1. 山域・メンバー
山域・山名 | 五頭連峰野須張峰 |
ルート | 上の沢川 |
地図 | 菱ヶ岳・馬下(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | 渡辺(K)(L)、都丸(峡彩山岳会) |
2. 行動記録
日程 | 2005/7/30 |
タイム | 入渓7:45~連瀑帯上部11:30~登山道13:30~下山16:00 |
その他 | ルート図 |
報告:都丸
上の沢川は五頭連峰南面の野須張峰を源頭とし、国道49号線の道の駅「阿賀の里」付近で阿賀野川に直接注ぐ。近年まで稜線上に登山道がなかったため、表五頭の大荒川・安野川等に比べると、あまり登られていないマイナーな沢と言える。今回は合宿前のトレーニングとして入渓した。
下山予定の石戸集落外れの登山口にクルマをデポし、入渓地点の石間集落へと移動する。磐越道の下を潜る砂利道まで進入し、すぐ上流に見える堰堤を越える。序盤の30~40分は両岸のヤブが濃くてクモの巣が縦横に張り、歩きにくい。上流にもう一つ大きな堰堤があり、左岸に管理用の道の跡がついていた。この道をトレースできればもう少し楽に進めると思う。
堰堤を越えてしばらく歩くと、小滝が少しずつ出てきて沢らしい景観になる。小さなゴルジュを過ぎる。4m滝の奥に6m滝が見えた。4m滝は草をホールドとしてトラバースしつつ、落ち口にはい上がる。つづく釜付きの幅広の6mトイ状滝は最初の難所だ。下部にスタンスがなく、釜に入っても取り付くのは難しい。ショルダーで最初の一歩を確保し、足を大またに開いて突っ張りながらずり上がる。が、ヌルヌルした岩で足を滑らせあえなく滝つぼにドボン。2度失敗した後、空身でとりついた3度目で右壁に移るのに成功、ようやく登りきった。フィックスロープで渡辺さんが続く。
ゴルジュ内の滝を登る
右に屈曲する場所の2つの滝は登れないが簡単に巻ける。しばらく進むと10m滝の落ち口付近に大岩が引っかかっているのが見えた。庇のようにかぶさる大岩と沢床の間から水が噴き出している不思議な光景だ。ここは思い切って岩の下に入り込み、全身にシャワーを浴びて登る。このあたりから核心部らしく、ゴルジュの中に適度に難しい滝が連続して楽しい。6m幅広のトイ状滝は、渡辺さんが絶妙なバランスで乗り越えた。
そしてゴルジュ帯最後の12m滝が堂々とした姿を現す。ノーザイルでもいけそうだと判断して中段まで右壁を登るが、次第に傾斜が強くなりあやしくなってくる。最後の数mで不安を感じて、一旦確保支点を作って渡辺さんに確保をお願いする。一歩を上がると、落ち口までは逆層のバンド状でいやらしい。ハーケン1枚を打ってそのままバンド状のトラバースを試みる。足がずるっと滑ってそのまま滑落。約4mをまっすぐ落ちて宙吊りになって止まった。トップで登って落ちたのは初めての経験だった。よく止まってくれたと思う。途中で苦し紛れに打ったハーケンは見事に抜けていた。
その後は特に問題になるほどの悪場はない。2段8m、つづく4mは低く巻く。水が細くなるころに2段15m、その奥に15mが控えるが、いずれも登れそうもないので左岸を巻いた。枯れ滝をいくつか登り稜線が近づくころ、谷は緩やかな林となって終わる。