会越/柴倉川中流部ゴルジュ [沢登り]

 

 

1. 山域・メンバー

山域・山名 会越国境周辺
ルート ふれあいの森~鍬沢出合手前まで遡行して下降~柏木沢(仮称)~車道
地図 安座(1/25000)
山行内容 沢登り
メンバー (L)都丸、小畑(峡彩山岳会

2. 行動記録

記録 都丸
日程 2010/07/18 晴れ
タイム 7/18 ふれあいの森8:50~鍬沢出合手前12:20~柏木沢(仮称)出合13:10~車道14:35

報告

沢はどれもそうだが、特にゴルジュの沢は平水時と増水時とでまるっきり難度が変わってくる。今回入った柴倉川も集水面積の割に水量豊富な川で、梅雨明け直後の増水で苦労させられ途中で撤退となった。過去とは違うルート取りを強いられた箇所もいくつかあった。計画通りとはいかなかったが充実度の高い遡行(下降)ではあった。

今回は蛇脱山~柏木集落南面から柴倉川に流下する支沢をエスケープルートに使った。ナメと釜、容易な小滝を連ねる、ここだけなら入門者向けにしてもいい位の感じの良い沢だった。名前が不明なのでここでは柏木沢とした。

序盤

前日夕方頃に多少の降雨があったようだ。柴倉集落手前の送電線に降りる尾根上のスペースに車を置く。それぞれ自転車に乗り、15分ほどの下りが多いサイクリングでふれあいの森に到着した。

橋を渡り右岸の道跡から入渓する。初っ端から真っ暗な淵を30mほどの泳ぎになり、柴倉川はいつ来てもここがきつい。不気味だし。独特の茶色がかった水は色づきを通り越して濁り、深さがまったくわからない。ゴミも流れてきている。増水か。今日は雨の心配はないし行けるだけ行ってみよう。まず左壁沿いに泳ぎ出してみたが勢いに負けて引き返す。今度は右壁のホールドを頼りにしながら少しずつ前進し、ようやく抜けた。息を落ち着かせてからパートナーをロープで引き寄せる。


暗い淵へ

 この後はトロと河原が適当に続き、いつもは問題なくへつっていける。今回は水深がわからないのと増水とで歩みは遅い。私はさっきの泳ぎが堪えたようで足が攣ってしまい、以後なだめながらの遡行になった。


一瞬の光彩


支沢の滝を横目に


パイナップル岩


まだ穏やかな流れ

撤退

棒目木集落の近くで核心に入る。去年までは利用していた流木がなくなってしまいただの激流になっている。最初は左岸をへつり、途中から飛び込んで右岸に移る。先が進めるか分からないので空身になってロープを引いていったが、結果的には良くないやり方だった。問題なく突破できたが、ロープで引き寄せようとしたザックが流心にはまってしまい動かない。仕方なく少し下ってから岸側に寄せて回収できた。ザックだからまだいいが、人だったらどうするか。ロープを解放するか、最悪切ることも考えなければなるまい。登攀とはまた違う難しさがある。


へつる


厳しくなってきた


ここを越えられず引き返す

 まともに泳げる流速ではないので、難しいへつりや飛び込み→しがみつきを駆使しながらじわじわと進んでいく。そして難所となる、鍬沢出合手前の激流にたどりついた。単独で挑んでみたが水圧のすさまじさに押し返される。手前左岸に巻き返しでできた浅い場所があるので小畑を呼び寄せてみた。が、二人がかりでもどうにもならない。側壁の登攀はブッシュまで遠く支点はとれそうにない。戻って高巻きはしんどいし長くなりそうだ。右側壁をトラバース、というのもちょっと考えたが、落ちれば激流、降りるにしても激流の中で、こんな所でのロープ操作はリスクが大きすぎる。計画にはほど遠いが、今日の条件でここまでやれば十分だろう、という判断で撤退することにした。

遡行は苦労したが下降は楽ちんである。セオリー通り、仰向けになってザックで浮力を確保しつつ、足を下流側に向けて流れ出す。水中に岩でもないか足で探りながら、後は流れに身を任せて下るだけだ。青空と夏の濃い木々をぼけっと眺めながら急流に身を浸してゆらゆらと流れていく。心地良い。こんな山と川の楽しみ方が他にあるだろうか?


沢屋の川流れ

支沢を詰める

スタート地点まで下ると後が大変なので、途中で右岸から入る大きな支沢を詰めることにした。ルートを間違えなければ柴倉集落近くの車道に出られるはずだ。


支沢の序盤

 出合から狭い谷筋に小滝とナメ、小さな釜を連ねて前半部分は雰囲気の良い沢だ。ここだけ取り出すことができるなら入門者を案内したいような沢だった。厳しいところはなく下降もしやすいだろう。最後はヤブ漕ぎなしで作業道から車道に出られた。車まで数分の場所だった。