谷川連峰東尾根

山  名   谷川連峰東尾根
日  時   平成14年3月17日(日)
メンバー   L本間(文)、戸貝

行動記録

3月2日土曜日、我々は天候を理由に山を目の前にしながら計画を断念した。翌日晴れ上がった一ノ倉を見て自分の状況判断の無さと安易に中止にした情けなさで自己嫌悪に陥ってしまった。あれから2週間、東尾根を登らないと今年の冬は終わらないという執念ともいえる気持ちで3月17日を迎えた。

3月17日

昨夜のうちに現地入りして車内で仮眠をとり2:30に起床、3:30出発。空を見上げると星が瞬いている。コンディションは良さそうだ。15分くらい歩いたところで戸貝の懐電が暗くなる。電池切れのようだ。「事前準備がなっていない」と他人に対しては非常に厳しい本間に注意される。それでもロスタイムもなく4:15に一ノ倉沢出合到着。雪明りでぼんやりと衝立岩やコップ状岩壁が確認できる。戸貝は一ノ倉沢へ入るのは四季を通じて初めてとのこと、あれこれ説明してもさっぱりわからない。身支度を整えて4:40出合を出発。行く先には先発したパーティーの懐電の光がチラチラと輝いている。あたりが明るくなりはじめ一ノ沢を半分ほど来た時、本間の足が急停止してしまう。腹痛の為歩けなくなってしまったのだ。4日前くらいからかかっていた胃炎がようやく治りかけてきていたのにこんな所で再発してきてしまった。「健康管理がなっていない!」と言われても仕方が無いと思っていると、何も言わずに胃薬を差し出すパートナー。さすがですねぇ。腹痛もどうにか落ち着いて6:35シンセンのコルへ到着。ここのすぐ上には第2岩峰があるのだが、たくさんのパーティーがそこで詰まっている。わずか2mくらいの階段状の岩にみんなすったもんだしている。もっと練習してから来い!と言いたくなるほどだ。結局1時間も待たされて通過する。第2岩峰の上からはしばらく雪壁の登りとなり両サイドの眺めは最高!グングン高度を稼ぐ。次の第一岩峰の手前の雪稜はマチガ沢へ大きく雪庇が張り出している。反対側の一ノ倉側は二ノ沢源頭にあたり急雪壁となっているので慎重に行動しなければならない。スリリングなアルパインクライミングの醍醐味を堪能する。このころになると戸貝も落ち着いてきて、振り返るとにこにこ笑顔でついてきている。第1岩峰へ9:20に到着するが、ここでもまた15人くらいが詰まっている。どうしようかと思案しているとなんとNCCの佐藤賢さんと出会う。一・二ノ沢中間稜を登攀してきたとのこと。彼らは岩を巻いて行くというので我々も後に続く。そして最後の雪壁を上り詰め、国境稜線の雪庇を這い上がり10:10にオキの耳に到達し東尾根登攀は終了した。その後NCCと記念写真を撮り、12:40に登山指導センターに到着。

記:本間 文雄