会越/大戸沢岳 [山スキー]

 

 

1. 山域・メンバー

山域・山名 会越/大戸沢岳
ルート 嫁郷~大戸沢岳、東側尾根周回
地図 桧枝岐・会津駒ケ岳(1/25000)
山行内容 山スキー
メンバー (L)渡辺 (峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 渡辺
日程 2010/03/31 晴れ
タイム 3/31 下大戸沢スノーシェッド6:40~1386m8:20~1553m8:50大戸沢岳10:40-11:45~下大戸沢スノーシェッド12:35

報告

今週も前回と同じような展開の天気、降雪直後の雪に期待して出かけた。今日は後半から崩れ、高緯度の山域ほど天気が持つ模様。半日程度で登れて出来れば北向きで滑れる山は無いかと探すと、大戸沢岳が候補にあがる。しかもスタート地点から周回もできるとあれば、これはもう行くしか無い様に思えてきた。

大戸沢岳山頂まで

平日の代休なので出発は夜中、今晩は冷え込んで道路の気温表示は-6~-9℃である。道路は概ね乾いていたが、日陰箇所やスノーシェッドの中は凍結していて緊張した運転だった。

下大戸沢のスノーシェッドの上流側が取付である。桧枝岐のアメダスは一昨日が20センチ超だったが昨日は緩んだのだろうか、新雪は殆ど無い。トレース跡が何本か有り、昨日が平日で期待をしていなかったので嬉しい。


下大戸沢スノーシェッド、左から取付く

 取付いたら東北東に伸びる尾根に乗り、1386mを目指す。尾根の南側はトレースも有るのだがカチカチでクトーが必要、北側は新雪が氷板に乗っており傾斜が立つと足元がズレまくる。歩き易いのは丁度尾根上の真ん中だけと、方角に依る雪質の違いがハッキリした登りだった。

暫く行くと疎林の広尾根となり、樹間からは右手に三岩岳が見え始めた。斜面も新雪となり、トレースがバッチリなので面白いように高度を上げた。やがて平坦になった付近が1368mである。


三岩岳

 ここからもトレースを使って1553mまでは一息、これまで1人ラッセルの山行が多かったので何だか新鮮な気分。大戸沢岳の山頂直下は無立木の大斜面、全くスキーの為に有るような地形である。細尾根の緩い登りを過ぎて、最後の登りの400mに掛かる。


大戸沢岳


最後の登り

 快晴の登りの中、やや風が出て来た。順調に辿っていたトレースも隠れ始めて、森林限界で完全に無くなった。トレースで随分と楽をさせて貰った、ここからは何時ものパターンで1人の靴ラッセルを続ける。それにしても斜度良く、立木無く、「滑ってくれ」と云わんばかりの斜面。余りにも立木が無いので視界が無いと平衡感覚が狂ってしまうだろう。

2050mで概ね登り上げ、滑り込むコースを眺める。要は、三岩岳方面の対岸1426mを目指せば良い。頂上でチョットやって居る内にガスが出てくる、なんてのは良くある事なのでこれも大事な作業。

稜線が近付き、燧ケ岳が見え始める。緩登を登り切り越後の山とご対面すれば、平坦地を200mも進んだ所が山頂であった。


燧ケ岳と会津駒


越後の山波

山頂~登山口

滑りが目的なので雪が緩む前に早々に降りるのが得策なのは承知なのだが、今日の展望は素晴らしく、しっかりと1時間余りを過ごした。特に越後側の展望は圧巻で、自分も知って居る限りの山を指呼しながら一杯をやる時間は、全く以ってこれも山の醍醐味である。

惜しい事は、大戸沢岳はハッキリとした高みに恵まれず、低木越しからの眺めになる事と、越後三山が殆ど中門岳に隠されてしまっていた事であった。


中ノ岳(左)と越後駒ケ岳(右)

 さあ、お待ちかねの斜面に飛び込む。広大です。無立木です。どこを行こうが構いません。最初はややパック雪ながら軽くスプレーが飛ぶ雪質。


無立木斜面の滑り

 次は1426mに向かって面ツル斜面。


対岸の1426mに向かって

 まだ良い雪が残っていた。先日のシュプールも出てくる。

 一旦1811mで傾斜が緩み、右に曲がりながら尾根が続く。尾根右側は南に当たるので雪はイマイチであった。1550m付近は既に重雪だが、傾斜のある尾根なのでドンドン降れる。

1300mくらいであろうか、樹林が濃くなり沢底も見えたので左の中ノ沢に降りた。この下降中はアンモナイト続出であった。着いたのは中ノ沢1150m辺りかと思う。


出合付近から上流、三ツ岩沢

 まだ沢の雪は豊富で右岸を進み、三ツ岩沢を合わせて本流は開き始めた。左岸に移って1426mピークの基部を進む。この辺は台地状で、積雪時期の通行も強い懸念は無いように思る。

前方にスノーシェッドが見え始める頃、既に本流は開き切っている。最後は左岸が行き詰まり、渡渉して右岸に移る。 今日は水量が少なくて石伝いで楽勝だった。


渡渉点、左が上流側

 右岸を進むとトレースだらけになり、間もなくスタート地点に戻った。

  • 滑りの傾斜や連続性は絶妙で、同山域の会津駒コースの1.5倍くらい滑った感がある。
  • 展望は会津駒が勝ると思う。越後三山が中門岳に隠れるのはマイナス(私は越後人なので)。滑りが目的ならば大戸沢岳をお勧めします。
  • 同地点発の周回コース。山スキーの登下降に必要な特性が、それぞれの尾根に適している好コースでした。来年も楽しみなコースです。