜線上の木々は葉をあらかた落として寒々しい。秋もそろそろ終わる。