棒掛山 [雪山・尾根]

 

1. 山域・メンバー

山域・山名 棒掛山
ルート 松花峰から上の峠
地図 1/25000日出谷
山行内容 雪山・尾根
メンバー (L)大江 (峡彩山岳会)

2. 行動記録

記録 大江
日程 2009年 3月 5日(木) 天候:晴れ
タイム 3/5 水沢集落簡易水道取水口9:20~林道壁山線終点10:25~松花峰600m地点11:20~山頂12:45着13:30出~林道長走り線上の峠14:50~取水口16:10着

報告

インターネットで”棒掛山”を検索すると数々の記録が検索できるが、具体的地名が記された記録があまり見かけないので、その紹介の意味で今回報告書をまとめてみた。

地元、阿賀町(旧鹿瀬町)で生まれ育った私にとって、窓から見える飯豊大日岳とその手前にドッシリ控える棒掛山は、ずっと以前から憧れの山であった。

12年ほど前、大戸沢とビール沢の中間稜から残雪期と無雪期に二度アタックして失敗してから、夢にまでうなされた(事実)山である。

その後1999年の残雪期に大戸沢右岸稜を単独登頂してからは、同年9月国道459号線荒砥沢橋(荒戸沢との表記もある)から松花峰を藪こざきで登頂したり、荒砥沢を遡行したりと、今回で6回目の登頂となった。そのうち1度だけ残雪期に、一般的な林道壁山線終点から松花峰経由で、4人パーティーでの登頂となった。それ以外はいずれも単独での登頂である。

水沢部落端から林道長走線を1キロ弱入ったところに簡易水道取水口の広場がある。ここに車を止め歩き始める。しばらくツボ足で歩くが、林道壁山線への分岐の手前でクサレ雪が深くなってきたのでワカンを着ける。

長走線と壁山線の分岐からは、行く先の松花峰のピークが見て取ることが出来る。ピーカンの青空である。

林道壁山線の突き当たりから杉林の中に入る。杉林は植林の成りから右上に切れ上がっているので、引っ張られないように方向に気をつける。

杉林を抜けると雑木林の中420mh付近にこんもりした小ピークが現れる。登っても良いが右から巻く。松花峰は目の前にある。取り付く所を見定め急登を尾根まで一気に登り切る。地形図でもわかるように松花峰は顕著な尾根である。無雪期であれば3カ所に炭焼き窯跡が確認できる。尾根からは背中に兎倉、御神楽、鍋倉山などの東蒲原の山々が望める。右手前方には烏帽子岳、飯豊主稜線が広がる。危険は所はない。松花峰のピークから山頂に向かう尾根上は所々注意深く天然杉の藪を越えるところがある。標高が900mとなるあたりからなだらかな稜線となり、視界が利かないとき特に下りでは注意が必要である。突き上げたところから左に50mほど行った開けたところの下に三角点はある。無雪期は藪の中である。

山頂から北東に100mほど下ったところに平地が広がる。的場平という。ここからビール沢の源頭部まで下り、ビールのカッチ目指して登り返す。標高差100mまではない。ビールのカッチからの下りは慎重に!クサレ雪をワカンで下るときは足元を掬われると結構滑るし、凍みていればしっかりキックステップを蹴り込み、状況によってはクランポンやアックスがあった方がよい。新雪があれば雪崩にも気をつける必要がある。ただし、命の危険まであるところとは思わない。ここを下ってしまえば後は注意を要するのは方向だけである。上の峠582mhへは、竹ノ倉山の尾根端部に引っ張られがちになるが意外と左気味(南東から東南東)である。風雪で奇怪に変形した天然杉から外れない方がよい。右手の矢立沢 の方に引っ張られると場所によってはやっかいなところに出てしまう。上の峠に出てしまえば後はただひたすら林道長走線を可能な限りショートカットしながら下ればよい。

最後に、棒掛山は顕著な越後の藪山である。登山道は整備されていない。インターネット等の情報を元に、これから棒掛山へ行かれれる方は十分に注意して登っていただきたい。特に無雪期は。