『高山植物を訪ねて』栂海新道を歩く


1. 山域・メンバー

山域・山名 北アルプス
山行内容 尾根
メンバー L.成海 高橋 戸貝 内山

2. 行動記録

記録 内山
日程 2011/07/16-18
タイム 7/16 姫川~小川温泉~北又小屋…イブリ山…朝日小屋(テント泊)休憩含行動時間6時間20分
7/17 朝日小屋…朝日岳…吹上のコル…アヤメ平…黒岩平…黒岩山…サワガニ山…北又の水場…犬ヶ岳…栂海山荘(テント泊)行動時間9時間
7/18 栂海山荘…黄蓮の水場…菊石山…下駒ヶ岳…白鳥山…山姥祠~帰路 行動時間4時間50分

報告

16日

 車は糸魚川の坂田峠の先に1台置く。もう1台で富山県朝日町の小川温泉まで行く。マイカーはここでストップ。小川温泉から登山口の北又小屋までは11キロ(途中土砂崩れの補修中の個所あり)タクシーに乗り9300円のところ朝日町から1人当り1000円の補助金が出た。

 標高670mから出発、最初の目標のイブリ山まで地図では急登、しかしジグザグに切ってありフカフカと足に優しい歩き易い登山道だった。5合目1300m辺りからブナ林になる。スタートから1合目ごとに「○合目○メートル」の標柱がありどんどん標高が上がっていくのが分かる。標識のあり過ぎは善し悪しだが、泊り荷物で汗だくで大変だったので登る励みになった。

 イブリ山1791mはガスの中に入り周りもヤブで眺望はなし。急登が終わりここから木道など気持ちのいい山歩きの始まり。池塘や残雪が出始め、ハクサンコザクラやチングルマ、シナノキンバイ、どんどん沢山の花が出てくる。融雪の水もおいしい。男性陣そんなに急いでどこ行くの。こんなに良い所なのに・・・(後で聞くと成海さんのザックの中でビールが破損して、一刻も早くテン場に着きたかったようだ)ガス時々晴れ。登山道の赤矢印を外れないよう歩く。雪渓にも赤くルートが示されていた。先頭の成海さんは登山道で雷鳥にとおせんぼされたそうだ。

 13時過ぎには朝日小屋に到着、早すぎる?テン場にもチングルマ、ミヤマキンポウゲなど咲き乱れる。日差しが出てきたので銀マットをタープに仕立て、くつろいだ時間を過ごす。朝日小屋は北アの営業小屋らしくきれいで何でもある。写真で見る夕食はとても美味しそう。お酒も色々あり日本酒・ワインは量り売りしていた。記念に戸貝さんと高山植物のイラストのバンダナを購入。夕方は白馬方面の山々が夕日に照らされて美しく、長いこと大勢で見入った。

16日

 朝日小屋から朝日岳の登りはガス。朝日岳山頂2418mはハイマツ帯で風の通り道。空は晴れたりガスったりくるくる変わる。下山にかかると広い尾根に白馬特有のかれんな花が種類も豊富に咲いている。ルンルンと長い下りの先の鞍部が栂海新道のスタートとなり、「日本海→」と岩にペンキで書いてある。この日休憩を含む9時間の行動時間のうち6時間はお花畑、池塘、雪渓を堪能でき、しかも涼しくて天国だった。ずっと歩いていたかった。花の種類は数えきれなく色は濃い。ニッコウキスゲとヒオウギアヤメの共演は華麗だった。

 そして残りの3時間は苦しかった。お花畑と別れ、サワガニ山の登りから後頭部の照りつけでもうろうと歩く。アップダウンが多い。途中の北又の水場は非常に良い水。泊りのための水をくみ、しばらく動けず。さらに犬ヶ岳への最後の登りは体が重かった。犬ヶ岳で思わず戸貝さんとバンザイする。犬ヶ岳から10分下山で栂海山荘。どんがら山の会・新潟山岳会ほかの方々が道刈りのため泊っていた。素晴らしいルートを歩かせていただくことを有り難く思う。夜は郡山労山の方と山の歌を歌い、前日とはまた違う夜を過ごした。

18日

 最終日は白鳥山への下り。先が見えているので気は楽。下り始めて50分で着いた黄蓮の水場はブナ林の美しさに圧倒される。ゆっくり休憩する。菊石山への登り返しはブナのよい道だったが、次の下駒ヶ岳への登り返しは垂直の岩場があり、それから白鳥山までも小ピーク4つ登り下りがあり、簡単には行かせてくれなかった。

 白鳥山で30分休憩。山頂にいるのはみんな栂海新道を歩いてきた人達。労をねぎらう。あとは山姥祠へ下るのみだが、木の根につっかえて足が出ない。ゆるゆる歩く。それでもいつかは着くというもの。10時15分に車の所に戻ってきた。

 戸貝さんは「日本海までやり遂げたい」と小川温泉へ車を回収後、坂田峠まで戻りひとり最終地点を目指した。栂海新道は人気のルートだが山域がとても広くてあまり人に会わず、静かな山旅を楽しめた。この時期は水場が豊富で水に苦労しない。3日間とも雨に降られず、歩きや景色を十分に楽しむことができ、とても充実した山行となった。