山域・山名 | 川内山塊・日本平山 |
ルート | 五十母川持倉沢 |
地図 | 馬下・高石(1/25000) |
山行内容 | 沢登り |
メンバー | (L)都丸(峡彩山岳会) |
日程 | 2006/10/9 曇り時々雨のち時々晴れ | |
タイム | 10/9 | 林道終点8:20〜赤松沢出合9:50〜持倉沢出合10:20〜登山道13:30-14:30〜モグラ沢下降点鞍部15:20〜林道終点16:10 |
その他 | ルート図 |
各地で遭難が相次いだ6〜8日の荒天によって米子沢の予定が潰れた。高気圧が張り出してきた9日、近場の五十母川水系に入ってみることにした。新潟市街地から1時間も走れば入渓できるアプローチのしやすさがあり、釣り師は結構入っているようだ。
五十島集落から川沿いにクルマを走らせる。突き当たりのT字路には、高石方面に抜ける道は林道崩壊により奥で通行止め中との看板があった。本流にかかる三月沢橋を渡り、左岸側からもう一つ上流の橋を渡る。このあたりは地形図上の道と違うので注意。そのまま右岸を走ると、二つ目の堰堤手前で車道が崩壊していて行き止まりになる。多少のスペースがあるのでそのままクルマを止めた。出掛けに雨が降って萎えるが、少し待つと止んできたので出発する。
踏み跡をたどって堰堤上部のヤブを抜けると広場に出た。ここは持倉鉱山の精錬所跡で、煉瓦積みの建物が遺されている(1)(2)。古びた遺跡のようなそのたたずまいを前に、往時はどんな光景だったのか…とちょっと感傷的になってみる。精錬所跡から先は多少の踏み跡はあるが荒れ放題で歩きにくい。草薮にうんざりしたので川に下りて水際を歩く。水量はかなり多い。昨日の夜まで降った雨はそう簡単には引いてくれないようだ。渡渉一つにも神経を使う。河原にかかる堰堤をいくつか越え、最終堰堤を過ぎて赤松沢出合が近づくあたりで川幅は狭まってくる。水の勢いが強いので歩ける場所は少ない(3)。水際をへつりながら進む。二股の日倉沢(赤倉沢)は1:1強の水量で小滝を掛けて右から合わさる(4)。左の持倉沢に入った。
出合からしばらくはゴルジュ内の小滝をいくつか越える(5)。平水ならどうということもない滝でも今日の水量では慎重にならざるを得ない。10mの滝(6)は右壁から登れそうな感じもするが、水量が多いこともあり左岸のヒド状の支沢から高巻く。下りて少し歩くと7m滝(7)。まず直登は無理で、右岸のルンゼから高巻く。草付きから岩場に移る場所でロープを出した。2段5m滝(8)は左壁の細かいスタンスを拾い、凹状に足を乗せてフリクションを最大限に効かせて越える。
下部のゴルジュから渓相は変わり、中流域から上はヤブ沢になる。途中で堰堤状の小滝…とメモに書こうとしてよく見ると、自然石を使った落差工だった(9)。持倉沢では他にもワイヤーロープや鉄パイプや板など、人工物の残骸がいくつも見られた。40年以上も前に稼動を止めた鉱山の名残りがここにはある。
4段12m滝(10)は下から順番に右→左→右(巻き気味)→左と登る。その後は滝もなくゴーロで高度を上げていく。ようやく出てきた6m滝(11)(はなかなか綺麗。右の細い水流伝いに登る。源流部は勾配はゆるく穏やかな渓相が続く。適当な場所から右岸の支沢に入って数分ヤブを分けると登山道に出た。秋の大池(12)を眺めて引き返し、道脇で一休みしてから登山道を駆け下った。道は歩きやすい。人分から自然の森方面に登り返し、Ca.554とCa.382の中間の鞍部からモグラ沢に下降する。途中に滝はなく、淡々とゴーロを下ってマンダロク沢出合の対岸に出た。
持倉沢は滝は少なくヤブっぽく、遡行対象としての面白みはあまりない。ただ個人的には精錬所跡は一度見てみたい場所だったし、沢床のあちこちに人間活動の痕跡が残っていたのは興味深かった。
なお、今日は増水によるホワイトウォーターで沢床が覆い隠されて岩の表面が見えにくく、アクアステルスの沢靴はコケの上でつるつる滑って何度もバランスを崩した。スラブ登りでは有効なアクアステルスソールもこの日の条件では弱点が目立ってしまった。